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業界騒然! 衝撃コンセプトでも時代を先取りしすぎて売れなかったクルマ5選

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業界騒然! 衝撃コンセプトでも時代を先取りしすぎて売れなかったクルマ5選

 後になって再評価されたクルマばかり

 自動車史のなかには、時代の先端を行く革新的なデザインやメカニズムを採用していたにも関わらず、デビューするのが早すぎたため売れなかったクルマがある。

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 登場した時代が早すぎたため、販売店のセールスマンやユーザーに理解されず失敗作の烙印を押されたクルマも少なくない。日本のモータリゼーションの黎明期には、悲運の名車が多かった。

 1)ホンダS500/S600/S800

 1960年代に先進的なメカニズムと高性能で注目を集めたのがホンダのオープン・スポーツカー、Sシリーズだ。63年10月に最初の作品であるS500を市販に移した。OHVが全盛の時代にS500は、総アルミ製のAS280E型直列4気筒DOHC(531cc)を搭載し、キャブレターもCVキャブを4連装している。44馬力/8500rpmを発生し、タコメーターは1万1000回転まで目盛られていた。

 ホンダは500に続いて64年早々に600を投入。66年になるとSシリーズの集大成といえるS800を送り込んだ。いずれもエンジンは4気筒DOHCで、軽々と8000回転オーバーまで回る。当時はDOHCとレーシングエンジンは同意義だが、その凄さを知っている日本人は少なかった。また、スポーツカーの乗り方や扱い方も教えてくれなかったので運転しづらいとぼやき、販売は低迷したのだ。もう少し後に、この手のライトウエイト・スポーツが発売されていればヒット作になっていただろう。

 2)トヨタ・クラウン(4代目)

 70年代に衝撃を与えたコンセプトのクルマは、71年2月に登場した4代目のクラウンである。マニアの間では「クジラのクラウン」と呼ばれているプレミアムセダンだ。フード先端とフロントグリルの間にウインカーランプを内蔵した2段重ねのフロントマスクを採用し、ドアガラスからは三角窓を取り去った。また、ボディと一体になったカラードバンパーを採用している。2ドアハードトップは角型ヘッドライトを採用し、サイドは大胆なアイラインウインドーとした。

 スピンドルシェイプ(紡錘形)と呼ぶ個性豊かなフォルムは話題をまき、他の業種のデザイナーは賛辞を送っている。が、ファッション性豊かで個性の強いフォルムは、クラウンを乗り継いでいる保守派から敬遠され、販売は伸び悩んだ。ライバルの230系セドリックとグロリアは端正なウエッジシェイプで登場したが、こちらは好評な販売を記録している。そして販売トップの座をクラウンから奪い取ることに成功した。

 苦渋を舐めたクラウンは、73年2月に大がかりなフェイスリフトを断行する。今の時代なら受け入れられる新鮮なデザインだ。

 3)日産バイオレット・リベルタ/オースターJX/スタンザFX

 80年代の衝撃の1台は、日産のバイオレット・リベルタ、オースターJX、スタンザFXの3兄弟である。駆動方式をライバルに先駆けてFFとし、4ドアセダンのほか、マルチパーパスの5ドアハッチバックを設定した。キャビンは広く、ラゲッジルームも広く、使い勝手がいい。横置きのFF方式としたため、パワーユニットも新設計だ。

 まさにフルといえる力の入ったモデルチェンジだった。が、発売すると販売は低空飛行を続けている。そのため発表からわずか1年でバイオレット・リベルタは整理され、自動車史から消えていった。今はFF方式が全盛だし、スタイリッシュな5ドアモデルも数多くある。ちょっと早すぎたデビューが運命を大きく変えてしまったのだ。

 4)三菱ギャラン/レグナム

 90年代の衝撃の作品は、96年秋に三菱が送り出したギャランとレグナムである。スタイリッシュなエクステリアも話題となったが、それ以上に注目を集めたのがパワーユニットだ。時代に先駆けてクリーン化と低燃費のために筒内直接噴射、つまり直噴のGDIエンジンを搭載したのである。また、ファジー制御やスポーツモードを盛り込んだ電子制御4速ATを組み合わせた。フルタイム4WDは左右駆動力移動システムのAYCや4輪制動力制御システムのASCなどを採用し、意のままの走りを楽しめる。

 が、期待のGDIエンジンは超高精度のインジェクターの値段がメチャ高くて採算ベースに乗らなかった。また、吸気ポート周辺にカーボンなどがたまって異常燃焼を起こすなど、トラブルに泣かされ続けたのである。今は世界中のメーカーが直噴エンジンを採用しているし、4WDも電子制御が常識だ。この技術の流れを見れば、三菱の英断が間違いでなかったことが分かる。

 5)スバルR2/R1

 21世紀の衝撃作は、スバルが軽自動車市場に放ったR2とR1だ。2003年3月にプレオの事実上の後継となるR2がベールを脱いでいる。上質な軽自動車を目指し、ハイトワゴン全盛の時代に背を低くし、個性的なルックスで登場した。デザイン優先だからキャビンはそれなりの広さで、後方や斜め後方の視界も今一歩にとどまっている。

 翌年には2ドアクーペのR1を送り込んだ。デザインはR2と似ているが、ホイールベースは短いし、ボディパネルも専用である。

 だが、広さに慣れたユーザーは乗り換えず、販売は今ひとつ伸び悩んだ。急遽、プレオを継続販売し、05年11月にはフロントマスクを中心に化粧直しを行った。が、それでも販売は上向かなかったので、速攻でハイトワゴンのステラを開発し、06年に発売している。R2とR1の販売不振によってスバルは、軽自動車市場からの撤退を決断した。しかし、クルマの個性に目を向ける人が増えている今だったら、受け入れられたと思う。

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