■難解すぎるデザインのクルマはこんなにもあった
クルマのデザインはさまざまで、明確な「正解」というものは存在しません。ただし、好まれる、好まれないデザインは存在します。
多くのユーザーに共感が得られるのが好まれるデザインであり、言い換えると理解しやすいデザインなのかもしれません。一方、理解が困難なデザインのクルマもあります。
そこで、これまでに販売されたクルマのなかから、理解しがたいデザインのモデル5車種をピックアップして紹介します。
●フィアット「ムルティプラ」
コンパクトミニバンというと日本のお家芸ですが、イタリアもコンパクトミニバンの歴史は古くからあります。
フィアット「ムルティプラ」はコンパクトミニバンの元祖的存在で、小型車フィアット「600」の派生車として1956年に誕生しました。
このクルマも相当個性的なデザインでしたが、1998年に発売された新型ムルティプラは、さらに衝撃的なデザインでした。
ムルティプラは2列シートながら、前3人、後ろ3人が乗れる6人乗りのワゴンで、全長は4000mm弱、全幅が1870mmと、極端に幅が大きいので6人乗りを実現できましたが、そもそも見た目のバランスが良いとはいえませんでした。
さらにフロントマスクはまるで深海魚か両生類のようなイメージで、クルマにクルマがめり込んだようにも見えます。
ムルティプラのデザインは各方面で酷評され、さすがにその声を無視することができず、フィアットはマイナーチェンジでフロント全体のデザインを「普通」のクルマに変えました。
一方で、後期型は普通すぎて、前期型を好むユーザーもいるようです。
●オーテック ザガート「ステルビオ」
1989年、つまり平成元年にオーテックジャパンとイタリアの名門カロッツェリア(自動車工房)「ザガート」との共同開発によって「ステルビオ」が生み出されました。
ステルビオは日産「レパード」のシャシをベースとしてザガートがデザインを行ない、イタリアにて手作りで組み立てられ日本に輸入された2ドアクーペです。
限定200台のみの生産で、内装も上質な本革と選りすぐられた木の素材をふんだんに使い、贅の限りが尽くされ、まさにバブルの象徴といえました。
しかし、外観のデザインは難解で、ザガートらしいといえばその通りですが、常人にはかっこいいのか悪いのかも判断できないほどです。
とくに特徴的だったのがボンネットと一体になったフェンダーミラーで、これこそステルビオのカタチを印象付ける重要なアイテムでした。
●シトロエン「C6」
これまでもシトロエンのクルマといえば、ほかにはない個性的なものばかりでした。たとえば「DS」や「SM」といったモデルは、いまでもコアなファンが多いです。
そして2005年に発売された「C6」もかなり難解なデザインでした。
大型セダンとして誕生したC6は、極端に前に張り出したフロントに、シトロン伝統の「ダブルシェブロン」をあしらったグリルが特徴的。
また、リアはフロントとは対照的にオーバーハングが短く、リアウィンドウは普通とは逆に凹面となっていました。
フロントマスクのデザインや大柄なボディは、まるで陸を走る「クジラ」のようで、こちらに向かってくる姿も、走り去る姿も、強烈な印象が残るモデルでした。
現在、日本で販売されていませんが、C6は2016年にフルモデルチェンジし、デザインはオーソドックスなセダンになってしまいました。
■ワンオフのクーペに超絶スタイルのセダン
●ロールスロイス「スウェップテイル」
高級車のなかでも、ひと際高価なモデルといえばロールスロイスです。ロールスロイスを購入する場合は、普通のクルマとは違い、顧客のリクエストを聞きながら仕様を決め、生産に移すというプロセスとなっています。
しかし、通常の上を行く「ビスポーク」という販売プログラムが存在します。
ロールスロイスのビスポークはいわゆる「テーラーメイド」で、顧客のリクエストはさらに詳細になり、専門のデザイナーが打ち合わせに同席し、まさに世界に1台のロールスロイスを作り上げます。
そのビスポークで作られたなかでも最高峰に位置するモデルが「スウェップテイル」です。「ファントムクーペ」をベースにフロントマスクのデザインが変更され、リアオーバーハングを伸ばし、ボディ後半をファストバックスタイルに作り変えられています。
合わせて内装も素材からデザインまで専用となり、クルマ全体はクルーザーをイメージして設計されていました。
とくにリアのスタイルは高級かつクラシカルなボートそのもので、もはや原型を留めていません。
ちなみに、1台のみ作られたスウェップテイルの価格は、日本円で十数億円といわれています。
●アストンマーティン「ラゴンダ」
歴史あるイギリスのスポーツカーメーカー、アストンマーティンは数々の名車を生み出してきました。近年ではV12気筒エンジンを頂点とする大排気量、大出力のエンジンを搭載するクーペモデルを多数発売し、映画007シリーズで「ボンドカー」にも使われるなど、話題は尽きません。
このアストンマーティンが1978年に発売したセダン「ラゴンダ(第二世代)」は、それまでの常識をくつがえすほどのデザインとなっていました。
空気を切り裂くようなエッジの効いたボディのことを「ウェッジシェイプ」や「クサビ型」と形容しますが、ラゴンダはクサビそのものといったスタイルです。
極限まで薄く作られたフロントマスクは大きく前方にオーバーハングし、ヘッドライトは4灯のリトラクタブルを採用。リアのトランク部分も大きく後方にオーバーハングし、フロントと同様に絞り込まれたカタチになっています。
内装も本革と木を使いながらデジタルメーターを搭載するなど、伝統と革新が同居した斬新なものでした。
ラゴンダのデザインは本当に市販車だったのかと思うくらい強烈なインパクトがあり、これを超えるセダンはそうそう出てこないでしょう。
※ ※ ※
現在のクルマは奇をてらったデザインはほとんど見られません。過去の反省を踏まえると、なかなか冒険できなくなるのは当然でしょう。
しかし、横並びのデザインでは面白味がないのも確かです。
近年、旧車の価格がとんでもなく高騰していますが、失ったモノを求める人が多いのかもしれません。
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