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業界ニュース 2019.1.1

【ホンダNSX マイチェン試乗記】19年モデルが日本主導の開発になった理由 vol.3/3

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2019年5月から販売開始予定とされているホンダのスーパースポーツ「NSX」の19年モデルに一足先に試乗した。すでにレポートを掲載しているが、驚くほど17年モデル(2代目NSXの初期モデル)とは性格が異なっていることに気づき、その詳細を2回に渡ってお伝えしてきた。今回は、なぜ、そこまで「変化」したのかを探求してみた。
※関連記事:
 【ホンダNSX マイチェン試乗記】ドラスティックに変化し感性に寄り添う19年モデル vol.1/3
 【ホンダNSX マイチェン試乗記】19年モデルはエボリューショナルNSXがテーマ vol.2/3

NSXの17年モデルがデビューした2016年も今回と同じ場所で試乗していたので、その違いが分かりやすい。御殿場周辺の一般道路、東名高速、そして箱根のワインディングという環境で試乗し、10数年ぶりに復活したNSXを堪能したことを覚えている。その時のレポートはこちら。
※関連記事:NSX試乗記 フィードフォワード制御の 新しい曲がり方

    【コラム】クルマと過ごす日々vol.42 これらかの未来に向けて

NSXはホンダにとってのフラッグシップであり、ホンダを代表するスーパースポーツモデルである。世界的にホンダは「F-1のホンダ」としても認知され、モータースポーツを通じて「ホンダブランド」は確立されている。日本だけでなく、世界中で熱狂的なホンダファンは数多く、NSXの登場はそうしたファンをワクワクさせたものだ。言うまでもなくオートバイにおける「ホンダ」の認知も知らぬ人はいないほどだ。

しかし、ホンダは量産メーカーというのが本来の姿であり、プレミアムモデルや、プレステージカー、スーパーカーを得意とするメーカーではない。そのため、量産メーカーには必ず存在する「仕向け地仕様」という考え方、技術がある。量産メーカーは販売先の国や地域のニーズに応えることで人気が上がり、販売台数も伸ばせるという事情はあるが、こうしたスーパースポーツにも「仕向け地仕様」があっていいのか?という疑問はある。

どういうことかというと、2代目NSXが開発されたとき、もっとも販売台数が見込めるマーケットは北米であり、北米に向いた仕様が開発の根底にあったと思う。それはサスペンションの剛性や乗り心地、エンジン制御の作り方などから想像・合致する。そのため開発の中心は「北米仕様」と考えられたわけだ。開発のスタッフには、もちろん日本の本田技術研究所もかかわっているが、アメリカ・ホンダが開発の中心となっていた。

そのため、日本からのエンジニアとしてかかわっていた人物も聞いた範囲では、車体研究開発の塚本亮司氏とシャシー開発&運動性能アドバイザーを務める和田範秋氏の名前が挙がる程度だ。その和田氏にインタビューしたときも、ダイナミック性能に関しての意見交換は喧々諤々行なわれたと話ししていた。もちろん、どんな車両開発でも意見の食い違いはあるわけだが、結局は、お互いの意見の一致をもって開発はすすめられたと説明していた。

しかし、その場での意見の食い違いは、おそらく北米主導を尊重し、アメリカ側の意見で仕上げられたとみるべきだろう。日本の本田技術研所が一歩譲ったのではないかと想像する。

その後、オハイオ州にあるホンダの専用工場で生産が開始され、2016年に国内デビューを果たしたわけだ。


NEXT:二分した評価


二分した評価

こうして国内導入された二代目NSXだが、その時のモータージャーナリストからの評価は二分した。感性にそぐわないという意見と新しい曲がり方だという意見。どちらも間違いではないと思うが、こうしたスーパースポーツへの評価が分かれていいのか?という疑問は湧いてくる。

新しい曲がり方だと評価したジャーナリストは、その新しいテクノロジーから生み出されるこれまで経験のしたことのない運動性能を評価し、感性にそぐわないと評価した人は、人間の感性とは違った動きをすると、厳しい評価をしたわけだ。また、そもそものシャシーレイアウト、エンジンのマウントなど基本設計の部分でも疑問を投げかけるジャーなリストもいた。

そして、19年モデルを開発するにあたり、ホンダのフラッグシップ、技術のフラッグシップでもあるNSXのあり方、本質を考えたとき、NSXの価値を見直す動きがあったに違いない。その結果、19年モデルの開発は日本の本田技術研究所が主導で、日本で開発されている。

開発責任者もアメリカ・ホンダのテッド・クラウス氏から本田技術研究所の水上聡氏に代わっている。つまり、ホンダのフラッグシップに相応しいクルマは、本丸が開発すべきだという結論になったのではないだろうか。冒頭に書いた仕向け地仕様は、量産車にとって重要な項目となるが、「F-1のホンダがつくるスーパースポーツはこれだ!」というモデルを造り、それを世界中のマーケットで評価してもらおうということになったに違いない。ちなみに19年モデルも北米オハイオの専用工場で生産され、国内には逆輸入というスタイルに変更はない。

そして試乗した印象では、人の感性にマッチしながら、新しい世界観がきちんと作りこまれているのが19年モデルとなるNSXだ。もっと言えば、まだやり切れていないところもあるだろう。こうした思いは、製品企画の段階に遡る必要があり、次期NSXへの期待として課題形成されていくのだろう。また「アキュラ」と「ホンダ」のブランド混在もあり、販売戦略、イメージ戦略においても課題は残る。

したがって、ホンダNSXは未来においても存在し続ける必要があり、ホンダと言えば、NSXだ!と認知される必要がある。その高性能で魅惑的なNSXを生産するメーカーが作る量産・大衆車は、他社にはない付加価値があるわけだ。ホンダの量産車を世界中で販売し、高い評価を得るためにもNSXはとても重要なポジションにあるモデルだと思う。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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(Auto Prove 高橋 明)

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