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実はスポーツセダン作りの名手「アルファロメオ」──ドイツ車とは違うイタリア製セダンの魅力

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実はスポーツセダン作りの名手「アルファロメオ」──ドイツ車とは違うイタリア製セダンの魅力

“アルファロメオ”というと、オープンカーのスパイダーをはじめスポーツカーのイメージが強いかもしれないが、実はスポーツセダンづくりの名手でもある。

最新セダンにもその名が使われている「ジュリア」のルーツは、1962年に登場した4ドアセダン(ベルリーナ)のジュリアTIにまで遡る。ジュリアTIをベースにした高性能モデルの「ジュリアスーパー」、レース仕様の「TIスーパー」などがすでに当時から存在しており、普通の4ドアセダンをスポーツセダンに仕立てる巧妙な手腕は長年にわたり培われてきた。

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4ドアの初代「ジュリア」は、日本ではその実用性重視の四角いカタチから“醜いジュリア”などと揶揄されたこともあったが、あらためて見ると、ユーモラスな顔つきながらもパッケージ効率と空力を追求した機能主義的なモダンデザインであると気づくはずだ。50年が経過したいまも人気車たるゆえんだ。

その後、「ジュリア」の名はそもそもは派生モデルだった2ドアクーペモデルを主体に使われるようになるが、4ドアの「ジュリア」も70年代後半まで存続していた。

1972年には新世代セダンの「アルフェッタ」やひとまわり小さな「ジュリエッタ」などが登場した。ちなみにこの「ジュリエッタ」の名は1950年代のクーペやセダンに使われていた車名であり、このタイミングで復活を遂げたものだった。現行の5ドアハッチバックモデルにもこの「ジュリエッタ」の名が受け継がれている。

日本でもヒット作となったアルファロメオのセダンといえば、1985年に登場した「アルファ75」だ。FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式に、重量配分の適正化のためにトランスミッションをリアに搭載するトランスアクスル方式を採用。1気筒あたり2本のスパークプラグを備えた可変バルブ機構つき2リッターDOHCエンジン“ツインスパーク”の名は、その凝ったメカニズムや個性的なエクステリアデザインで、またたく間にクルマ好きのあいだに知れ渡った。

1986年にフィアット傘下となり、ちょうどこの頃からFF(フロントエンジン・フロントドライブ)へと方向転換を図った。1992年には「75」の後継車となる「155」がデビュー。モータースポーツではイタリアツーリングカー選手権をはじめ、ドイツツーリングカー選手権(DTM)、英国ツーリングカー選手権(BTCC)のすべてを制覇し、真っ赤な車体にアルファのロゴをあしらったマシンは大人気となった。1997年には「155」の後継となる「156」がデビュー。のちにVWグループのデザイン責任者を務めたワルター・デ・シルヴァが手がけたデザインで、世界中でヒット作となった。

2005年に「156」の後継として、「159」がデビュー。エクステリアはジウジアーロとチェントロスティーレ(アルファロメオデザインセンター)の共作だった。ただ、ボディサイズが大きくなり、全長は4.5mを、全幅は1.8mを超え、車両価格もアップしたことで日本では「156」ほどのヒット作とはならず、2011年に販売を終了した。これをもって、アルファロメオのセダンの系譜がいったん途絶えてしまった。

2015年、アルファロメオのセダンが復活の狼煙をあげた。FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)傘下となり、マセラティとプラットフォームの共同開発を行った。「75」以来のFR駆動、そして四輪駆動によって、2017年より日本でも新生「ジュリア」が発売された。さらに、そのプラットフォームを活かし、ブランド初のSUV「ステルヴィオ」も登場している。

あらためて、新生「ジュリア」を眺めてみると気づく。ブルドッグを思わせるようなブサかわいいマスクは、あの“醜いジュリア”の現代版なのだ。ボディを真横から見れば、無駄な線のない、シンプルだけれど美しいスタイリングであることがわかる。初代ジュリアを彷彿とさせるデザインのステアリングを握り走り出すと、ドイツメーカーとは明らかに一線を画す、キレ味のいい軽快なハンドリングに驚く。飛ばさなくても、いつもの道が楽しく感じられる。

かつてイタリア車というと、すぐに壊れるといったイメージで語られがちだったが、いまやその心配もない。グローバル化によって信頼性は飛躍的に高まった。またインフォテイメントではAppleCarPlayやAndroidAutoに対応しているし、アダプティブクルーズコントロールなどADAS(先進運転支援システム)もしっかり備えている。

SUV全盛のいま、セダンというとドイツプレミアムブランドしか売れない、なんて話も耳にするけれど、ヘリテイジも機能もたっぷり詰まったアルファロメオの最新セダン、一考の余地あり、だと思うのだ。

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