プジョー 5008は、フランス生まれのマルチパーパスなSUVである。姉妹車の3008と大きく異なるのは乗車定員だ。3008が2列・5人乗りに対し、5008は3列・7人乗りだ。つまり、ミニバンのようにも使える。
日本仕様はガソリンモデルとディーゼルモデルが選べる。前者は1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、後者は2.0リッター直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンを搭載する。いずれも前輪駆動だ。今回はディーゼルの「5008GT Blue HDi」で、東京と長野を往復した。
“6”から“8”への進化は想像以上だった!──8ATで魅力が増したプジョー3008試乗記
一般道、高速道路、峠道、雪道とあらゆる道を通ったが、期待以上によく走るクルマだった。日本に導入されたときから「いいクルマだなぁ」と思っていたが、予想以上に、オールマイティぶりを発揮してくれたので大いに感心した。
前輪駆動のSUVでありながら、オフロード走行を意識したタイヤをはじめ、砂地や雪道に応じた走行モードまで用意する「アドバンスドグリップコントロール(ヒルディセントコントロール付)」まで備えているのがユニークな設定だ。
目的地は、長野県でも新潟県に近い斑尾(まだらお)高原だ。ディーゼルエンジンは、2000rpmから400Nmもの大トルクを発生する設定だ。車重は1.7tに達するが、市街地でもたつく印象はいっさいない。発進や中間加速のスピード感は、充分すぎるほど速い。
スタッドレスタイヤを装着していたが、乗り心地はよく、かつ走行ノイズも低いから快適だ。ステアリングホイールの反応も、過敏すぎずちょうどいい。直進性も優れるから、200km走ったぐらいでは疲れもほとんどない。
上信越自動車道を走行中、小諸(こもろ)を過ぎたあたりから雪が舞いだした。豊田飯山インターチェンジはすでに雪が積もっている。そんな状況でも、5008はまったく問題なかった。安全に、そして快適に進む。積雪路でもドライ路面とおなじように走ってしまう。
試乗車のスタッドレスタイヤは、ブリヂストンの「ブリザック」だった。グリップ力が高く、かつステアリングホイールに路面の状況がちゃんと伝わってくる。くわえて、アドバンスドグリップコントロールの「スノーモード」が、より安心感を高める。
スノーモードにすると、パワーやトルクはある程度しぼられるものの、パワーダウンを明確に感じるような違和感はない。むしろ、その気になればけっこういいペースで走行出来る。それでいて、いざというときは横滑り防止装置などの電子制御がナチュラルに介入する。
快適装備が豊富なインテリアも、ロングドライブの快適性を高める。やや高めのシートに座り、小径のステアリングホイールを握ってのドライブは、ドライビングポジションからくる見晴らしのよさといい、ドライバーには楽ちんだ。
シート配列もユニークだ。7人が座るすべてのシートは独立している。3つのシートが並ぶ2列目は、それぞれが前後にスライドする。たとえば、ラゲッジルームの広さを、積載量に応じ調整出来る。3人並んで座るときは、肩がぶつからないようにシート位置をずらせる。
2つのシートがある3列目は、スペース的に大人が乗るにはツラいが、このあたりの機能性はフォルクスワーゲン シャランとも近い。子ども用として考えれば充分だ。しかも、使用しないときは床下に格納出来るので、邪魔にならない。
ミニバンにも通じるマルチパーパスカーとしての5008のパッケージングは、308SWから続くものだ。実は私も、かつて308SWを所有していたので、使い勝手に優れるのは知っている。5008でショートトリップを経験して「クルマを機能的に作らせると、プジョーはホントうまいなぁ」と、あらためて思った。
5008GT Blue HDiの価格は473万円だ。ライバルとして考えられるのは、おなじく7人乗りのフォルクスワーゲンの「トゥーラン」(284万9000円~)「シャラン」(368万円~)やBMWの「2シリーズグランツアラー」(413万円~)といったところだろう。SUVというよりミニバンだ。
長距離走行を前提に、走行面や機能面をしっかり煮詰めている5008は、ファミリーカーに最適だ。安心して家族を乗せられる。デザインや雰囲気は、ドイツ車や日本車とは世界が異なるものの、個性があって魅力的だ。とはいえ、決してマニアックなクルマではない。5008は、バランスのいいファミリーカーを探している人には、誰にでも勧めたい1台である。
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