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業界ニュース 2019.5.16

なぜ国内はレクサスだけ? 日産、ホンダの高級ブランドが日本導入しない理由

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■トヨタがレクサスを国内展開できる理由は販売規模によるものか

 トヨタは、1989年から海外で展開しているプレミアムブランド「レクサス」を、国内で2005年に開業しました。一方、同じ国内メーカーである日産やホンダも、レクサスと同様のプレミアムブランドとして「インフィニティ」や「アキュラ」を持っていますが、日本では展開していません。

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 なぜ、このような違いが生じているのでしょうか。

 日産のプレミアムブランド「インフィニティ」が北米で開業したのは、レクサスと同じ1989年でした。この年に発売された最上級セダンのインフィニティ「Q45」は、初代レクサス「LS」(日本名:トヨタ『セルシオ』)のライバル車で、日本国内でも日産「インフィニティQ45」として販売されました。

 その後、海外ではインフィニティ車のバリエーションが充実していきますが、国内の日産車がインフィニティを名乗ることはありませんでした。

 一方、ホンダの「アキュラ」は、レクサスやインフィニティより3年早く1986年に北米で開業しました。開業当初は上級セダンのアキュラ「レジェンド」とコンパクトなスポーティカーのアキュラ「インテグラ」を扱っています。

 その後、日本でもスーパースポーツカーとして知られているアキュラ「NSX」が登場するなど、取り扱い車種が増えていきました。

 インフィニティとアキュラは、ともに海外では今でも健在ですが、日本ではレクサスと違って開業していません。

 インフィニティを日本で開業しない理由を、日産の商品企画担当者は、次のように話します。

「インフィニティの国内開業は、以前検討したことがあります。しかし販売会社のコスト負担が大きく、踏み切れなかった経緯があります」

 たしかに、国内のレクサス店舗を見ても分かるように、開業にあたってはかなりの金額が費やされています。

 また国内におけるレクサスの業績も影響したでしょう。レクサスが2005年に開業したときは大きなニュースになりましたが、その後販売は伸び悩みました。

 国内のレクサス店は、約170店舗なので、トヨタ全店の約4900店舗に比べると販売規模は約3%です。しかも、開業当時レクサスの国内販売車種は「IS」「GS」「LS」など後輪駆動のセダンが中心でした。

 2000年代にはミニバンが急成長して、SUVも人気を高めつつあったため、前述したセダンと2ドアオープンの「SC」しかラインナップにない状況では、大量に売れるわけがありません。

 このような理由で、2008年頃のレクサスの国内販売は、1か月あたり2500台前後でした。その後ラインナップにSUVが加わったことで、2018年の販売台数は1か月あたり約4500台という状況です。すなわち10年前の販売台数は今の半数少々しかありませんでした。そのため、経済誌などは当時「レクサスの国内販売は失敗」と叩いたものです。

 そのため、インフィニティが日本に導入されることはありませんでした。また、同じ時期にホンダはアキュラを2010年を目処に導入する計画を立てていましたが、2008年に起きたリーマンショックの影響で計画を白紙に戻し、その後もプレミアムブランドの国内展開はしていません。

 2013年に、ホンダは「レジェンド」「アコード」「オデッセイ」というような上級車種の販売に力を入れる「クオリティセレクト店」を国内で設けましたが、これもいまひとつ売れ行きが伸びません。アキュラを日本国内で開業するなら、ホンダには堅調に売れる新しい上級車種が必要でしょう。

■国内販売の戦略面でもレクサスとは違いが

 メーカーが考える国内市場の重要度の違いも、要因として挙げられます。2018年に日産が世界で製造したクルマのうち、国内で販売された台数は11%にとどまります。三菱が製造した軽自動車を除くとわずか8%です。

 ホンダは14%と少し高いですが、トヨタの18%には達しません。つまりトヨタは国内販売比率が高く、メルセデスベンツなど輸入ブランドに対抗する目的もあり、レクサスを日本でも開業したのです。

 いい換えると、日産とホンダは海外に重点を置いた戦略を取っているといえます。そのため、日産の場合は国内で販売されるクルマの設計が全般的に古く、売れ筋は「ノート」や「セレナ」、そして軽自動車「デイズ」「デイズルークス」に絞られます。いまでは国内で販売される日産車の30%以上が軽自動車になりました。

 ホンダも軽自動車の「N-BOX」が絶好調で、この1車種だけで国内で売られるホンダ車の30%以上を占めます。軽自動車全体で見ると、ホンダの国内販売の約50%に達します。

 以上のように、日産とホンダはトヨタに比べて国内市場の重要度が低く、国内の売れ筋モデルも海外で扱わない軽自動車です。この状態では、インフィニティやアキュラを日本で開業する戦略は生まれないでしょう。

 またインフィニティの場合、「Q50」は「スカイライン」、「Q70」は「フーガ」として、すでに国内でも売られています。コンパクトSUVの「QX30」、かつて日本で売られていた「スカイラインクロスオーバー」の後継となる「QX50」を加えれば、インフィニティを設ける必要はありません。

 アキュラも「RLX」は「レジェンド」として国内でも売られ、TLXは「アコード」とキャラクターが重複します。コンパクトセダンの「ILX」は市場性があるかも知れませんが、日本国内で独立したブランドとして立ち上げるにはアキュラのラインナップは弱いです。レクサスは、この点でも10車種以上をそろえているので、ブランドとして成立させやすく、日本でも開業しました。

 このようにプレミアムブランドの扱い方を見ても、トヨタと日産・ホンダの販売規模の違いと、国内市場に対する本気度の差が表われています。

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(くるまのニュース 渡辺陽一郎)

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