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業界ニュース 2019.5.21

懐かしの日産「サファリ」が超進化! GT-Rのノウハウを注入した超大型SUVの性能とは

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■かつて「サファリ」として日本でも馴染みのあった「パトロール」

 日産は、スーパーGTシリーズの「FRO(ファーストレスキューオペレーション)」用の車両として「パトロールNISMO」を提供すると発表し、2019年5月4日に決勝が行われたスーパーGT第2戦「富士500kmレース」にて贈呈式が行なわれました。

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 FROとは、サーキットでのレース中にトラブルが起きた際に、コースオフィシャル(レースの実運営者)の手では対処できない事象に対応するためのレスキューチームのことです。具体的には、車両をコース外へ撤去する作業や初期消火、ドライバーの救助などを行います。チームのメンバーには、ドライバーとドクター、そしてファイヤー&レスキューの専門家が含まれます。

 ここで用いられる車両には、現場まで素早く移動できる「走行性能」、救命救急/初期消火を行なうための機材を備える事が可能な「積載性」、停止車両をけん引する「機動性」といった総合的な性能が求められます。

 このFRO車両は通常、各自動車メーカーの協力によって適したモデルが提供されており、これまではポルシェ「マカンターボ」とスバル「レガシィアウトバック」のオーストラリア仕様(日本未発売の水平対向6気筒エンジン搭載仕様)、そして日産「スカイラインクロスオーバー」の3台で運用されてきました。そして、今回スカイラインクロスオーバーがパトロールNISMOに変更されることになったのです。

 パトロールNISMOは日本では発売されていない日産車ですが、高い走行性能を誇る「スーパー四駆」です。一体どのようなクルマなのでしょうか。

 ここで、パトロールがどのような経緯で誕生したクルマなのか紹介します。

 かつて、日産の国内向けラインナップに、トヨタ「ランドクルーザー」に対抗する「サファリ」というオフロード4WD車が存在していました。そのサファリの海外向け仕様が「パトロール」と呼ばれていたのです。サファリは2007年6月に日本での販売を終了しますが、パトロールは中東向けを中心に生産が継続されていました。

 その後、パトロールは日産の高級ブランド「インフィニティ」のSUVである「Q80」をベースに、独自の内外装が与えられたモデルとして2010年にフルモデルチェンジされます。2014年にはフロントマスクを中心にデザイン変更が行われ、より押し出し感の強いデザインとなりました。

 パトロールの主要市場である中東では「クルマ = 過酷な環境下で命を繋ぐ道具」であることから、道なき道を走り抜けられる「走破性」と、何があっても壊れない「耐久性」を併せ持ったオフロード4WD車が主流となっています。

 その一方で、中東の富裕層はオフロード4WD車に、プレミアム性や高い走行性能をはじめとしたさらなる付加価値を求めていることが多く、レクサス「LX」やメルセデス・ベンツ「AMG G63」、ランドローバー「レンジローバースポーツSVR」のような、いわゆる「スーパー四駆」が登場する背景には、このような事情があります。

 当然、日産も同じようなスーパー四駆をラインナップに加えたいと考えるのは当然の流れです。そこで日産は、サブブランドである「NISMO(ニスモ)」を活用し、2015年10月に「パトロールNISMO」がドバイで発表されました。

■レクサス車にも負けない付加価値を持つ「パトロールNISMO」の性能とは

「パトロールNISMO」は通常モデルと比べてどのような違いがあるのでしょうか。大きなポイントとしては、日産伝統のスポーツブランドである「NISMO」の名を冠していることからも分かるように、他のNISMOロードカーと同じようにレーシングテクノロジーからフィードバックされたチューニングが施されている点が異なります。

 エンジンは、5.6リッターV8エンジンに同社の最上級スポーツカー「GT-R」のエンジン開発で培ったノウハウを応用したチューニングが施され、最高出力428馬力を誇ります。

 最大トルクは560N・mとピーク値の変更はありませんが、エンジン回転域の70%でトルクが向上しています。それに伴い、7速ATの制御や4モード切り替え可能な4輪駆動システム「オールモード4×4」も最適化されました。

 チューニングを受けたのはエンジンだけではなく、補強されたボディやビルシュタイン製ショックアブソーバーを採用した専用サスペンション、22インチのレイズ製アルミホイールの採用などにより、オンロードでの正確性やレスポンスを高めたハンドリングを実現させています。

 外装は、オフロード4WD車ながらニスモロードカーと共通イメージのエアロパーツを装着。これらは単なるドレスアップの目的で装着されたものではなく、クルマにかかる揚力がゼロとなる「ゼロリフト」をこのクラスで初めて達成した、極めて空力性能の高いものです。砂漠のフラットダートなどを時速200キロオーバーで駆け抜けるときの走行安定性にも寄与していると思われます。

 内装は、ホワイトのキルティング仕様の本革シートにレッドのワンポイントと、他のニスモロードカーとは異なるコーディネイトですが、本革・アルカンターラ巻のステアリングや専用メーターなど、他のニスモロードカーと共通のアイテムも採用されています。

 このパトロールNISMO、発売はアラブ首長国連邦に限定されていますが、北米市場からの強いラブコールもあるそうです。大型SUVが正規輸入および並行輸入含めて一定の販売台数を保っていることを考えると、米国のみならず日本においても、パトロールNISMOの需要は存在すると考えられます。国内市場への導入も、期待したいところです。

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(くるまのニュース 山本シンヤ)

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