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業界ニュース 2018.8.7

変わらない良さがウレシい──中身が大幅進化! メルセデス・ベンツ新型Gクラス試乗記

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デビューから実に39年が経過しているというのに、未だに人気の衰えないメルセデス・ベンツGクラスが、なぜフルモデルチェンジを必要としたのかといえば、最新レベルの安全性、快適性、操縦性を得るためにほかならない。けれども一方で、誰もがあのデザインを、走りのテイストを愛しているのだから、敢えてそういう美点をなくしてしまうような変更の必要はないはずだ。かくして39年ぶりの新型Gクラスは、完全キープコンセプトのエクステリアデザインをまとって登場した。

もっとも、従来型とそのまま同じというわけではない。全幅は大幅に拡大され、平面で構成されていたボディやウインドウには微妙なアールがつけられている。詳しくない人には同じGクラスにしか見えないが好事家ならばすぐに解る。そんな姿に仕立てられているのだ。

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一方でインテリアは最新のメルセデス・ベンツの様式に従い、ワイドスクリーンコクピットや、円形のエアアウトレットを採用するなどモダンに仕立てられている。そのなかでも異彩を放つのがフロント、センター、リアの3つの独立したデフロックスイッチや、助手席側のグラブハンドルだ。これらは言うまでもなく従来型をモチーフにしたものである。。

デザインは変わったが、よじ登るようにして乗り込む室内からの眺めはまさにGクラスだ。フロントウインドウは角度が立っていて、その向こうにはエンジンフード、これも敢えて残された左右のターンシグナルが目に入る。幅狭のリアウインドウ、背面のスペアタイヤのおかげで後方視界が今ひとつなのも従来通りだ。

もちろんハードウェアは完全に刷新されている。フレーム構造を踏襲した車体は、ねじり剛性を55%高める一方で約170kgの軽量化を実現した。

フロントサスペンションは遂にダブルウィッシュボーン式独立懸架が採用された。ステアリングも従来のボール&ナット式からラック&ピニオン式にあらためられ、電動アシスト化されている。これは燃費向上だけでなく車線逸脱防止、駐車アシストといった最新の運転支援システムを搭載するためでもある。

ラインナップはG550、そしてメルセデスAMG G63の2つのモデルから成る。いずれも心臓は、4.0リッターV8ツインターボだがチューンが異なる。気筒休止システムを採用した前者は最高出力422ps、最大トルク610Nmを、マイスターが手作業で組み立てる後者は最高出力585ps、最大トルク850Nmを、それぞれ発揮する。

走り出すと、“カシャンッ”というこれまた耳に馴染んだ音を立ててドアロックが閉まる。先代へのリスペクトを感じるこうした演出、ワルくない。

しかしながら走りの感触は、これまでのGクラスとは大きく異なる。ボディの剛性感はまるで別物。従来型は基本設計が古いだけに、一見すると高剛性なようでいて、実際には大きな負荷がかかるとボディ全体がしなるような感覚もあったが、新型ではそれが払拭されて、いかにも現代的な乗り味となっている。

ステアリングも、やはり正確性が高まり、真っ直ぐ走るのにも気を遣うようなところが無くなった。とはいっても決して過度にクイックだったりするわけではなく、らしさはちゃんと感じられる。

いかにも独立したフレームを持つ構造らしく、路面からの振動や騒音はよく遮断されていて、室内はとても快適だ。比較すると、G550はオフロードの走破性にさらに重きを置いているのかピッチングが大きめで、速度を上げていくとやや落ち着きがなくなってくる一方、AMG G63は姿勢変化を最小限に抑えた走りに仕上がっている。この辺り、好みが分かれそうだ。

パワートレーンはG550でも十分に力強く、普段遣いで不満を覚えることはなさそう。9速ATを採用し、軽量化したことも貢献度は大きそうだ。一方のAMG G63は中~高回転域の盛り上がりは凄まじいものがあるが、シャシーの大幅なポテンシャル向上のおかげで、もはや力を持て余すことはなくなっている。しかも、低速域だって決して犠牲とされてはいないのである。

オフロードでは、格段に高まったオンロード性能が無類の走破性にまったくネガティブな影響をもたらしていないことを確認できた。日常で遭遇するような状況では、とても使いきることなどできないであろう高性能。それでいて、すべてクルマ任せではなく、敢えてデフロックがマニュアルのままとされているなどマニアックな要素も残されているのが微笑ましい。

これまでGクラスに感じられた、39年変わらなかったがゆえの不満がことごとく解消される一方で、39年培われてきたGクラスらしさも、うまく継承したのが新型Gクラスである。当面は従来型も併売されるが、とりわけオンロード性能で見れば、あえて従来型を選ぶ理由はないと断言できる。

但し、である。オフロードでは従来型もまだ負けていないし、機械としての凝縮感あるいは密度感、いかにも鉄板の分厚そうな感じ、歯車同士が精度高くかみ合っているような精緻さでは、従来型の方にまだ分があるようにも思えた。今ならどちらも選べるだけに、選択は相当悩ましいことになりそうだ。

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(GQ JAPAN 島下泰久)

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