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売れない理由が見つからない──ボルボの主力モデル「V60」を試乗する

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売れない理由が見つからない──ボルボの主力モデル「V60」を試乗する

2011年に登場したボルボを代表するステーションワゴン「V60」が2代目にフルモデルチェンジした。

このクルマを初めて見たのは、2018年3月のジュネーブモーターショーでのことだった。V90の弟分という位置づけだが、ボディが一回り小さいからといって犠牲になっているところはない。伸びやかなフロントノーズや車体のワイド&ローぶりのバランスもよく、素直にきれいなスタイリングだと、強く印象に残った。

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ボディサイズは、全長4760×全幅1850×全高1435mmで、なんと先代比で全長は125mm延びたものの、全幅は15mm狭く、全高は45mm低くなった。これはボルボの日本法人から本国サイドに対して“立体駐車場に入るサイズで”、という強い要望によって実現したものという。競合と目されるメルセデス・ベンツのCクラスやBMW 3シリーズ、アウディA4が軒並み全幅1850mm以下に抑えていることに鑑みれば、懸命な判断だと言えるだろう。

スタイル重視で、ボディサイズも小さくなり実用性が落ちたかといえばそうではない。トランク容量は先代が430リットルに対して、新型は529リットルと大幅に拡大している。荷室内には小さな荷物を収納するのに役立つディバイダーやコンビニフックを備えるなど使い勝手にも優れる。また後席のニークリアランスも先代が15mmだったのに対して51mmと劇的に広くなった。ボディサイドの下部に走る抑揚のあるエッジの効いたラインを実現するためにリアドアのヒンジの位置まで再設計されている。

導入初期に用意されるパワートレインは、2リッター4気筒ガソリンターボ「T5」にアイシン製8速ATの組みあわせ。来年には「T6」と「T8」の2種類のプラグインハイブリッドを導入する。ディーゼルに関しては、今後はXC60より車重の重いモデルに採用し、V60にはプラグインハイブリッドを、そして将来は48Vマイルドハイブリッドも推し進める戦略を取っていくという。

すでに90シリーズやXC60などに搭載されている「T5」ユニットは、必要十分な加速性能をもち、またロードノイズや風切り音など総合的にみても静粛性は高い。ハンドリングも過敏にスポーティな味付けなどはされておらず、入力に対して素直に応答するものだ。試乗車はオプションの19インチタイヤ(コンチネンタル製プレミアムコンタクト6)を装着していたが、同じくオプションの電子制御シャシー「FOUR-C」との組み合わせで、想像よりも当たりの柔らかな乗り味を実現していた。

インテリアも、90シリーズに始まった新たなデザインを踏襲する。ファインナッパレザーのシートや、砂浜に打ち上げられた流木をイメージしたドリフトウッドパネルを採用するなど、競合とは一線を画すスカンジナビアンデザインは、新世代ボルボ車の好調ぶりを象徴するものだ。現在、ボルボカーズは4年連続で右肩上がりの成長をみせており、2017年の世界新車販売台数は、過去最高の57万1577台を記録している。近い将来には80万台を見込んでいるというが、上手く量産効果を機能させている。

「安全機能にオプションなし」を標榜するボルボだけあって、標準装備のADAS(先進運転支援システム)が充実している。新型V60では新たにCity Safety(衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム)に対向車対応機能が追加された。実は国内の死亡事故の原因において約3割を占めるのが正面衝突という。この機能では、対向車との正面衝突が避けられないとシステムが判断すると、自動的にブレーキをかけて最大10km/h減速しシートベルトを巻き取るなどして衝突エネルギーを軽減する。また既存のACC(アダプティブクルーズコントロール)やパイロットアシスト(車線維持支援機能)もより自然なアクセル、ブレーキ、ステア操作をするように制御が進化していた。レベル2の自動運転システムの中でもかなりのすぐれものだ。これらがすべて標準装備というのだから、ADASに関してはクラス随一といえる。

ボルボはステーションワゴンのことを“エステート”と呼んできたが、この新型は日本でもっとも売れた850エステートやV70の系譜を受け継ぐ真の後継モデルと位置づけているという。日本の住宅事情にあったサイズで、デザイン、質感、実用性、安全性に秀でており、499万円からという価格設定で、さらに輸入車としては唯一の、新車登録からの5年保証まで付帯するというのだから、売れない理由が見つからない。

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