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名車ならぬ迷車!? 記憶に残る異色のホンダ車5選

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名車ならぬ迷車!? 記憶に残る異色のホンダ車5選

■かつてホンダが販売していたユニークなモデル

 新車販売台数を気にしている人なら、ホンダ「N-BOX」が好調なのは周知の事実です。以前のホンダは国内新車販売台数では3位か4位のメーカーでしたが、いまではトヨタに次いでホンダが2位になることもあります。

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 しかし、大ヒット商品を開発する一方で、やや失敗と思われる「迷車」も存在します。そこで、残念な結果になってしまったホンダ車5車種をピックアップして紹介します。

●「Z」

 ホンダ「Z」というと「水中メガネ」の愛称で親しまれた、1970年発売の360cc軽自動車、初代Zを思い浮かべる人も多いかもしれません。

「N360」をベースに、軽自動車規格でクーペスタイルを持つスペシャリティカーで、スズキ「フロンテクーペ」やダイハツ「フェローMAX」とともに、軽のスポーティカー市場を牽引した1台に。

 1998年に登場した2代目「Z」は初代Zとはまったく異なり、軽自動車規格のSUVタイプの4WD車で、「アクティバン4WD」や「ストリート4WD」と同様のエンジン縦置きのミッドシップレイアウトで、ビスカスセンターデフを備えた「リアルタイム4WD」でした。

 また、パワートレインが後部座席の下に搭載されていることから「UM-4」(UNDERFLOOR MIDSHIP 4WD)という新ジャンルのクルマに位置づけられていました。

 15インチの大径タイヤと高い車高から、ひと目でSUVとわかりますが、軽としては高額だったことや3ドアのみの構成で使い勝手が良くなかったことで販売は低迷し、2002年には生産を終了。

「Z TURBO」の64馬力を発揮する660cc直列3気筒SOHCエンジンは、低中速トルクも十分で、1トン近い車重でも乗りやすいクルマでした。

 しかし、Zと同時期に発売された2代目三菱「パジェロミニ」や、熱烈なファンを獲得していたスズキ「ジムニー」のほうが「いかにも4WD」のルックスで人気は高く、独創的な部分が裏目に出てしまったクルマでした。

●「エディックス」

 ホンダ「エディックス」は、2004年に発売された2列シート6人乗りのミニバンです。7代目「シビック」をベースに「3by2」と呼ばれた3席2列シートを採用したのが最大の特徴でした。

 単純なベンチシートではなく、前席中央と後席中央のシートは独立して大きくスライドでき、後退させれば左右席の乗員と体が干渉するのを防げるというアイデアが盛り込まれました。

 また、前列3人乗車時にも後方視界が確保できて運転しやすいように、ルームミラーの位置を運転席側にオフセットしてマウントするなど、ホンダらしい工夫が施された1台です。

 発売直後は最高出力130馬力の1.7リッター直列4気筒SOHCエンジンと、156馬力の2リッター直列4気筒DOHCエンジンの2本立てでしたが、1.7リッター車ではパワー不足ということもあり、マイナーチェンジ時に162馬力の2.4リッター直列4気筒DOHCエンジン搭載車を追加すると、1.7リッター車は販売終了となりました。

 このようにテコ入れされましたが、スライドドアのミニバンほどの人気を得ることはできず、2009年にコンパクトミニバンの「フリード」に統合されるかたちで販売を終了します。

 ちなみに、エディックスは欧州にも「FR-V」の名で輸出され、日本仕様にはなかったディーゼルエンジンや5MT、6MTがラインナップされていました。

●「エレメント」

 ホンダ「エレメント」は北米市場で若者層をターゲットとして開発された、最低地上高が高く室内スペースも広いミニバン的な面も持ったクロスオーバーSUVです。

 ホンダの現地法人がデザインして、オハイオ州の工場で生産し、2002年に発売しました。日本には4WDモデルのみが2003年から2005年までのわずか2年間のみ輸入販売されていました。

