現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > この先「冠水」、いまのクルマは走り切れる? 多発するゲリラ豪雨、急な冠水時等どうすれば?

ここから本文です

この先「冠水」、いまのクルマは走り切れる? 多発するゲリラ豪雨、急な冠水時等どうすれば?

掲載 更新
この先「冠水」、いまのクルマは走り切れる? 多発するゲリラ豪雨、急な冠水時等どうすれば?

■自動車メーカーは「深い水たまりは避けて」

 近年はいわゆる「ゲリラ豪雨」など、短時間のうちに甚大な影響をもたらす気象災害が増加していますが、道路においてこの影響を受けやすい構造のひとつに、鉄道などをくぐるアンダーパス部分があります。雨水が集まり冠水しやすいことから、前後の区間ではこれに注意を促す看板が設けられていたり、規定の水位に達した場合に通行止めとされたりすることがあります。

なぜ多い? 煽り運転のきっかけ「通せんぼ走行」 高速追い越し車線で法定速度走行はNG?

 九州地方のとある道路管理者は以前の取材時、アンダーパスには雨水を排水する機構があるものの、短時間の急激な雨で排水が追い付かず、進入したクルマが立ち往生するケースがあると話していました。同管理者は管内のアンダーパス入口に、水位に応じて作動する道路遮断機を新設したのですが、それまでは、水位計の信号を受け取った担当者が現場に駆けつけ、水位を確認してから通行止めの措置をしていたといいます。

 つまり、冠水して通行止めになるまで時間がかかる場合があるということです。このような場面に出くわした場合、どうすべきなのでしょうか。

 ホンダは、「冠水路などの深い水たまりは走行しないようにと、取扱説明書などにも記載しています。エンジンや駆動系などの破損につながる恐れがあるためです」と話します。ただ、車種によってもエンジンやマフラー設置位置の地上高といった条件が異なり、水のかぶり方も状況によって異なるため、具体的に何cm以上などとは明記していないといいます。

■JAFが実車で冠水路走行テスト その結果は…

 JAF(日本自動車連盟)は2010(平成22)年に、実車を用いた冠水路走行テストを行っています。このときは、セダンタイプのトヨタ「マークII」、車高の高いSUVタイプの日産「エクストレイル」の2車種が用いられ、最大60cm冠水したアンダーパスを模したコースへ10km/hで進入した場合と、30km/hで進入した場合とで比較されました。

 冠水路に入ってすぐ、水深30cmの段階では、両車とも走行が可能でしたが、セダンにおいては、30km/hでは巻き上げる水の量が多くなり、エンジンルームに多量の水が入ったそうです。そして、水深60cmになると、セダンは途中でエンジンが停止してしまいました。

 一方、SUVでは水深60cmでも10km/hならば走り切ることができましたが、30km/hで進入した際には、エンジン下部に多量の水が入りこみ、エンジンが停止しています。エンジンが停止した原因は、エアインテーク(空気の取り入れ口)を通してエンジン内部に水が入ったためとされましたが、マフラーにも多量の水を含んで排気ができなくなっている状態でした。たとえ水深が低い場合でも、速度によって水の動きが異なることもあり、いつ停止してもおかしくない状態だったかもしれません。

 ちなみに、前出の新型道路遮断機が設置された九州地方にあるアンダーパスでは、通行止めを行うアンダーパス内の基準水位は20cmとされていました。総務省の資料によると、通行止めとする水位の基準は道路管理者ごと、あるいは現場や気象条件によっても異なり、たとえば中部地方整備局管内では10cmから20cmと回答しているケースが多いものの、「現場の状況により判断」と回答した管理者も3分の1程度を占めています。

こんな記事も読まれています

テスラ・モデル3 & モデルY用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
テスラ・モデル3 & モデルY用が販売開始、HKSのサスペンション「ハイパーマックス S」
レスポンス
「2年で製品化」 中国車メーカーへ移籍のデザイナー、シュテファン・ジーラフ氏に聞く 欧州との違いは?
「2年で製品化」 中国車メーカーへ移籍のデザイナー、シュテファン・ジーラフ氏に聞く 欧州との違いは?
AUTOCAR JAPAN
ホンダ「“次期型”フィット」どうするべき!? 「ターボ+MT」&「タイプR」もアリ? “大人気”だった「コンパクトカー」に望むモノとは
ホンダ「“次期型”フィット」どうするべき!? 「ターボ+MT」&「タイプR」もアリ? “大人気”だった「コンパクトカー」に望むモノとは
くるまのニュース
バイクのタイヤサイズ、最後の謎アルファベットの意味とは?
バイクのタイヤサイズ、最後の謎アルファベットの意味とは?
バイクのニュース
日産、EV需要変動に「柔軟に対応」 電動化のペース調整? 中国市場は "独自モデル" で販売強化へ
日産、EV需要変動に「柔軟に対応」 電動化のペース調整? 中国市場は "独自モデル" で販売強化へ
AUTOCAR JAPAN
ベントレーの次世代モデル、新V8ハイブリッド搭載へ…パワーは750馬力以上
ベントレーの次世代モデル、新V8ハイブリッド搭載へ…パワーは750馬力以上
レスポンス
マツダ「RX−7」ベースの貴重なRE雨宮「幻気-7」を熱意で譲ってもらいました! サーキットからストリートまで快適仕様で楽しんでます
マツダ「RX−7」ベースの貴重なRE雨宮「幻気-7」を熱意で譲ってもらいました! サーキットからストリートまで快適仕様で楽しんでます
Auto Messe Web
あおり運転の如くに車間距離を詰められた時どうしたらいい? その対処法と運転免許を保有している意味について解説
あおり運転の如くに車間距離を詰められた時どうしたらいい? その対処法と運転免許を保有している意味について解説
LE VOLANT CARSMEET WEB
矢野特殊自動車、荷室側面が1枚パネルの温度管理トレーラーを開発
矢野特殊自動車、荷室側面が1枚パネルの温度管理トレーラーを開発
日刊自動車新聞
【最新モデル試乗】新たなメルセデスの形。環境性能と快適性を徹底追求したEクラスの気になる完成度
【最新モデル試乗】新たなメルセデスの形。環境性能と快適性を徹底追求したEクラスの気になる完成度
カー・アンド・ドライバー
日産内田社長、ホンダとの協業「スピード感を持って結論を出したい」[新聞ウォッチ]
日産内田社長、ホンダとの協業「スピード感を持って結論を出したい」[新聞ウォッチ]
レスポンス
バイクニュース今週のダイジェスト(5/6~10)
バイクニュース今週のダイジェスト(5/6~10)
バイクブロス
「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
「ガソリン安くなるし最高!」意外と知らない人多し! 運転免許には隠れた秘密? ちゃんとした人が受けられる優遇とは
くるまのニュース
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
最近気温が高い…!涼しいツーリングスタイル
バイクのニュース
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
めちゃ売れてる! “MTアリ”の日産「最小&最安SUV」! アンダー120万円&全長4m以下ボディの「マグナイト」が印で愛される理由とは
くるまのニュース
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
NOKとENEOS、摩擦40%低減の「自己潤滑ゴム」開発
レスポンス
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
メルセデス元技術責任者のパディ・ロウ、古巣の”復活”は簡単ではないと推測「F1で良いマシンを手にでき時、それは幸運だと思わなければいけない」
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
ホンダ新型「カクカクSUV」ワイルド&上質な“縦グリル”がスゴい! 新型「WR-V」人気のカスタム仕様とは?
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246.8354.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.9510.0万円

中古車を検索
マークIIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246.8354.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.9510.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村