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【気づけば激変!!】 クルマの顔、車格、価格、買い方の大転換たち

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【気づけば激変!!】 クルマの顔、車格、価格、買い方の大転換たち

 ある日、なんの前触れもなく変わってしまうものがある。髪型や色が変わって溌剌とした印象がぐん! と増す人がいたり、行きつけのお店が「新装開店!」と銘打って、味までガラリと変わってしまったり。

 その理由は様々、受け止めるほうの思いも様々だが、自動車業界にも数十年前と比べて激変したものがかなりある。本企画では、「クルマ編」「カーライフ編」ふたつに分けて、激変したもの、してしまったものをお届けしよう。

カッコいい? イマイチ? あの復刻車はアリかナシか

本稿は2017年のものです。


文:渡辺陽一郎、ベストカー編集部


写真:ベストカー編集部


初出:『ベストカー』2017年8月10日号

クルマ編

 まずはクルマのコンセプトやデザインが、当初から大きく変わったものを紹介。

■可愛い系からキリッと系に激変!!

 2003年に登場した初代(先代)トヨタシエンタは、丸いヘッドランプが装着された可愛い顔だった。

 ところが、2015年に登場した2代目の現行型はなんだかコワイ顔に激変。これにはビビった。子どもの頃に「可愛いの見つけた!」と飼っていた幼虫が、ある日いきなりエグイ蛾に変身して「ひぇ~」となった時のことを思い出す(笑)。それでも、2代目シエンタは販売が絶好調。エグさが好まれている!?

 そういえば、ポルテも2004年登場の初代は可愛く、2代目の現行型はコワ顔だ。世相の反映かトヨタの好みか?

■名前もドアのタイプも激変だらけのソリオ

 今思うと迷いがあったのかもしれない。2世代前のソリオのことだ。1999年に登場したこの2代目、11年の間に名前がワゴンR+→ワゴンRソリオ→ソリオと2回も変わっている。同じモデルで名前がこんなに変わるのも珍しいのでは?

 そして2010年登場の3代目は、トールワゴンという生きざまは変えぬもののスライドドアになるなど激変ぶりが注目を集め、現行の4代目に至っている。が、激変を経て今ではスズキの屋台骨を支えるモデルに。激変、成功だね。

■変わり身の早さが得意だった……。アコード

 初代アコードは3ドアハッチバックだったが、その後にセダンを加え、4代目では3ナンバーサイズのワゴンも登場。それで終わらず5代目ではセダンも3ナンバー車になった。激変連発です。

 が、5代目は売れずに6代目はセダンを5ナンバー車に戻す。しかしこれもダメで7代目では再び3ナンバー車になるが、アキュラTSXの姉妹車で後席が狭かった。

 9代目で再びグローバルのアコードに戻ったが、日本仕様はハイブリッド専用車。ディーラーマンもユーザーも、激変に翻弄され続けたモデルといえますね……。

■2代目で激変したスイフト。海外ではこれが初代

 初代スイフトは軽自動車のKeiをベースにしたワイド版の登録車だった。これが海外では初代イグニスとして売られていたんですね。

 そのスイフトは2代目で激変。軽自動車をベースにしない“一般的な”コンパクトカーになった。開発者はこの2代目を「初代スイフト」と呼ぶ。海外モデルを基準に考えているからだが、これに気づいた時は悲しかった。「日本を基準に喋ってね」と。そして現行型の4代目、デザインで見れば3代目から激変とまではいかないが、再び大幅に変化している。

■日産GT-Rも激変。何が? 価格ですよ

 GT-Rが2007年に発売された時の価格は777万円(消費税5%)。これは格安だったが2008年に861万円になり、2010年には標準仕様がピュアエディションを名乗り、869万4000円に値上げ。

 さらに、2012年には同グレードが875万7000円、2013年には905万1000円、2014年には947万7000円(ちなみに、ここから消費税は8%)と、今の安倍政権の支持率とはまるで逆の右肩上がり。そして2016年には996万840円に至った。

