新型スープラが、いよいよ2019年5月17日に正式発表・発売となる。
17年ぶりの復活まで1ヵ月を切ったが、発売を前に早くも「買えない事態」になっているとの情報が一部で囁かれていた。
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そして今回、それを裏付けるように、2019年モデルの一部グレードはデリバリー分を受注完了していることが明らかとなった。どういうことなのか。
背景には、共同開発車の新型BMW Z4が、2Lエンジンの「s Drive 20iスポーツ」で615万円、3Lの「M40i」が835万円となり、比較して100万円以上安いスープラに人気が集まったという事情もありそうだ。
本稿では、販売店取材で判明したその実態と合わせて、納期や価格の最新情報をレポートする。
文:遠藤徹/写真:編集部
すでに一部は「完売」! 注目の価格は?
写真は2Lターボエンジンを搭載する新型スープラ「SZ」。同モデルは現時点で購入が「可能」なモデルとなっている
今回のデリバリーは2019年イヤーモデル分、500台程度(推定)で2019年3月頃から各扱い店で数台分が割り当てられた。
グレードは、3Lターボエンジン搭載の「RZ」(価格:690万円)、2Lターボ搭載の「SZR」(590万円)、同「SZ」(490万円)の3タイプ。
このうち売り切れで買えないのは、最上級グレードの「RZ」であり、2Lターボ車はどちらもまだ買える状況にある。
新型スープラは2人乗りの2シータープレミアムクーペ。ボディサイズは「RZ」で全長4380mm、全幅1865mm、全高1290mmとなる。2L車は全長、全幅が3Lモデルと同じで全高のみ1295mmと5mm高い。
BMWとの共同開発で3L直列6気筒、2L直列4気筒エンジンはともにBMW製。性能は3Lが最高出力340ps、2L車は同258psと197psのふたつのバリエーションを展開する。タイヤは3L車が19インチ、2L車は18インチ&17インチ。
ボディカラーはホワイトメタリック、シルバーメタリック、アイスグリーンメタリック、ブラックメタリック、プロミネンスレッド、ライトニングイエロー、ディープブルーメタリック、コットストームグレーメタリックの8色。
うちライトニングイエロー、コットストームグレーメタリックが有料色となる。
現状の納期は「半年後」が目安
全系列店で販売される新型スープラながら、スープラの象徴ともいえる直6エンジン搭載グレードは、すでに入手困難に
新型スープラはトヨタ全系列店扱いだから、どこで購入しても差し支えない。
モデルの性質上、首都圏の大都市部の販売会社、とりわけ以前専売扱いだったカローラ店に多く割り当てられている可能性がある。
したがって、可能な限り多くの販社を回り、まだ割り当て分を消化していない販売店を見つける努力をすることをお勧めしたい。
モデルイヤー毎に限定してデリバリーするので、2019年分を受注完了すると、次の2020年分は同年6月分から(の販売)となり、その2~3ヶ月前から事前予約をスタートさせる仕組みになっている。
契約するにあたっては30万円程度の前金を支払うと登録され、納期が伝えられる。
今回最初に申し込んだ3Lユーザーは2019年秋の11月頃から納車がスタートする。2Lモデルをいま申し込むと半年後くらいが納期の目安となる。
販売店は新型スープラをどうみる?
17年ぶりの復活となったるスープラ。久々に登場するスポーツカーに注目と期待が高まる
■証言1(首都圏カローラ店)
スープラのような2シーターのプレミアムスポーツモデルは、“一過性”といって最初は受注が集中して多数のファンが購入に走るが、半年くらいで急激にユーザーが減り、鎮静化する傾向がある。
このためメーカーとしては今回のように生産販売を限定して、それが全部売切れたら間を置いて、また限定台数を売り出すといった手法を採用したものと思われる。
こうすることで、よりプレミアム性が高まり、リセールバリューの価値が上がり、流通し易くなる。BMWとの共同開発という形を取ったのもリセールバリューの引き上げにひと役かっている。
BMWの工場で組み立て輸入する方式にして、余計に納期が長引くように配慮したのも、ユーザーの待ち遠しい気持ちを高める役割を果たすことにもつながっている。
◆ ◆ ◆
このように、新型スープラは現状で3L直6エンジン搭載モデルが、事実上「買えない」状態となっている。
ただし、2Lエンジン搭載車はまだ購入可能で、価格も最安で490万円と比較的手ごろ。すぐに購入したいユーザーには、こちらが唯一の選択肢となる。
スポーツモデルは、まとまった台数が出にくく、日産のGT-Rもスープラ同様「イヤーモデル制」を採用している。新型スープラが一時的に買えなくなっている背景には、こうしたスポーツモデルを取り巻く環境とメーカーの戦略が大きく関係している。
とはいえ、早々に一部が完売したその勢いは予想以上のもの。スポーツカーにとって厳しい時代のなかで、改めて「スープラ」のファンが根強いことも示した。
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