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業界ニュース 2018.11.6

‘70年代の雰囲気を漂わせるレトロでクールなハーレー!──ハーレー・ダビッドソン フォーティーエイト・スペシャル試乗記

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ハーレーといえば大きくて重たいオートバイ……、というイメージを持っている人は多いだろう。そのなかにあって「スポーツスター・シリーズ」は、名前の通りスリムでコンパクトな車体に、883ccまたは1200ccという(ハーレーとしては)小さめのエンジンを積んだカジュアルでスポーティなモデルだ。

スポーツスター・シリーズの歴史は長く、初代が登場したのは1957年、約60年前に遡る。驚くべきはそれ以来、基本的なコンセプトやスタイリングは不変で、心臓となる空冷Vツインエンジンも抜本的な変更を受けたのは1度だけだ。

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老舗の料理屋が継ぎ足し、継ぎ足しで作ってきた秘伝の味のようなもので、まさに“鉄馬”と呼ばれるハーレーの伝統的な乗り味を守り続ける。近ごろ2輪の世界では、往年の名車のデザインやスタイリングをモチーフとした「ネオクラシック」と呼ぶモデルが人気であるが、スポーツスターは“ネオクラ”ではなく、リアルにクラシックなモデルなのだ。

とはいえ、中身は現代のオートバイである。運動性、安全性、環境性能などはちゃんとアップデートされ、現代の交通事情でもストレスなく、気持ちよく走る。

日々進化、変化していくのはオートバイに限らず工業製品の常であるが、その基本を変えずに“深化”させ、作り続けているからこそハーレーダビッドソンというブランドがリスペクトされ、そしてこのスポーツスター・シリーズの価値を生む。

本シリーズに最近、追加された「フォーティーエイト・スペシャル」は、特別なカスタムを施したモデルだ。前後16インチのホイールにファットなタイヤを履かせ、ぐっと低く構えたプロポーション、余分なディテールを取り去ったシンプルなデザインは「ボバー・スタイル」と呼ばれるカスタムの手法。

ホイール、エンジン、マフラー、ハンドルなどのパーツもブラックで統一され、クールでクラシカルな外観に仕立てられている。そこに高くせり上がったチョッパータイプのハンドル、レトロなグラフィックが施された小ぶりなティアドロップ型タンクを組み合わせ、1970年代テイストな雰囲気を与えたのがフォーティーエイト・スペシャルの特徴である。

飛ばさずとも楽しい!

小ぶりだが厚みのあるシングルシートに跨る。前後に小径のホイールを履くため、足着きのいいハーレーのなかにあっても着座位置はひときわ低い。

いっぽう「トールボーイバー」と呼ばれるハンドルは、チョッパータイプとはいえ『イージー・ライダー』よろしく両手を高々と上げる必要はなく、アップライトな乗車姿勢からすっと前に手を伸ばせば触れるぐらいの位置にある。

実際、見た目からイメージするよりずっと自然なライディングポジションだ。ただし、足を前に投げ出すようなフォワードステップは、(身長170cm以上あれば問題なさそう)小柄なライダーにとっては少し遠いと感じると思う。

エンジンは1202ccの空冷Vツイン。OHV2バルブという古典的な成り立ちで、アイドリングではドッ、ドドッ、ドドッ、という、生き物の脈動のようなビートを伝える。日本車や最近のオートバイにしか乗っていない人なら、ふと不安を抱いてしまいそうなこの三拍子は、だがこれこそハーレーでしか味わえない魅力なのだ。

左足でシフトペダルを踏み込んでギアをローにエンゲージし、クラッチをつないで走り出す。エンジンの脈動がドライブベルトを介して後輪を駆動し、後ろ足で路面を蹴って進むような躍動感が身体に伝わってくる。20年前、ぼくが初めて乗ったスポーツスター・シリーズは、エンジンの回転を上げると振動でハンドルが盛大に震え、走っていると手が痺れるほどだったが、今や不快な振動はしっかり濾過され、心地よい鼓動だけを感じて走れる。

低回転域から力強いトルクを発揮する空冷Vツインは、2000rpmから3000rpmぐらいがもっとも気持ちよく鼓動を味わえるゾーンで、5速のギアをポンポンと早めにかき上げるようにすると、自然とその回転域を使って走らせることができる。

一般道でも高速でも、飛ばさずとも楽しいのがハーレーの美点であるが、それはスポーツスターでも同じ。ちなみに高速での100km/h巡航はトップの5速だと2300rpmほどでこなす。

スポーツスターを名乗るものの、今どきのスーパースポーツモデルのようなアグレッシブな走りが出来るわけではない。しかし、その“スポーツ”たるゆえんはニュートラルなハンドリングを利して、スリムな車体をひらひらと操って走る楽しさにある。それがハーレー流のスポーツライディングなのだ。

前後16インチのファットタイヤにアップハンドルを組み合わせるフォーティーエイト・スペシャルは、スポーツスター・シリーズのなかでは安定感を重視した落ち着きのあるハンドリングだから、そのアップライトなライディングポジションとも相まって、ツーリングに連れ出したくなるに違いない。

その場合、ひとつネックになりそうなのは7.9Lというタンク容量だ。フォーティーエイトの小ぶりなティアドロップ型タンクは、往年の1948年型「Model-S」に採用されたタンクをモチーフとしているが、それゆえ容量が小さく、燃費を考えるとワンタンクの航続距離は150kmほどに過ぎない。100kmも走ると警告灯が点き始めるから、焦って給油ポイントを探す場面もありそうだ。やはりロングツーリング向き、とは言い難いだろう。

ハーレーのラインナップにおいて、大きな車体とエンジンで堂々たる風格を感じさせるツーリングモデルやソフテイル・ファミリーは「ビッグツイン」と呼ぶ。それに対してカジュアルでスポーティな存在であるスポーツスター・シリーズのなかでも、スポーティさの中に逞しく、マッシブな雰囲気を備えたこのフォーティーエイト・スペシャルは、ビッグツインとスポーツスターの“いいとこ取り”をしたモデル、と言えるのではないか。

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(GQ JAPAN 河西啓介)

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