 当時の「CR-V」をベースにして、全長は10フィート(約3m)のサーフボードを積めることを条件に決められたということも、若者へのアピール。  マツダ「RX-8」と同様の観音開きドアを採用し、パッと見はツートーンカラーに見える無塗装の樹脂素材を使用したバンパーとフェンダーなど、デザインもユニークなものに。

 搭載するエンジンは最高出力160馬力の2.4リッター直列4気筒DOHCで、車重1.5トンのSUVには十分なパワーでした。

 アメリカではホンダの目論見通り若者層から支持を得られましたが、日本では外装の樹脂素材のデザイン性や、後席への乗降時には便利とは言い難い観音開きドアは受け入れられず、前述のようにわずか2年で販売を終了。

 なお、アメリカでの人気は維持され、愛犬家のための特別仕様車「Dog-Friendly」や、スポーティなモデルをラインナップし、マイナーチェンジでフロントフェイスも変更されるなど、2010年まで販売が継続されていました。

■「HR-V」知っていたらSUVマニア!

●「コンチェルト」

 日本のバブル経済絶頂期を迎える1988年に登場したホンダ「コンチェルト」は、当時の人気車種だった4代目「シビック」とプラットフォームを共有し、イギリスのローバーと共同開発した5ドアハッチバック/4ドアセダンです。

 車格的には「シビック」と「アコード」の中間くらいに位置し、デザインもローバーのモデルに寄せたイメージでした。

 内装は木目調パネル 1.6リッタークラス初の電動パワーシート、フルオートエアコンやキーレスエントリーシステム、本革シートも用意されるなど、英国趣味の小さな高級車というコンセプトでした。

 エンジンは電子制御燃料噴射装置を備えた、最高出力120馬力の1.6リッター直列4気筒SOHCエンジンを最高峰とし、キャブレター式の1.6リッターと、1.5リッター直列4気筒SOHCエンジンの3種類で、コンパクトカーとしては実用上問題ないレベルの動力性能を有していました。

 それでも同クラスではスペック的に他車に劣ることから、1991年のマイナーチェンジ時には135馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する「EXCLUSIVE(エクスクルーシブ)」がラインナップされました。

 しかし、この車格に豪華さを求める層は少なく、価格も200万円を超えるモデルもあり、高出力なDOHCエンジンを楽しみたいドライバーはシビックを選んだため、1992年に後継車となる「ドマーニ」が登場したことで販売を終了しました。

●HR-V

 1998年にデビューしたホンダ「HR-V」は、前年の「東京モーターショー」に出展したクロスオーバーSUVのコンセプトカーを市販化したクルマです。

 同社の「ロゴ」のプラットフォームをベースにしたボディに大径タイヤを装着し、使いやすさと、走り、安全、環境などの要素を盛り込んだHR-Vを、SUVではなく「ジェットフィール・ハイライダー」と呼んでいました。

 搭載されていたエンジンは1.6リッター直列4気筒SOHCで、ホンダの可変バルブシステム「VTEC」によって125馬力を発揮するモデルと、通常のシリンダーヘッドで105馬力の2種類が存在し、両ユニットともに日常使用では不満のないエンジン特性を持っていました。

 HR-VはクロスオーバーSUVとして斬新なコンセプトでしたが、デビュー時に3ドアのみだったことや特徴的なフロントマスクなども好みが分かれました。

 1999年には5ドア車が追加され使い勝手は向上し、2001年にはVTECエンジンのFF車の追加などで販売増を狙いますが、2003年には3ドア車の販売終了、2005年には完全に生産終了となりました。2013年に登場した「ヴェゼル」が後継車種となっています。

※ ※ ※

 今回紹介したモデルはどれもフルモデルチェンジすることなく1代限りで消えてしまいました。しかし、どれも個性的なクルマばかりです。

 ホンダは一時期「ミニバンメーカー」と言われ、いまはN-BOXのヒットにより軽自動車販売比率が高くなっています。

 企業としては正しい判断と理解していますが、かつてのホンダらしい他社にはないユニークなクルマが出てくることも期待したいところです。

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