■年々巨大化するクルマ、対して日本の道路事情に変化は?
最近、市販されているクルマの多くは、過去のモデルに比べてボディサイズが巨大化しているといわれています。しかし、日本の道路事情は世界でも稀な「軽自動車」という日本独自の規格が成立するほど、狭い道が多いのが現実です。
トヨタ 新型「プリウス」ついに不評のフロントデザイン大幅変更へ
では、なぜ日本の道路事情に合わないようなボディサイズのクルマが多くなっているのでしょうか。
トヨタ「プリウス」は、初代モデルの全幅1695mmに比べて現行モデルは全幅1760mmと+65mmサイズアップ。これは、5ナンバーから3ナンバーに変わったことを意味します。
また、2019年1月に新型が発表されたBMW「3シリーズ」は、先代モデル(6代目)に日本仕様車として立体駐車場を使えるようにドアノブを専用設計し、全幅1800mm(本国仕様は全幅1811mm)に収めるなどの工夫を施していました。
しかし、発表された新型モデルは、全幅1825mmとサイズアップを図り巨大化しています。その理由について、BMWのプロダクトマネージャーは、次のように話します。
「ボディサイズが、1800mmを超えたことについては、日本の立体駐車場が大きくなってきたことが背景にあります。サイズは大きくなりましたが、新たな機能として、リバースアシストを標準装備したので、利便性は高くなっています」
※ ※ ※
果たしてボディサイズが巨大化する背景は、本当に立体駐車場や日本の道路事情が変化したことが要因なのでしょうか。時間貸し駐車場を運営する大手企業の資料によると、日本国内における一般的な立体駐車場のサイズは、全高1550mm×全幅1850mmとなっています。
そもそも全幅とは、ドアミラーを除いたボディの最大値を表しているので、ミラーを畳んだ状態の厚みを考えても全幅は1800mm以内の方が駐車操作を行い易いです。
また、都内の一部、とくに最近できた商業施設やオフィスビルなどは大型の輸入車も多く出入りすることや最近のクルマ事情をふまえて、全幅1900mmから2000mmへと拡大されています。
それでも、全国規模で考えれば立体駐車場や機会式駐車場のサイズは、従来通りというところがほとんどです。
■巨大化に対して、「変わらない」を貫くトヨタ「クラウン」
一方で、全幅1800mmを守り続けるモデルがトヨタ「クラウン」です。1955年に登場したクラウンは、初代モデル(全幅1680mm)に対して、2012年にモデルチェンジした12代目モデルから現行モデル(15代目)は全幅1800mmと、巨大化の波にあらがっています。
なぜ、「クラウン」は巨大化しないのか。その理由について、トヨタのディーラースタッフは次のように説明します。
「クラウンは『日本』における高級車の代名詞的存在です。確かにグローバル化が進むなかで、日本に合わせた規格のままだと、販売が厳しい実情はあると思います。
しかし、クラウンは日本をメインにして企画・開発されています。そのため、日本の道路事情に適したサイズを重要視するのです。
一方で、プリウスはトヨタのグローバルモデルです。そのため、日本の事情よりも世界的な販売という点で成功しなければいけませんので、サイズは巨大化しています。
また、クラウンは歴代モデルから乗り継ぎされる人や、クラウンだから購入されるクルマでもありますので、先代・先々代モデルより大きく変更することはユーザー離れを起こすことも考えられます。」
※ ※ ※
実際、クルマのサイズが大きくなることで、居住性や快適性は向上します。また、大きくなって運転しづらくなった部分を、標準化されつつある「運転支援機能」でカバーしている点もクルマの「巨大化」の一つの要因に挙げられるでしょう。
しかし、実数値で大きくなっているのは事実のため、都市部の狭い道や駐車場などでは苦労しないとは言い切れません。
グローバル化するクルマとガラパゴス化を守るクルマの二極化は、軽自動車人気の影響もあり今後も続くといえそうです。 【了】
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