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業界ニュース 2019.1.31

トヨタ「ハイラックス」が若者から支持される理由 日本でピックアップが売れないは間違い!?

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■”マーケット(市場)は自分で作る”を体現したトヨタ「ハイラックス」

 現時点で一般ユーザーが新車として買えるクルマの中で、トヨタハイラックスはかなり個性的な存在でしょう。ボンネットを備えたダブルキャブのピックアップトラックで、乗車定員は5名です。パートタイム式の4WDも装着しています。

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 以前はボンネットタイプのトラックは普通に売られていましたが、今は空間効率の優れたボンネットを持たないキャブオーバータイプが主力です。売れ筋は軽トラックやトヨタ「ダイナ、トヨエース」などで、ボンネットタイプのトラックは海外向けになって売れ行きを下げました。

 その結果、国内では最後のボンネットトラックだった先代「ハイラックス」も、2004年に販売を終えたのですが、2017年に突如復活したのです。

 開発者に「ハイラックス」が復活した理由を尋ねると、「先代型が今でも9000台保有されています。しかもピックアップトラックはタフなクルマだから、アウトドアでのハードな使い方にも対応できます。アクティブなライフスタイルの表現にもなるでしょう」という返答がありました。

 2004年まで売られた先代「ハイラックス」が9000台保有されていても、先代型はコンパクトな4ナンバーサイズのトラックで、価格も130~150万円でした。現行型は全長が5335mm、全幅は1855mmの大柄なボディを備え、価格は「X」が326万7000円、「Z」は374万2200円です。9000台のユーザーは仕事で使っているのでニーズも異なり、乗り替えてもらうにはムリがあるでしょう。

 そこをあらためて開発者に尋ねると「販売してみないとわかりません。またマーケット(市場)は、自分達で作るものです」と話します。

■ファッションとして「ハイラックス」を購入する若者が急増

 2018年12月17日より、「ハイラックス」に特別仕様車の「Zブラックラリーエディション」が追加されました。

 復活から1年少々を経過して、現在の「ハイラックス」の売れ行きとユーザー層を、今回あらためて開発者に尋ねてみると、「今は1か月に約500台を売っています(発売時の目標は1か月当たり約170台)。先代型からの乗り換えはほとんどなく、20代から30代の男性が多く購入しています。ディーラーオプションのベッドライナー(荷台にキズが付くのを防ぐ樹脂製の内張り)が人気で、大半のお客様が装着されます」とのことでした。

 高価格車なので、仕事で使う先代型のユーザーの買い替えはあまりないようですが、むしろ若い男性が一種のファッションとして使っているようです。ファッションとなれば、荷台といえどもキズを付けたくないので、ベッドライナーをボディコーティングのように装着しているといいます。

 売れ筋グレードは、発売当初は上級の「Z」が80%でしたが、今は60%に下がり、ベーシックな「X」が40%を占めているとのこと。「X」の外観は簡素なので、アルミホイールや外装パーツを好みに応じて装着する素材になっているのでしょう。つまり発売直後に比べて、購入後に装着する外装パーツもそろい、ドレスアップを楽しむユーザー比率が増えたわけです。

■すべての若者が”クルマ離れ”しているわけではない

 それにしても「若い人達が370万円以上のクルマを買うのか?」と思いますが、残価設定ローンを積極的に活用しています。残価設定ローンとは、3~5年後の残価(残存価値)を差し引いた金額を分割返済するローンのこと。残価以外を返済するので、返済期間を満了しても車両は自分の所有になりませんが、返済額を抑えられます。

 そして「ハイラックス」は残価が高いモデルです。販売会社によって異なりますが、大半が3年後でも60%前後となっています。一般的には3年後だと40~45%なので、返済する割合は55~60%です。それが「ハイラックス」であれば約40%で済み、その分だけ月々の返済額を安くできるワケです。

「ハイラックス」の残価が高い理由をトヨタ店に尋ねると、「新型車なので、注目度が高い割に中古車の流通量は少ないです。いわば貴重な車両だから売却額も高く、残価率が上昇しました。海外への中古車輸出も活発なので、3~5年後でも好条件で売却できるでしょう」といいます。

 この残価設定ローンを使っても、月々の返済額(頭金を入れない均等払い)は、36回払いが5万6700円、60回払いでも4万3500円なので、高い買い物には違いありません。それでも20代から30代が積極的に購入しています。

「ハイラックス」の売れ行きからわかるのは「やり方によっては、若年層もクルマに振り向く」ことです。バブル経済期と違って圧倒的多数の若い男性がクルマに憧れることはないですが、すべてがクルマから離れているわけでもありません。

 その意味で先の開発者が述べた「マーケットは自分達で作るもの」は本質を突いた言葉です。好みは世代によって違うので、今の若年層を過去の経験だけで語ることはできません。「ピックアップなんて今さら売れるワケないでしょ」と諦めたらダメなのです。

■マイナスをプラスに変えた「ハイラックス」の販売手法

「ハイラックス」は月販約500台の売れ行き保っており、あながち隙間商品とはいえません。スバル「レガシィB4」「アウトバック」、マツダ「アテンザ(セダン/ワゴン)」と同等の台数になるからです。

 そして最近はスズキ「ジムニー」、ホンダ「N-VAN」など、ベーシックで原点回帰のような商品が注目されています。「ハイラックス」は価格を含めて「ジムニー「や「N-VAN」とはかなり違いますが、「アルファード」「ヴェルファイア」のようなむやみに飾り立てるクルマ造りとも一線を画します。

 日本が今の沈滞した自動車市場から脱却するには、ユーザーにいろいろな提案をして、反応を見るしかないでしょう。

 この時に強みとなるのがグローバルな商品展開です。「日本で買えない日本車」は多く、国内へ積極的に導入したいです。日産なら「マイクラ(マーチ)」や「キャッシュカイ(以前のデュアリス)」、ホンダは「シビッククーペ」、トヨタには「ヴィッツ」よりも小さな「アイゴ」があります。「アイゴ」はコストを徹底的に抑えた商品ですが、かつてのスズキ「スプラッシュ」のような割り切りがあっておもしろいです。

 また日産は新型車の発売が1~2年に一度という状態なので、海外向けの商品でも国内へ意欲的に導入すべきです。

 日本のメーカーは、グローバル化の悪影響で国内市場を軽く見るようになり、商品投入が滞って売れ行きをいっそう落としました。「ハイラックス」は、このマイナス要因を逆に利用して、プラス効果を得ることを示しているのです。

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(くるまのニュース 渡辺陽一郎)

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