■特別仕様車にはどのようなメリットがあるのか
乗用車の場合、ひとつの車種に複数の「グレード」を設定することが多いです。エンジンや装備はグレードに応じて変わり、車種の中に用意された細かな種類と考えれば良いです。またグレードと併せて「特別仕様車」が追加されることもあります。この「特別」なモデルは購入者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
「特別な仕様」という言葉を素直に解釈すれば、普段設定のない高性能エンジンなどを搭載したクルマなどを想像してしまうでしょうが、実際にはそのような特別仕様車は少ないです。売れ筋の中級グレードに、メーカーオプションの装備、あるいは上級グレードの装備を加えて、価格の上乗せを少なく抑えた仕様が多いです。いわゆる「買い得グレード」に近い内容です。
そうなるとグレードと特別仕様車の違いは、後者が一定期間に限って販売することですが、常に売っている特別仕様車もあります。トヨタ「ヴォクシー ZS 煌」などがその代表です。
また日産セレナのX・VセレクションやハイウェイスターVセレクションは、最初は特別仕様車として用意されましたが、今はグレードのように扱われています。Vセレクションには実用装備が過不足なく備わり、プロパイロットなどもオプション装着できて価格は割安なため、セレナの売れ筋グレードになりました。
つまり特別仕様車は「特別」と銘打ちながら、実際には販売の「中心」になることが多いです。
新車販売店のセールスマンは「特別仕様車は買い得で、なおかつ値引きも普通のグレードと同様に行なえます。特に決算期は、年度内に登録して決算に良い影響を与えられるように、在庫車をまとめて仕入れることがあります。この内訳には特別仕様車が多いです。在庫車から選ぶと、オプション装備などが自分の好みに合わない場合もありますが、買い得な特別仕様車を一層割安に購入できて納期も短いです」とアピールします。
■売れ行きにより登場時期が変わる?
特別仕様車のメリットは、このようにオトクな買い方ができることですが、注意点もあります。新型車が発売されて、好調に売れている時は、特別仕様車は基本的に設定されません。例えば国内販売ナンバーワンとなるホンダ「N-BOX」は、発売から約1年を経過しますが、2018年8月下旬時点では既存のグレードのみを売っています(発売から3年以上を経過したN-BOXスラッシュには特別仕様車があります)。
メーカーの開発者は「特別仕様車も、新車開発のスケジュールには組み込まれています。しかし売れ行きが予想外に鈍くなったり、あるいは何かの賞をいただいたような場合、特別仕様車を前倒しで用意することがあります」と説明します。
例えばトヨタC-HRは、2016年12月の発売時点では、LEDヘッドランプが上級グレードのみのオプション設定でした。ベーシックなグレードでは装着できず、上級グレードのオプション価格も15万1200円と高額です。
そこで2017年11月に、LEDエディションを発売しました。ベーシックなグレードにもLEDヘッドランプが装着され、しかも特別仕様車の価格アップはわずか2万4000円です。オプション価格の15万1200円に比べて大幅に安く、ドアハンドルもメッキに上級化されました。
C-HRは堅調に売れていましたが、このクルマに安価なハロゲンヘッドランプは似合いません。販売店からも「LEDヘッドランプの設定が悪く、売りにくいです」という意見が聞かれました。こういった経緯で、C-HRは販売が堅調なのに特別仕様車を用意したのです。
■なぜ特別仕様車が設定されたのかを考えると真実が見える?
特別仕様車を購入する時は、まず追加装着された特別装備が、自分のニーズに合っているかを考えます。不要な装備が加わってもメリットが乏しいからです。
欲しい装備が付いていたら、ベースになったグレードと特別仕様車の価格差を確認します。特別仕様車にオプション装備が装着されていたら、価格アップはオプション価格の75%以下に収まらないと選ぶ価値が薄れます。特別仕様車の装備には、オプションと違って選択の余地がなく、強制的に装着されるからです。しかも「買い得」と宣伝していますから、安くて当たり前でしょう。プラスされた装備と価格上昇をシビアにチェックするのがよいです。
「なぜ特別仕様車が設定されたのか」「どのような特別仕様車なのか」を考えると、その車種の真実が見えてきます。
マイナーチェンジや改良も同様で「何をどのように変えたのか」を知ることが大切です。「乗り心地を改良した」なら、それまでは乗り心地に不満があったわけで、購入時には確実に改良されて不満がないか否かを販売店の試乗車で確認するとよいです。
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