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驚くほど実用的だったアウディ e-tron!──アウディが推し進めるEVの未来に注目!

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驚くほど実用的だったアウディ e-tron!──アウディが推し進めるEVの未来に注目!

アウディ e-tron(イートロン)の名は、2009年からたびたびコンセプトカーに使われてきた。そして2018年、ついにe-tronの名が与えられた市販モデルのSUVが登場した。

今回、アブダビでジャーナリスト向けの試乗会がおこなわれたe-tronは、最大ブースト時に300kWの最高出力と664Nmの最大トルクを発揮するパワフルな電気自動車(EV)だった。

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出力の高いリチウムイオン電池を床下に搭載し、航続距離は最長400kmをうたう。アウディの持つ最新技術を投入したといい、電気式の4WDシステム「e-quattro(イークワトロ)」や、多様なエネルギー回生システムなど、見るべき部分は多い。

外観はSUVとハッチバックの中間ともいえるデザインで、ひと目、”フツウ”な感じだった。実車は全長4.9mもあるのでそれなりの大きさはあるが、写真ではコンパクトに見える。プロポーションがいいのだ。

ディテールの作り込みはアウディに期待するとおり完成度は高い。しかし全体のコンセプトは、いってみれば保守的である。その理由はなにか? インゴルシュタット(ドイツ)の「アウディデザインセンター」からやってきた開発担当者に訊いた。

「まず機能性を強調したデザインを、というのが会社の判断でした。そして、室内スペースをたっぷりとること。さらに、牽引能力をそなえること。つまり、日常的に使えるEVであることを知ってもらうため、実用性および機能性を最優先しました」

プロダクトマーケティングを担当するクリスチャン・ヘア氏の言だ。そして「今回のモデルは打上げ花火のような一過性のものであってはならない」と話す。

「すべてのモデルにEVを設定するのがアウディのポリシーです。e-tronは長いあいだ乗っていられるタイムレスなデザインであるべきです。トレンドの波に乗って登場した一過性のプロダクトではありません」

続けてドライブトレーン開発担当のヨアヒム・ドール氏は「すぐれたクルマの条件はいろいろある。なかでも操縦性は重要」と話した。

「スポーティなクルマに仕立てるのが最近のトレンドかもしれませんが、私たちは長距離を疲労少なく走れることこそ重要と考えています。だから、中立付近でのステアリングの反応のよさ、直進安定性、加速のよさなどを重視しました」

e-tronはアウディのラインナップとして、自然に受け入れられるクルマを目指しているのだ。たしかに市街地、高速道路、山岳路、それに砂漠と走りまわってわかったのは、限定的な使用ではなく、どこへでも走れるクルマということだった。決して特殊なクルマではない。なるほど、EVの限界を押しひろげることに成功していると思う。

あとは日本に導入されるとき、大容量バッテリーへの急速充電システムを確立できるかどうか、である。これによって実用性は大きく変わる。解決されるのを期待するばかりだ。

早くもアウディは、SUVの「e-tron」に続くEVモデルの計画を、いくつも明らかにしている。ひとつは2017年4月の上海自動車ショー(中国)で公開された「e-tronスポーツバック・コンセプト」だ。クーペの雰囲気をもった4ドアボディが特徴で、こちらは機能性よりスタイリングをすこし優先したモデルである。

アウディは2025年までに世界の主要市場で、12モデルのEVを発売する計画を発表している。さらに内燃機関搭載モデルにも、電動化モデルを多数追加していくという。

もう1台のEVモデルは、最高出力434kWを発揮するパワフルな「e-tron GTコンセプト」だ。こちらは2018年のロサンジェルス自動車ショー(アメリカ)でお披露目された。

「低くて幅広いボディとロングホイールベースの組み合わせという、古典的なグランツーリスモの定義をe-tron GTコンセプトは守っています」と、アウディは言う。

e-tron GTコンセプトはスタイリングもさることながら、注目すべきはポルシェと共同開発している点だ。ほかのe-tronと異なる「eプラットフォーム」を使う。これは、「プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)」と、アウディが呼ぶもので、いわゆる「B」「C」それに「D」といった中型から大型まで、量販セグメントを広くカバーする。

ちなみにe-tron GTコンセプトは、コンセプトカーであるものの、すでに公道走行も可能だ。アウディが推し進める電動化は、驚くほどはやいスピードで進んでいるのである。e-tronの展開スピードは、今後ますます加速するはずだけに、要注目だ。

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