北海道にあるトヨタの士別試験場で行われた新型RAV4プロトタイプの試乗会に参加した。
いまから20年以上前にデビューしたトヨタ「RAV4」は、国内SUVブームの立ち上がりを牽引する重要な役割を果たしながらも、その後セールスが伸び悩んで国内販売を休止。それが、5代目の登場を機に日本市場へ再投入されることが決まった、数奇な運命のSUVである。
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こう聞いて「オヤ?」と思った読者も少なくないはず。なぜなら、昨年、国内販売が再開されたホンダ「CR-V」の歩んだ道筋とまったく同じだからだ。しかも、日本で販売されていなかった期間も海外では大人気で、グローバルに見ればホンダとトヨタの基幹モデルとして活躍していた点も両モデルに共通する。
ちなみに、RAV4はこれまでに累計896万台を販売。その生産台数は日本国内に限っても年間40~45万台に達し、わが国で作られるトヨタ車の実に7台に1台がRAV4だというから驚く。
ただし、開発者の意図は大きく異なっていた。CR-Vの開発責任者である永留高明氏が「究極に普通なクルマをつくりたい」と、語ったのに対し、RAV4のチーフエンジニアを務めた佐伯禎一氏は「必ずしも全員から気に入られなくてもいい。10人いたら、そのうちの2人から本当に好きになってもらえたらいい」とその志を打ち明けていたのだ。
これでは、まるでホンダとトヨタの立場が逆転したように思うが、佐伯氏はいかにしてこのような境地にたどり着いたのか?
「RAV4は北米でもっとも多く売れているSUVですが、そうは言っても全新車販売台数の17%程度。つまり、RAV4を選んでくださっているお客さまは10人中のふたりにも満たないのです。だったら、そのふたりにじっくり愛していただいて、その思いを周囲の人に語っていただいたほうがずっといいのではないか? と、思うようになりました」
そこで佐伯氏は、新型RAV4のコンセプトを明確にすべく、3つの点に集中することを決める。ひとつは、個性的なエクステリア・デザイン。2番目は遊び心のあるインテリア・デザイン。そして3番目が特徴的な4WDシステムだったという。「RAV4の“4”は4WDを意味します。だとすれば4WDを売り物にするのは当然でしょう」 佐伯氏はそうも語った。
新型RAV4にはガソリン・モデルとハイブリッド・モデルの2タイプがラインナップされるが、このうちハイブリッド・モデルには後輪を電気モーターで駆動する「E-Four」を採用する。いっぽうのガソリン・モデルには世界初の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を搭載したモデルを設定した。
ダイナミックトルクベクタリングAWDの原理は、リアの左右輪に駆動力を伝えるドライブシャフトの途中に油圧多版式のカップリングを配置。これらを独立して制御することで左右の駆動力をコントロールし、クルマが自分で回転しようとするヨーモーメントを積極的に発生させてコーナリング特性を調整する。
さらにこのシステムには、必要に応じてエンジンと後輪の駆動系を機械的に切り離す機構も搭載、後輪を駆動する必要がないときは機械的に切り離し、フリクションロスを最小限に抑え、燃費を改善する工夫も盛り込まれた。
まずは、ダイナミックトルクベクタリングAWD搭載グレード「アドベンチャー」のプロトタイプに雪上コースで試乗した。
始めはゆっくりと、やがて徐々にペースをあげてコースを走ると、軽くタイヤが滑っている領域でもハンドルを切った方向へ、確実に曲がってくれるので安心感が強い。
いっぽう、ダイナミックトルクベクタリングAWDを搭載していないガソリン・モデルに比較のため試乗すると、やはりハンドルを切った方向にクルマは曲がっていこうとするものの、クルマの向きを変えるのに必要なヨーモーメントはブレーキを使ったトルクベクタリングで発生するため、どうしても車速がどんどん下がってしまうほか、システムの介入がはっきりと意識されてしまう。
それに比べ、ダイナミックトルクベクタリングAWD搭載モデルは、システム介入がはるかに自然でほとんど気づかないうえ、ブレーキではなく駆動力を用いているため、車速が低下する傾向も認められない。ひと言でいえば、その作動が極めてスムーズで自然なのだ。
同じコースをE-Four搭載のハイブリッド・モデルで走ると、やはりタイヤの滑り始めの領域でもしっかりヨーモーメントが立ち上がってハンドルを切った方向に曲がっていこうとするが、ハイブリッド・システムを搭載している影響なのか、ヨーモーメントが立ち上がったり収まったりするのに要する時間がガソリン・モデルよりも長く、軽快なハンドリングは味わいにくい。
もちろんハイブリッド・モデルには燃費のよさという大きな魅力があるが、純粋にハンドリングの楽しさを追求したいならガソリン・モデルがお勧めだ。
エクステリア・デザインは力強くてユニーク。シートの“差し色”が効いたインテリアはクオリティ感も良好で、とくに若者に受けそうだ。今回は雪上走行だけでオンロード性能は確かめられなかったが、一度CR-Vと真正面から対決させてみたいと思うほど“日本市場復帰組”のRAV4は魅力的だった。
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