コンセントのオプション設定、基準は?
喫煙者の減少とともに、車内に灰皿が標準で取り付けられるケースも少なくなっているようです。かつて多くのクルマでシガーライターが取り付けられていたソケットは、いまや耐熱仕様にもなっておらず、電源用のアクセサリーソケットとなっています。
アクセサリーソケットに対応した製品は、基本的にはクルマのなかでしか使えないので、コンセントのほうが利便性は高いかもしれません。アクセサリーソケットに挿してコンセントプラグを使えるようにする変換器も数多く売られています。ただし、アクセサリーソケットから供給できる直流(DC)12ボルト(トラックなど一部車両は24ボルト)の電源を交流(AC)100ボルトに変換するため、携帯電話やノートパソコンなどの電源としての利用が想定されており、ドライヤーや大きな扇風機など、消費電力が大きい製品は使用できないとされているケースが多いようです。
一方で、たとえばトヨタ「アルファード」の一部グレードなど、ガソリン車でもAC100ボルト、容量100ワットまでのコンセントを標準装備している車種もあります。「アルファード ハイブリッド」になると、さらに多くのグレードでこれを標準装備しており、しかも容量は家庭用コンセントと同じ1500ワットです。走行のための大容量バッテリーを積んだHV(ハイブリッド)車は、電源にも余裕があることがわかりますが、ガソリン車も含め、コンセントを標準装備、あるいはオプションとする基準などはあるのでしょうか。
たとえば、ホンダ車の純正アクセサリーを販売するホンダアクセスでは2018年7月現在、「フリード」「ステップワゴン」「オデッセイ」の3車種にAC100ボルト/100ワットまでのコンセントを用意しているといいます。同社によると、「室内空間に力を入れているクルマについて、お客様へのご提案のひとつとして設定しています」とのこと。いずれの車種もガソリン車、ハイブリッド車を含む全タイプへ取り付け可としています。
「フリード」についてはメーカーオプションにコンセントの設定はなく、ディーラーオプションということになりますが、「ステップワゴン」と「オデッセイ」のハイブリッド車については、一部グレードにメーカーオプションとしてAC100ボルト/1500ワットのコンセントも設定されています(ホンダアクセスのディーラーオプションとしての電源とは取り付け位置が異なる)。現状でコンセントは、ガソリン車、HV車ともに、需要が見込まれる車種においてこれが標準装備あるいはオプションで設定されているのかもしれません。
災害時の電源に活用できるのは、ほんの一握りの車種?
一方、近年登場したEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)などでは、外部用電源が充実しているものも。たとえば三菱「アウトランダーPHEV」などは大容量のバッテリーを備え、1500ワット対応の車載コンセントを標準装備しており、電子レンジや大型テレビも使えるということを宣伝文句のひとつとしています。
このような状況に目を付けた東京都練馬区は、2018年6月から、区民あるいは区内在勤者が所有するEVやFCV(燃料電池車)、PHEVを災害時に活用するための「災害時協力登録車制度」を、東京の自治体で初めて創設しました。車両から電気を取り出し、避難拠点にある電機装備や家電製品などへ給電してもらうというもので、対象車は日産のEV「リーフ」「e-NV200」、トヨタのFCV「ミライ」、ホンダのFCV「クラリティ フューエルセル」および「フィット EV」、三菱のEV「アイミーブ(普通車)」および「アウトランダーPHEV」の7車種です。
練馬区環境課によると、「基本的には外部給電設備に接続可能な大容量の電源を持ち、かつ区が所有する外部給電機器(ホンダ「パワーエクスポータ―9000」)に対応している車種に限定しています。車載コンセントを搭載している車種もあるので、そのコンセントを使うこともあるでしょう」とのこと。そのうえで、たとえばトヨタ「プリウスPHV」は車載コンセントもあり、所有者も多いのは理解しているものの、バッテリー容量が他車種に比べ若干少ないことなどから対象外としたのだとか(たとえば「アウトランダーPHEV」の12kWhに対し、「プリウスPHV」は8.8kWh)。
これ以外の車種では、たとえばコンセントがついていたとしてもバッテリー容量が少ないそうです。ましてやアクセサリーソケットのDC12ボルト電源は、基本的にエンジンを作動させるためのバッテリーであり、AC100ボルトの家庭用電源を賄えるほどの電力はないと話します。たとえば災害時などにおいて、クルマの電源を外部の電化製品へ安定的に利用するには、それ相応の性能が必要なようです。
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