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衝撃の聖地ルビコン・トレイル制覇!──それなのに本質はエコ&ゴージャス化

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衝撃の聖地ルビコン・トレイル制覇!──それなのに本質はエコ&ゴージャス化

「マ、マジでこんなとこ走るんですか? しかもこんなにデカいクルマで??」

まさに人生観を変えるような試乗会に出くわしてしまった。それは新型(4代目)ジープ ラングラー アンリミテッドの試乗会。ステージはジープの聖地であり「ここを走れないと本当のジープと呼べない」ともいわれるカリフォルニア州のルビコン・トレイル。四駆版のドイツ・ニュルブルクリンクとも言うべき魔物が棲む場所だ。

やっぱり“ヨンク”はジープだね──最終型ジープ ラングラー アンリミテッド試乗記

今回、小沢はなぜか物凄い沼地であり、滑りやすい道だろうと漠然と想像していたが、現実は全然違った。ルビコン・トレイルは米国のネバダ州からシエラネバダ山脈を越えてカリフォルニア州のタホ湖に至る険しい花崗岩の道。全長約35km。そこは悪路というより危険な岩の崖で、1950年代のゴールドラッシュの時代にも使われ、信じられないが大昔は馬車も通り、死人も出るような道だったという。

実際、人が登ったら数日は掛かりそうな距離と勾配を、麓から中心のキャンプ地まで片道5~6時間以上! 歩くような速度で進むわけだが、その道のりは曰く形容しがたい。

岩の間をすり抜け、跨ぎ、時に乗り越える。ツルツルした花崗岩の上を、全長4.7m強で、約2トン前後のクルマがグリップして駈け上がるだけでも不思議なのに、横っ腹ギリギリ数cmの場所に、鋭い岩が迫るカーブを見事ゆっくりトレースしていく。

それだけじゃない。そもそも高さ50~60cmの岩を乗り越えて、お尻をロクに擦らないボディ設計に驚く。情けない話、いわゆるクロカン4WDの性能指針の一つ、アプローチアングルとかデパーチャーアングルとかの用語の意味を初めて知った思いだ。こういう数値こそが、凸凹道における本当の走破性を推し量るのね、と。

事実、新型4代目ラングラーの悪路走破性と山岳性能はハンパじゃない。今試乗会2日間でその凄さを骨の髄まで知った気がするが、それでいて新型の本質はそこにはない。これらは初代、2代目、3代目ラングラーでも間違いなく持っていた能力で、この性能を確保しつつ新たにエコ&ゴージャス性能を持ったというのが4代目の本当のキモなのだ。

新型の凄さとは、他の本格クロカン4WDにはない、いいとこ取りだ。見た目のワイルドさ、オフロード性能を保ちつつ、従来の悪路走破性や登坂能力をできる限り落とさない。

そこがフロントサスペンションを独立懸架にし、ステアリングシステムをスポーティなラック&ピニオンにしてしまった新型メルセデス・ベンツGクラスや、ボディをラダーフレーム構造ではなく、セミモノコック構造にしてしまったレンジローバー系との最大の差だ。アチラは都会のオンロードでの上質さ、スポーティさを稼ぐために明らかに悪路走破性を犠牲にした。しかし4代目ラングラーはしてない。硬派でありつつ、ジェントルでもある。そこがラングラーの最大の美点なのだ。

実際、そのゴージャス&エコ化はなかなかのレベルだ。日本導入が見込まれている4ドアの新型ラングラー アンリミテッドの全長×全幅×全高は北米基準で4785×1875×1868.4mm、ホイールベースは3008mm。横幅はほとんど変わらないが、ホイールベースが60mmほど伸びて初の3m超を果たしたうえ、前後オーバーハングも35mm、25mmずつ伸びている。

結果、当然のことながらリアシートスペースは増え、身長176cmの小沢が座っても頭、ひざ前は余裕のスペースだし、ラゲッジ容量はリアシートを立てた状態で(Rear Seat Upright)31.7立方フィート(約898リッター)と相当広い。

だが、それ以上にいいのは見た目と質感のランクアップだ。外観はラングラーらしいワイルドさを十分保ちつつ、ほどよくモダン化。横長ウィンカーはフェンダーにビルトインされて迫力を増し、フロントの7本スロットグリルはよりタイトに左右の丸目ヘッドライトに食い込むようになり、ライトそのものもLED化してイマドキなキラキラ度を増した。それでいて伝統の外付けドアヒンジは変わってない。

加えて、そのポップ度というか、モダン化はインテリアに顕著で、全面的にカラフルなプラスティックパネルとメタリック風パネルで覆われたほか、メーター内に7インチのLEDパネルと、センターにオプションで8.4インチのタッチパネルモニターが付いた。

それも昔のラングラーを考えると想像できない、Apple CarPlay、Android Auto対応のモダンな最新式インターフェイスだ。

かつての古典的で、電脳化とは無縁な堅物4WDだった時代を考えると、信じられないモダン化ぶりなのだ。

中身も凄い。前述した通り、本格クロカン4WDの証明たるエンジンフロント縦置きレイアウトであり、副変速機付きパートタイム4WDシステムであり、前後リジットサスペンションであり、キックバックの少ないボール循環式ステアリングである。これらは変わっていない。というか基本構造を変えぬまま、最新メカニズムに生まれ変わっている。

だがそれ以外、エンジンは既存のクライスラー系ペンタスター3.6リッターV6エンジンに加え、新たにフィアット系ブロックを使った新作2リッターダウンサイジングターボを追加。コイツが270hp&400Nmの十分なピークパワー&トルクを発揮するだけでなく、ギアボックスはアイドリングストップ付き8速AT。その結果、リアルな北米複合燃費は20MPG(リッター約9.4km)となかなかのもの。旧型3.6リッターモデルのJC08モード燃費が、リッター7.5kmだったことを考えると飛躍的エコ度だ。

ボディのモダン化も物凄く、ボンネット、フロント窓枠、左右ドア、左右フェンダー、外付けドアヒンジまでアルミ合金化! リアのスイングゲートに関してはマグネシウム合金までチャレンジした。その結果、ボディは90kg軽量化され、省燃費にも大きく貢献。

なによりも実際のオンロードの走りが凄い。古典的な前後リジットサスペンション、ボール循環式ステアリングを保ちつつ、街中から高速まで乗り心地は格段に向上し、静かさも街乗りSUVとして問題ないレベルになった。

強いて挙げれば、高速道路での直進時のフィールが、多少ラック&ピニオン式ステアリングのSUVに負けるかな? という程度。

まさに驚異のいいとこ取り。それでいて一番安いモデルは日本でも500万円程度から買えると予想されている。実質1500万円スタートの新型Gクラスを考えると、じつはバーゲンプライスと言っていいのかもしれない。

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