現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > FRなら何でも楽しいわけじゃない! レーシングドライバーが本気で選ぶ走りのいいFR車5選とその条件

ここから本文です

FRなら何でも楽しいわけじゃない! レーシングドライバーが本気で選ぶ走りのいいFR車5選とその条件

掲載 更新
FRなら何でも楽しいわけじゃない! レーシングドライバーが本気で選ぶ走りのいいFR車5選とその条件

 フロントエンジン・リヤドライブならなんでもOKではない

 トヨタ86や次期スープラなどFR(フロントエンジン・後輪駆動)モデルは、走り屋のクルマ好きに人気が高い。世のなか、大半の乗用車はFF(フロントエンジン・前輪駆動)化しているのに、なぜFRにこだわるクルマ好きが多いのか。その理由がFRだからこそできる走りの楽しさがある。

FF・FR・MR・RR・4WDなどクルマ好きがこだわる駆動方式によるメリット・デメリットとは

 FRの楽しさとは駆動後輪をパワーで空転させて姿勢をコントロールするパワースライド(いわゆるドリフト)走行ができるということに尽きる。ほかにも前後の重量配分がいいとか、ハンドリングがスムースだとか特徴はあるが、FRにできてFFではできないことはパワースライド走行に尽きる。つまりFRらしい走りに優れているとはドリフトを楽しめるかどうかだと言い換えてもいいくらいだ。

 だからといってFRなら何でもいい、というわけではない。たとえばタクシーのベースモデルになった日産のクルー。クルーもFRだがドリフト走行を楽しむことはノーマルではできない(雪道や氷上でなら可能だが)。FRのドリフトとして求められるのは舗装路面でのハイスピードなパワースライドドシフト走法だ。これをきちんとこなせないならFRである意味の大半は失われていることになる。

 FRモデルではフロントに搭載したエンジンから後輪に向かってプロペラシャフトを介して動力を伝えている。このプロペラシャフトは車体フロア下中央を通っており、普段は見る事がない。だからその存在を多くのドライバーは意識していないだろう。

 しかし、プロペラシャフトを外して持ち上げてみたら、そのあまりの重さに驚くはずだ。後輪へ全駆動力を安全確実に伝達するためプロペラシャフトには最大限の強度と耐久性が課せられるため、重くなってしまうのだ。アストンマーティンのような何千万円もするようなスーパーカークラスならプロペラシャフトをカーボン化して軽量化できるが、普通乗用車では不可能。これまでにカーボンプロペラシャフトをFRに採用した国産車と言えばマツダRX-8とレクサスLFAくらいしか思い当たらない。

 だがカーボン製プロペラシャフトを採用するだけで高速ドリフトがしやすいとは言えない。筆者の経験からすればRX-8もLF Aも自由自在に振り回せるバランスにはなっていなかった。

 新型スープラのパフォーマンスに期待!

 ではどのFRだったら納得できるか。筆者が選んだのは以下の5車だ。 1) BMW 3シリーズ(E36~E46) 2) BMW Z4 Mクーペ 3) メルセデスAMG C63/E63 4) ポルシェ944ターボ~968 5) トヨタ・スープラ(A80型) 1)のBMW3シリーズに関して言えば、モデルに関係なく全グレードでパワースライドドリフト走行が可能でバランスもコントロール性も抜群だった。M3はもちろんだが、エントリーモデルの318iでも可能だったことが素晴らしい。

 2)のMクーペはFRスポーツのお手本のようなハンドリングでグリップ走行もドリフト走行も自由自在。いかなる場面でも自在に姿勢コントロールできる優れたFR特性を持っていた。だがこれらのモデル以降、BMWのFR特性はレベルダウンしていってしまう。

 3)のAMG 63モデルは並外れたパワーに物を言わせ、どんな状況からでもドリフト姿勢に持ち込めてパワースライド走行できる。世界で大人気のドリフトイベント「D1グランプリ」に筆者がエントリーするならAMG63モデルをチョイスするだろう。

 4)のポルシェ944ターボ~968はFRだがトランスミッションをリヤアクスルにレイアウトするトランスアクスル方式を採用している。シャシー性能の高さに対してパワー的に不足感があるのは否めないが、そのハンドリングは非の打ち様がないほど完璧だった。

 FRモデルを自在にパワースライドコントロールさせるにはリアアクスルのLSD化は不可避だ。逆にLSDさえ装備できるのなら日産クルーでも低速ドリフト走行は可能になる。

 だがハイスピードを維持するためにはパワーとシャシー剛性も必要だ。国産モデルでかろうじて机上に載せられるのは、5)のトヨタ80スープラくらいなのだ。新型スープラが高度なレベルで理想的なFRスポーツモデルとなって登場していることを期待したい。