 消費税の変更があったとはいえ、同じクルマが9年間で219万円(28%)値上げしたわけ。衝撃的な“価格激変”といっていいね。

■代がかわり、価格2.7倍と激変なあのクルマ

 GT-Rの9年を費やしてチマチマ行った値上げなんぞ、可愛いモンだ。そう思わせるのがNSX。1990年に発売された時の東京地区の価格は800万円(消費税3%を含めて824万円)だったが、現行型は消費税が8%とはいえ2370万円!! 約2.9倍に達しますよ、みなさん。激変の極みです。

 ホンダの開発拠点がある埼玉県和光市のマンション相場は、886万円だと物件が限られ、築50年の48平方メートルが少し選べる程度。しかし、2370万円を出せば、築20年で70平方メートルが豊富にあり、選びたい放題。そう考えてみても激変ぶりは顕著ですね。

■投資対効果を考えてクロスオーバー7に変身

 スバルは技術指向の強い真面目なメーカーで商売は上手ではない。愚直なのだ。

 と思ってしまうが、その実、巧妙な商売をしている。販売店舗数は全国に約480店舗でトヨタの10%以下だ。1店舗当たりの車両販売の売り上げは、値引きをしないレクサスに次いで2位になる。アイサイトの宣伝もうまい。

 そんななか「エクシーガはミニバンでは売れないから、流行のカタチにしちゃえ」とクロスオーバー7に激変。XV同様、投資対効果が極めて高いモデル。巧妙な商売が現われた激変ぶりだ。

■ミニほど「激変」の言葉が似合うクルマはない

 最後に輸入車を。クルマ界の激変といえばミニだ。2000年頃までのクラシックミニは全長が3000mm少々、全幅も1400mm程度だ。車内はタイトなボディコンだった。

 ところがミニのブランドがBMWの手に移ると全長は3600mmを超えて、全幅は5ナンバー枠ギリギリの1690mm。そして現代のミニクロスオーバーは全長が4315mmで全幅は1820mmと、クラウンの1800mmより広い。これがミニか。

カーライフ編

 続いてはカーライフ編。ユーザーを取り巻く環境を含めて、数十年前からの激変ぶりを探る。

■1990年の64%。激変というより激減か

 国内のクルマの売れゆきは1960年代から増え始め、1980年代に大きく伸びて1990年には778万台に達した。ところがそれ以降は減少を続け2016年は497万台に。1990年の64%まで激減したというわけだ。

 その理由は不景気とかバブル経済の崩壊ではない。1990年以降はメーカーが海外中心の商品開発を加速させ、日本がオマケになったから。車種は豊富でも、日本で売ることを本気で考えたクルマは限られ、売れゆきも下がったわけ。各メーカー、日本国内の販売比率は10~17%に留まっているのが動かぬ証拠だ。

■この30年でセダンと軽の比率が劇的に変化

 国内で好調にクルマが売れた1990年頃までは、乗用車ではセダンが売れ筋で軽自動車は23%程度だった。ミニバンはほとんど売られていない。

 が、1990年以降は日本のセダンも海外向けに開発され、デザインの魅力が薄れてボディは肥大化した。その結果、セダンの売れゆきが落ち、同時にミニバン普及が始まっている。さらに基本的に国内専売の軽自動車だけは、日本を見据えて進化を続けた。

 その結果、現在、軽自動車の比率が35%以上でセダンは20%少々に激減。1990年頃に比べると主役と脇役が入れ替わったというわけだ。

■フルモデルチェンジサイクルだって激変!

