大型トラックやバスはISOで基準が決まっている
乗用車用のホイールは、軽自動車など車重が軽いクルマで、15インチ以下のホイールは4穴が多く、車重が重いクルマで16インチ以上のホイールを履くクルマは、5穴が主流になっている。
【注意】純正以外のホイールに履き替える際は「ナット」を適合させないと危険
このホイールの穴の数はハブボルトの数に合わせたもので、ハブボルトの数はタイヤが支える荷重の大きさで決まってくる。車重が重く、エンジンが高出力のクルマはより多くのハブボルトが必要で、大型トラック・バスのハブボルトは、22.5インチホイールで10本、19.5インチホイールは8本と国際基準(ISO方式)で定められている。
一方、身近で6穴ホイールのクルマ(新旧問わず)というと、ハイエース/グランビア/レジアス/グランドハイエース/キャラバン/エルグランド/ランクル/サーフ/サファリなどがある。
これらのなかで、たとえば10人乗りのハイエースだと、車両重量が2トン、車両総重量が2.5トンぐらいと乗用車よりもかなり重い。それに対し、570馬力のハイパワーを誇る日産GT-R(R35)でも、車両重量は1760kg、車両総重量は1980kgと、2トン未満に収まっているので、結果としてGT-Rは20インチの5穴のホイールで、そのパワーと車体を支えていることになる。
過酷なレースでは通常あり得ない負荷でハブボルトが折れることも
もっとも、これよりももっと条件が厳しくなれば話は別。2008年のニュルブルクリンク24時間レースに参戦したレクサスLFAは570馬力のFRで5穴だったが、レース中にリヤのハブボルトが折れるというトラブルが発生している……。
ただ、これはジャンピングスポットが2~3カ所もある、ニュルのオールドコースという特殊な舞台(GPコースも併用)で、なおかつ24時間レースという過酷な環境下でのレアなケース(車重はノーマルで1500kg)。通常、車両総重量が2トン以下のクルマなら、ハブボルトは1輪あたり5本あれば問題ない。
いたずらにハブボルトを増やしても整備性が悪くなるだけだし、ホイールの選択肢も狭くなるので、いまのところ乗用車で6本以上のハブボルトは必要なく、6穴以上のホイールも当分採用されることはないだろう。
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