■速いだけではない「スポーツカー」を目指す
1985年10月、モデルチェンジを行って2代目「サバンナRX-7(FC3S型)」が発売されました。従来の573cc×2の12Aロータリーエンジンから排気量をアップ、654cc×2の13Bロータリーエンジンにターボチャージャーを装着して185PSと高出力化を図っています。
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1983年2月に『史上最強のスカイライン』というキャッチコピーで発売された190PSの「スカイライン2000ターボRS」や同年の9月に3リッターターボエンジンで230PSを誇り『較べることの無意味さを教えてあげよう』と謳いデビューした3代目「フェアレディZ」には数値上で劣るものの、185PSを発揮したことで激化する国産スポーツカーの戦いに加わりました。
比較対象とされたクルマたちとは、明確に目指すものが異なり、『理想のスポーツカーとは、それを思う人の心の中にある。自由な感性を持つ大人のためのスポーツカーをつくろう』と掲げ、高出力で速いだけではない“スポーツカー”を目指したのです。
初代から大きく進化したのは、リアサスペンションを車軸懸架からセミトレーリングアーム マルチリンクの独立懸架としたことや、『ハンドルを切り始めた横Gが低いときは回頭性を高め、横Gが高くなると安定性を高める』という仕組みを作り従来と異なる操縦性を実現しました。
ほかにも、ブレーキや足回りに当時としては『レーシングカーでは?』と思われるような装備を市販車に投入したことからも、この車に対するマツダのこだわりを知ることができます。
また、2代目サバンナRX-7には『∞(アンフィニ)』というグレードが台数限定で追加されています。輸出仕様の2シーターモデルと同様にリアシートをなくして荷物スペースとし、専用のサスペンションチューニングが施され、BBS社製ホイールを装着したモデルです。
その後、マイナーチェンジにより標準仕様でも205PSまで出力向上していますが、「∞」はさらに上の215PSまでパワーアップ。市販車としては、ハードな設定のサスペンションやMAZDASPEED製のリクライニング機能を持たないフルバケットシートを左右に装備するなど、単に速い車ではなく『運転を愉しめるスポーツカー』を欲する層に対して強くアピールしました。
■独特の佇まい、サバンナRX-7カブリオレ
2代目サバンナRX-7は、発売当初からポップアップとスライドの機能を持った2ウェイサンルーフを装着した「GT-Limited」がありました。
元々、ルーフ面積が小さい車で、室内高を確保するため外側にスライドする方式のために開口面積は小さかったのですが、80年代から国内でも増えていたサンルーフ仕様車は、若者のみならず運転中の開放感を求めるドライバーたちに好まれていました。
そして、1987年8月にマツダは、2代目サバンナRX-7にオープンボディのカブリオレを追加設定。サバンナRX-7カブリオレは2シーター化され、電動のソフトトップを開ければ頭上には何も残らない仕様。スポーツカーをベースにしたオープンボディは、欧州の自動車メーカーが多く製造していましたが、それらのように美しいフォルムを持っていました。
オープンでの走行時にも、風の巻き込みを抑える空力を後方部に施したり、音量を上げなくてもオーディオが聴こえるようにヘッドレストにスピーカーを埋め込むなどさまざまな工夫がされたクルマです。この時に、得たさまざまなデータが、その後のマツダ「ロードスター」に活かされているといわれています。
その後、1991年に3代目「RX-7(FD3S型)」が発売されたあとも、サバンナRX-7カブリオレだけは1992年10月まで販売され続けました。
■レースの活躍に興奮した時代
初代サバンナRX-7に続き、2代目サバンナRX-7もモデル末期までレースの世界で高い評価を得ました。
国内のレースシーンにおいても、“ハチロク”ことAE86型カローラレビンをマニアたちに広めたと言われる土屋圭市氏も、90年代前半に2代目サバンナRX-7でレースにエントリーし、その派手なパフォーマンスでレース好きの若者を虜にしていきました。
そんな中、RX-7ユーザーの間には、交換しても合法になるマフラーへの交換が進んだほか、合法改造も普及していきます。現在、残っているクルマで無改造の車両を見かけることはなくなっているほどです。
レースでも活躍していたRX-7の世界観を、自らの改造で共有していたのも、この世代のRX-7の特徴といえます。
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