現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > もっとぶっ飛ぶべき! ホンダ 新型「NSX」は2年ぶりの改良でどう進化した?

ここから本文です

もっとぶっ飛ぶべき! ホンダ 新型「NSX」は2年ぶりの改良でどう進化した?

掲載 更新
もっとぶっ飛ぶべき! ホンダ 新型「NSX」は2年ぶりの改良でどう進化した?

■開発担当がアメリカ人から日本人へ変わった「NSX」

 ホンダ「NSX」のようなタイプのクルマは単純に自分の好みで選べば良いと思います。人の意見など聞かなくてOKだと考えます。私(国沢光宏)が初代「NSX」を買った時も、「328&348」と2台続けてフェラーリを買った時も、試乗レポートなど参考にしませんでした。そもそもNSXをオーダーしたのは発売前。2台のフェラーリに限っては、正直、信頼出来そうな試乗レポートが無かったのです。

ホンダ、4m以下のプレミアムセダン新型「アメイズ」 世界初披露

 確かにこういったクルマについてアレコレ評価するのは基本的にヤボだと考えています。『カッコいいね!』と思ったら買っちゃえばいいのです。「NSX」を買おうとする財力ある人なら、失望したってすぐ手放せばよろしいかと。といったことを全て認識しつつ、私は少しばかり正確にホンダ「NSX」を紹介したいと思います。いったい2年前に生まれたクルマがどう進化したのでしょうか。

 まず、2年間で一番大きく変わったのは開発担当者がテッドさんというアメリカ人から、水上さんという日本人になったことです。テッドさんの作った「NSX」は、シボレー「コルベット」のようなスーパーカーでした。定常円旋回でスゴイ横Gを出せるクルマです。それでいて日常の快適性も重視したため、案外ソフトな乗り心地を持つ、ユルいスーパーカーでした。

 テッド「NSX」で鈴鹿サーキット走ると、ロールして縁石を擦りまくる。コーナーリングも大味。さらにエクステリア&インテリアともに職人芸の反対なものでした。全体のフォルムはスゴクかっこいいのですが、ボディパネルにシャープさがなく、FRPで作った「光岡オロチ的」。細かい部分の作り込みでフェラーリやマクラーレンには届いていなかったと思います。

 日本人の水上さんからすれば、手を入れたい部分が山ほどあったことでしょう。ただイッキに変更することも出来ず、「今回はハンドリングを中心に変更した」といいます。一言で表すなら『意のままに走るようにした』ということです。テッド「NSX」の「ユルい部分をシャッキリさせた」、といえば大きな間違いじゃ無いです。実際に乗って試してみると、なるほど走り出した瞬間から『いいね!』。

 明らかにシャープな乗り味になっており、キリッとしています。アメリカのコルベットやダッジバイパー風から、ヨーロッパのスーパーカーの方向になりました。残念なのは、エンジンマウントが相変わらずユルいこと。エンジンが掛かった時の緊張感は出ていない。毎日乗るクルマじゃないのだから、エンジンが掛かった瞬間に『凄いね!』と思うようにしたらいいと、私は思います。

■スーパーカーであれば、もっとぶっ飛んで良い!

 足回りは、普通の速度域で走っていればスポーティ。それじゃ少し攻めてみましょう、とばかりショートサーキットに持って行きました。60km/hくらいのコーナーで曲がりながらアクセル踏むと、1回目はこの手のクルマの文法通りテールが流れました。テールが流れても横滑り防止装置が付いているため、瞬時に収束し、テールが50cmくらい外に出るだけです。

 次のコーナーも同じようにアクセル踏んでみたらアンダーです。アクセル踏んだ瞬間、前輪が『ツン!』と前に出ます。この手のクルマで唐突なアンダーが出ると怖い。走行ラインが膨らむからです。その後も試してみると、10回中6回テールが流れ、4回アンダーといった具合。同じようにアクセル開けてもバラついてこれも不安です。

 試乗会場に戻りハンドリング担当の技術者に聞いてみると、やはりそういった傾向なのだといいます。ニュルブルックリンクに代表されるサーキットの中速から高速コーナーでは安定しているのですが、低速コーナーがバラつくようです。ニュルブリックリンクを走るというオーナーなら問題無いでしょう。しかし私はサーキットを走らないので少し不満が残りました。

 こう書くと『お前は買うのか?』と突っ込まれるかもしれません。私は何を隠そう最後の1台はスーパーカーにしようと思っています。もちろん新車はとても買えません。予算1500万円くらいの中古車です。数年後マクラーレン「540C」とか予算内に入ってきたら考えます。スーパーカーの走行距離は少ないため、中古車で十分です。でも今のホンダ「NSX」であれば考えません。

 スーパーカーは年間1000キロくらいしか乗らないオーナーがほとんど。つまり本来なら不要な乗り物です。だからこそ意味があるんだと思う。たまにハンドル握った時に爆発的な楽しさを味合わせてくれたら100点です。

 そう考えると、今の「NSX」は不要な乗り物感は薄く、実用性を考えちゃってます。もっともっとぶっ飛んで良いはずです。エクステリアもインテリアも同じ考えです。

 根本的に変える必要などはありません。パワーユニットは十分な性能を持つし、スタイルも私は大好きです。走りを尖らせ、ボッテリしたボディパネルにシャープさを出し、乗用車のような内装材に革やアルカンターラを張ってくれれば十分です。普通の乗用車と共通部品のスイッチ類も変えてほしいです。開発担当者の水上さんなら、ぶっ飛んだ「NSX」を作ってくれると信じています。 【了】

こんな記事も読まれています

つくづく「クルマはコミュニケーションツールだな」という話
つくづく「クルマはコミュニケーションツールだな」という話
旧車王
「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実
「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実
Merkmal
BMWの4ドアクーペEV『i4』、改良新型は表情変化
BMWの4ドアクーペEV『i4』、改良新型は表情変化
レスポンス
マツダ 新型EV2車種を北京モーターショー2024で初公開 今年度中に市場投入も 「EZ-6」/「アラタ」
マツダ 新型EV2車種を北京モーターショー2024で初公開 今年度中に市場投入も 「EZ-6」/「アラタ」
AUTOCAR JAPAN
トヨタEVの新型車「bZ3C」/「bZ3X」 北京モーターショー2024で世界初公開 知能化/電動化/多様化
トヨタEVの新型車「bZ3C」/「bZ3X」 北京モーターショー2024で世界初公開 知能化/電動化/多様化
AUTOCAR JAPAN
”日本とちょっと異なる動き” ホンダ「e:NP2」/「e:NS2」 北京モーターショー2024でEV発表
”日本とちょっと異なる動き” ホンダ「e:NP2」/「e:NS2」 北京モーターショー2024でEV発表
AUTOCAR JAPAN
邪道とされた4シーターモデルが人気爆発!! ロータスに異端児「エラン+2」って知っている?
邪道とされた4シーターモデルが人気爆発!! ロータスに異端児「エラン+2」って知っている?
ベストカーWeb
まわりを巻き込む可能性もあるからヤメてくれ! 元教習所教官が語る「よく見かける」危険運転3つ
まわりを巻き込む可能性もあるからヤメてくれ! 元教習所教官が語る「よく見かける」危険運転3つ
WEB CARTOP
日産、バイドゥと協業 生成AIを用いた新機能を共同開発
日産、バイドゥと協業 生成AIを用いた新機能を共同開発
日刊自動車新聞
MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
motorsport.com 日本版
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
レスポンス
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
月刊自家用車WEB
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
AUTOSPORT web
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
くるまのニュース
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
レスポンス
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索
NSXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村