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

アメリカ議会の超党派議員らがリバティ・メディアに書簡を送る。F1のアンドレッティ参戦拒否に懸念を表明
アメリカ議会の超党派議員らがリバティ・メディアに書簡を送る。F1のアンドレッティ参戦拒否に懸念を表明
AUTOSPORT web
自身初PPの太田格之進「これからシビックの強みを出していくのが楽しみ」【第2戦GT500予選会見】
自身初PPの太田格之進「これからシビックの強みを出していくのが楽しみ」【第2戦GT500予選会見】
AUTOSPORT web
ニッサン開発陣が語る2024年型Z NISMO GT500の狙い「姿勢変化への安定したダウンフォース」
ニッサン開発陣が語る2024年型Z NISMO GT500の狙い「姿勢変化への安定したダウンフォース」
AUTOSPORT web
高水準ではないが、低水準でもないぞ! オモダE5 個性の薄い容姿 不満のない走り 強者の好敵手に?
高水準ではないが、低水準でもないぞ! オモダE5 個性の薄い容姿 不満のない走り 強者の好敵手に?
AUTOCAR JAPAN
愛車11台中6台が2シーター! なぜ僕がスポーツカーを複数台所有するのか理由と愛車を紹介しよう【KEEP ON RACING】
愛車11台中6台が2シーター! なぜ僕がスポーツカーを複数台所有するのか理由と愛車を紹介しよう【KEEP ON RACING】
Auto Messe Web
珍光景! 道路標識「高さ制限」怒涛の6枚横並び 激しく主張もぶつけられている?
珍光景! 道路標識「高さ制限」怒涛の6枚横並び 激しく主張もぶつけられている?
乗りものニュース
圧巻ペースで”宿題”も見事クリア! 88号車JLOCの元嶋「最後まで楽しんで走れた」
圧巻ペースで”宿題”も見事クリア! 88号車JLOCの元嶋「最後まで楽しんで走れた」
motorsport.com 日本版
アルピーヌ、マイアミのアップデートでついに最低重量クリアか。「予想以上に早く解決できた」
アルピーヌ、マイアミのアップデートでついに最低重量クリアか。「予想以上に早く解決できた」
motorsport.com 日本版
新型シビック初ポールポジション。開幕戦0周リタイアのAstemoが雪辱【第2戦GT500予選レポート】
新型シビック初ポールポジション。開幕戦0周リタイアのAstemoが雪辱【第2戦GT500予選レポート】
AUTOSPORT web
ゴールデンウィークのスーパーGT富士、前年比10%増の88,400人が来場。DJ KOOら豪華ゲストも来場……GTA坂東代表も「感銘を受けた」
ゴールデンウィークのスーパーGT富士、前年比10%増の88,400人が来場。DJ KOOら豪華ゲストも来場……GTA坂東代表も「感銘を受けた」
motorsport.com 日本版
GT3同士のタイムバトルを制したJLOCランボルギーニがコンマ5秒差のポール。ヨコハマがトップ3【第2戦GT300予選レポート】
GT3同士のタイムバトルを制したJLOCランボルギーニがコンマ5秒差のポール。ヨコハマがトップ3【第2戦GT300予選レポート】
AUTOSPORT web
【正式結果】2024年スーパーGT第2戦富士 公式予選
【正式結果】2024年スーパーGT第2戦富士 公式予選
AUTOSPORT web
MotoGPカザフスタンGPが洪水被害で延期。2024年後半戦での開催を目指し調整へ
MotoGPカザフスタンGPが洪水被害で延期。2024年後半戦での開催を目指し調整へ
AUTOSPORT web
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第4回】スプリント後のセットアップ変更でリベンジ成功。完璧なレース運びのニコが入賞
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第4回】スプリント後のセットアップ変更でリベンジ成功。完璧なレース運びのニコが入賞
AUTOSPORT web
52台が熱戦繰り広げた! 澤田龍征がジュニア連勝、津野熊凌大がシニア初優勝……スーパーGTドライバーも参戦|EXGEL MAX CHAMP第2戦
52台が熱戦繰り広げた! 澤田龍征がジュニア連勝、津野熊凌大がシニア初優勝……スーパーGTドライバーも参戦|EXGEL MAX CHAMP第2戦
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、ニューウェイ離脱でも自分は残留と示唆「レッドブルF1の技術グループは優秀。何も変わらない」
フェルスタッペン、ニューウェイ離脱でも自分は残留と示唆「レッドブルF1の技術グループは優秀。何も変わらない」
AUTOSPORT web
【SDGsに向けたベントレーのたゆまぬ努力】 第2回サステナビリティ・レポート公開 次の10年へ
【SDGsに向けたベントレーのたゆまぬ努力】 第2回サステナビリティ・レポート公開 次の10年へ
AUTOCAR JAPAN
3号車Niterra、富士3時間で"圧勝"も実はタイヤに苦戦「まず昨年のパフォーマンスに追いつかないと」
3号車Niterra、富士3時間で"圧勝"も実はタイヤに苦戦「まず昨年のパフォーマンスに追いつかないと」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

144.81870.0万円

中古車を検索
スープラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

144.81870.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村