 昔の日本車は4年ごとにフルモデルチェンジ(FMC)したが、今は現行エスティマのように10年経過してマイナーチェンジする車種も多い。自動車長寿大国ニッポンだ。

 今は世界各国でクルマを売るために、各メーカーとも販売台数と併せて車種数も増え、地域による最適化なども行うから手がまわらない状況。FMCの周期が劇的に長期化しているひとつの要因だ。

 デザインや性能が安定成長の段階に入って変える必要性が薄れたいっぽう、環境と安全対応の開発コストが上がったことも影響している。

■ホントに出ません。新型車の車種数が激変

 寂しい話をもうひとつ。最近は国産メーカーの新型車の車種数が激減した。以前は各メーカーとも1年間に6車種前後は、新規車種を投入したりFMCを行っていたが、今は年間1車種も発売せず、マイナーチェンジだけになる場合も。去年のセレナは日産では2年半ぶりの新型車だった。驚き。以前と比べ“衝撃的な激変”といっていいだろう。

 この激減も前項のFMCの長期化と同じで、商品開発が海外中心になって日本で売る新型車が滞ったことが要因。メーカーの方針はわかるが、「何もしない」と市場が冷え込むだけだ。

■メーカーの新型車の売り方が激変しちゃった

 1990年代まではFMCを控えた車種でも、従来型を最後まで大切に売っていたものだ。新型車の情報は買い控えにつながるからかなり厳しく管理されていた。

 が、今はそれが激変! ティザー広告なるもので次期型の内外装などを早々に公開して、発売の2~6カ月も前に受注を開始。従来型は無理な値引きで売ってフェードアウト。逆に新型は徐々に売り始めるフェードインだから、新登場した時の感動も薄れるっていうもの。これでいいのか!?

■十数年前と大きく変わった「値引き」額

 日本のメーカーが国内市場を中心に商売していた時代は、販売店での値引き額が凄かった。1台当たりの粗利が多く、時期によってはメーカーから販売報償金が支給され、これを加えて値引き額をさらに増やした。例えば200万円の車両が40万円の値引きで売られたことも。

 しかし今は変わった。1台当たりの粗利が減り、販売報償金も特別な場合を除くと支給されず、200万円の車両が25万円超えの値引き額を引き出せれば好条件だ。かたや輸入車はモデル末期になると日本法人を経由して本国から販売報償金が支給され、500万円のモデルの値引きが100万円を超えたりする。この格差も凄い。

■安全装備への意識。随分変わりました!

 ここまできて、どうにも自動車界の「激変」には悪いことが多い感じだ。が、歓迎される「激変」は安全装備の激増だ。1980年代までは4輪ABSやエアバッグを備えたクルマは少数だったが、義務化されたこともあって1990年代以降に急増。今では横滑り防止装置も義務づけられている。

 そして、注目されるのは緊急自動ブレーキを作動できる安全装備。義務化の外圧を受けず、ユーザーの理解を得て急速に普及した。「安全に対する意識の激変」が後押ししたカタチといえる。

 最近は運転支援の機能が「自動運転」の言葉とともに人気を高めているけど、優先すべきは事故防止。順序を間違えてはダメだと思う。

■ひと昔前比較で1.8倍も。燃費性能が激変なんです

 一時期に比べ、最近は国産車の燃費競争がおとなしくなってきたが、過去を振り返ってみると軽自動車やコンパクトカーを中心に、燃費は大幅に向上している。

 例えば10年前の2007年に売られていた3世代前のワゴンR(発売は2003年)は、 ノーマルエンジン搭載車の10・15モード燃費が21.0km/Lだった。JC08モードに換算すると約19.0km/Lだ。

 それが現行のワゴンR FZグレードは33.4km/L。燃費数値は1.8倍に激変している! 数値上では燃料代を10年前の57%に抑えられる計算になり、凄いセーブマネーになる。細かな数値を競ってもあまり意味はないが、実用燃費を向上できる正当な燃費競争は必要だと思う。

■ETCの登場は最大級の激変かしれませんぞ

 最後は企画冒頭で写真で紹介した、高速道路の料金支払いシステムの話。今の10~20代は知らないだろうが、十数年前まではETCなんてなかった。とにかく支払いは係員への現金手渡しが中心なので、“料金所渋滞”なるものも発生したもんです(懐かし~)。ETCの登場で支払いシステムがかなり便利になったのは、カーライフのなかでも最大級の激変といっていいと思う。

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