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業界ニュース 2018.7.12

名車のルーツはドイツの住居にあり?Hナンバーを掲げる3代目メルセデス・ベンツSLクラス(R107)を見かけて

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CL CARSで幾度も取り上げている、ドイツ独自の旧車優遇制度「Hナンバー」。Hはドイツ語でhistolisch(歴史的な)という言葉の頭文字からきています。現在でもオリジナルの状態を残しつつ、製造から30年以上が経過したクルマを歴史的産業遺産と認定し、このナンバーが付与されたクルマは税金や保険が優遇されるという、旧車を愛する人々にとってはとてもありがたい制度です。

そんなHナンバー車、古いクルマでも構わず日常的に乗ることが好きなドイツ人ですから、大事にされているとはいえ、わりと外装が汚れていたり、ヤレていたりすることは珍しくありません。しかし一方で、「この車種のHナンバー車はいつもピカピカだなあ」と思うクルマも存在します。その代表格はポルシェ911なのですが、今回はもう一方の代表格を紹介します。ポルシェ911が西の横綱だとしたら、このクルマは東の横綱。メルセデス・ベンツSLクラスです。

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メルセデス・ベンツ屈指のロングセラー

Hナンバーを掲げたこのメルセデス・ベンツSLクラスは、1971年から1989年までに製造・販売されていた3代目モデル「R107」です。エンブレムがないため搭載されたエンジンを特定することができませんが、R107は18年にわたる長い歴史の間、2.8リッターの直列6気筒エンジンから5.5リッターのV型8気筒エンジンまで、多くのバリエーションが存在しました。その中でも、5.5リッターV8を搭載する560SLについてはドイツ本国を含むヨーロッパでは販売されず、アメリカ、日本、オーストラリアでしか販売されませんでした。

そう、3代目メルセデス・ベンツSLの主戦場はアメリカだったのです。R107は18年間で23万7千台が生産されましたが、そのうちの約3分の2がアメリカの主に西海岸で販売されました。R107が登場した1971年当時は、世界的に安全性に対する意識が高まり、法規制によってそれまで生産されていたフルオープンカーが撤退を余儀なくされる苦難の時代でした。

メルセデス・ベンツはそうした流れの中でも、頑なにフルオープンにこだわり、安全性を高めるための新技術を数多く投入して、R107を完成させます。タルガ・トップのような、屋根の途中に支柱を入れることなく、フルオープンのまま新車登録できる北米唯一のクルマとして、富裕層に支持されることになるのです。

幌の存在を感じさせない、高度な折りたたみ機構

R107の幌の構造は、丈夫でシンプル、かつ開閉しやすく、手動式としては最高の使い勝手を備えていました。また、折りたたんだ幌はカバーの下に収められるため、横から見るとその存在が消えたように見えるのも大きな特徴でした。水平基調のサイドから、同じく横一直線のモチーフでデザインされたフロントマスク、リアエンドにつながる美しさはまさに唯一無二。

このクルマをデザインしたのは、数々のメルセデス・ベンツの傑作車を手掛けたブルーノ・サッコです。フルオープンにした時の美しさは、現代でもまったく色あせないどころが、むしろ輝きを増しているようにさえ感じます。

話は変わりますが、ドイツ人が日々の生活で大切にしていること、そのひとつが「換気」です。ドイツの住宅やオフィスは冬の寒さをしのぐために密閉性が高く、暖房を使用したり人が集まったりするとすぐに温まるのですが、同時に湿度も高まります。そんな時に行うのが換気です。雨が降っていようが、雪が降っていようが、1日に2~3回、3~5分間は必ず換気します。住宅の賃貸契約書には、「毎日の換気は住人の義務」として明記されているほどです。風通しを良くしてカビを防ぐ、というのは日本でも同じですが、ドイツでは会社での会議などで場の雰囲気が悪くなってきたときも「わかった、一度換気しよう!」と言って窓を開け放すことがよくあります。悪くなった空気を入れ替えることで、気分転換を図ろうとする習慣があるのです。

ドイツ人が大事にしている習慣「換気」

密閉性の高い住宅と、ドイツ人にとっての「換気」の需要性。筆者はそうしたドイツの文化が、メルセデス・ベンツSLクラスにも引き継がれているように思います。幌を上げれば、密閉性の高いクーペに。幌を下げれば、周囲の空気を存分に感じられるロードスターに。「換気なら窓を開ければいいのでは?」という疑問もありますが、ドイツの人々は太陽の光を浴びるのも大好きです。フルオープン状態のR107を颯爽と運転する女性ドライバーも数多く見かけます。日常生活でちょっとした嫌なことがあっても、オープンカーで新鮮な空気を吸い込んでリフレッシュ。そんな生活に寄り添うには、ちょっと贅沢な存在の3代目メルセデス・ベンツSLクラス。きっとこれからも、長くドイツ本国で愛され続けていくことでしょう。

[ライター・カメラ/守屋健]

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(CL 守屋 健)

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