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業界ニュース 2018.8.23

やっぱり“ヨンク”はジープだね──最終型ジープ ラングラー アンリミテッド試乗記

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近ごろクルマといえば、20年ぶりにフルモデルチェンジした新型ジムニーの話題で持ちきりだ。森林業や電設業など、ジムニー一択のプロたちに愛されてきたメカニズムは変革より深化を選んでいるが、先祖返りを果たしたかのような角張ったデザインでそれを包み込んだおかげで、数多の新車の選択肢においても際立つこととなった。

もちろん、なんの脈略もなく見た目が懐かしかったり武骨だったりするだけでは、新型ジムニーがこんなにウケることはなかっただろう。間もなく半世紀という歴史の後ろ支えがあるからこそ、その形にも同意ができる。

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とはいえ、いわゆる4輪駆動車の、誰もが思い浮かべる基本的形状を決定づけた原点と言えば、それはジムニーの誕生よりもさらに30年近く前、アメリカ軍の要請を受けて当時の民間企業が提案した小型偵察車に遡ることになる。その車両は第2次大戦の激化に伴って大量に生産され、いつしかジープの愛称で呼ばれるようになるわけだ。

戦後、ジープの商標は幾つかの企業間を転々としながらも、民生向けブランドとしてのポジションは確かなものになっていった。そのあいだ、製品の幅はゆっくり広がったが、常に中核に位置づけられてきたのは小型偵察車からの系譜だ。

修復性を考慮して平板なパネルを組み合わせたボディ、ホイールを取り囲む独立したフェンダー、極限まで縮められたオーバーハング、7つのスリットで組まれたグリル……。容姿の特徴は枚挙に暇がないが、それらが組み合わさって浮かび上がるのは、大半の人が思い浮かべるジープのかたち、イコール“4駆”の姿だろう。

そして現在5つの銘柄を展開するジープブランドの中で、その系譜を最も忠実に継承するのがラングラーだ。ラダーフレームというヘビーデューティなシャシー形式を代々受け継ぐだけでも特筆に値するが、そこに組み合わせられるサスは頑なに前後リジット式だ。それこそ市販車としてはラングラーかジムニーかというほどに採用車種は限られる。最新のテクノロジーがスポーツカーの運動性能を飛躍的に高めるのと同じく、4駆の悪路走破性能も驚異的なものとしているが、それでもなおラングラーが古臭い前後リジット式に拘るのは、グリップ力を極限まで確保するのにそれが最もシンプルな手段であり、とりわけ耐久性においては譲るものがないからだ。

出身地であるアメリカはSUVブーム久しいこともあり、西海岸側でさえさすがに以前ほどラングラーを見かけることはなくなった……かと思いきや、それは大都市だけの印象であって、一歩内陸側へ入ればラングラーがじゃんじゃん走っている。それこそSUVブームが、かえってユーザーの純度を高めたのかもしれない。その多くは車高が高められたり補助灯がつけられたり、と明らかにタフでプリミティブなことを愉しむレジャー用途のものだ。

“異経験”がウレシい

21世紀に入って間もない2005年型から、このもっとも源流的なモデルに、ロングホイールベース&4ドアの「アンリミテッド」がくわわった。ホイールベースは、長くなるほど凹凸を乗り越える能力が削がれることになるわけで、厳密にいえばそれは本筋から後退したことになる。が、そのぶん一気に向上した居住性や積載力もあって販売的には大成功となり、日本ではジープブランドのメジャー化にも大きく貢献した。

ラングラーの歴史において、現行のアンリミテッドは間違いなく最も現代的な快適さを備えたモデルだ。が、それは人も歩かぬオフロードでの異様なポテンシャルを含み置いたところの話であって、乗用車とアーキテクチャーを共用する数多くのSUVとは比べようもない。

街中ではちょっとした凹凸でも車体がブルンと大きく揺すられることもあるし、高速道路を走ればロードノイズや風切音もそれなりに入ってくる。掃除しやすさも考えてのことなのかもしれないが、内装は樹脂感丸出しで天井にも内張りはない。見た目さながらのワイルドな一面は納得したうえで買わないと痛い目をみることになる。

逆を言えば、そういう“アラ”もドライブを盛り上げる非日常的要素として愉しめれば、アンリミテッドはほかに比べようのない存在になるわけだ。このクルマがファミリーカーとしても多く受け入れられているのは、乗る大人にとっても乗せられる子供にとっても嬉しい“異経験”があるからだと思う。そういう意味ではクルマとしての趣向は違うかもしれないが、ルノー カングーが人気を集める理由にも似ている。

既に故郷のアメリカでは、10年ぶりにフルモデルチェンジした新型ラングラーが販売されている。日本でも遠からぬうちにフルモデルチェンジの話が聞こえてくるだろう。

新型はエンジンの小排気量化やミッションの多段化によって環境性能の向上をみる一方で、シャシーやサスペンションの形式は現行型と変わらずと、代々の守るべきところはしっかり押さえられている。

ならばこの期に及んで現行型を買う必要もないかといえばそんなことはなく、本質的にブレのないメカニズムであれば大排気量エンジンを積む現行型の熟成感をよしとする向きもいるのがこの手のクルマの面白いところだ。迷える時間は限られるが、新型を迎える前に現行型で試乗を体験しておくのもクルマ選びの一興といえるかもしれない。

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(GQ JAPAN 渡辺敏史)

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