2018年6月20日、歴代で5代目となるフォレスターの新型がついに発売だ! フォレスターが誕生したのは、現在のようなSUVブームが訪れる前夜の1998年。当時、先に登場していたトヨタのRAV4やホンダのCR-Vは、現在一時的に日本市場から消え、同クラスで販売好調のマツダ CX-5や日産 エクストレイルは、フォレスターより後発モデル。気がつけば、フォレスターは日本で20年続いた唯一のミドルSUVとして老舗ブランドの地位を固めつつある。なぜ、フォレスターは、安定した人気を維持し続けられるのだろうか。
文:片岡英明/写真:編集部、SUBARU
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フォレスターの誕生は“ひょうたんから駒”だった!
1997年春に登場し、20年間レガシィ、インプレッサとともにスバルの屋台骨を支えてきたのがフォレスターだ。
今や海外では兄貴たちを凌ぐほど知名度が高い。世界中に熱狂的なファンを持っているから、生産と販売も好調に推移している。
このフォレスターの誕生は、“ひょうたんから駒”だった。最初はインプレッサのモデルチェンジを画策していたが、意見がまとまらず難航したのである。そこで白紙に戻し、企画を練り直した。
視点を変えて開発したのが初代フォレスターだ。メカニズムは初代インプレッサのものを用い、低予算で卓越した走行性能を誇る異色の「クロスオーバーSUV」を生み出そうとしたのである。
左から初代(1997-2002年)、2代目(2002-2007年)、3代目(2007-2012年)、そして右手前が4代目(2012-2018年)の歴代フォレスター
狙ったのは、SUVのタフな走りに加え、ワゴン感覚の軽快な走りだ。この手のSUVの多くは、悪路や雪道で非凡な走りをみせるものの、オンロードではセダンほど快適ではなかった。また、高速道路やワインディングロードでは安心感も薄い。
これに対しフォレスターはオールマイティだ。WRC(世界ラリー選手権)でシリーズチャンピオンに輝いたインプレッサのメカニズムを移植しているのだから、他のクロスオーバーカーとは資質が違う。
重心の低い水平対向エンジンとシンメトリカルAWD(フルタイム四駆)の相乗効果により、路面にかかわらず安定した走りを見せつけた。つづら折りのワインディングロードでも意のままの気持ちいい走りを見せる。
フォレスターの魅力のひとつは、素性のいいパワートレインだ。デビューしたときは、驚いたことに2LのDOHCインタークーラー付きターボだけの設定だった。
インプレッサWRX STIのEJ20型DOHCターボエンジンをディチューンして積んでいる。といっても250馬力もあったから驚速だ。シャシーとサスペンションも、パワフルなエンジンに負けないようにセットアップしていた。
4WDのメカニズムも実績を積んだ信頼性の高いものだ。しかもトランスミッションによってシステムを使い分けている。優れた耐久性は海外で高く評価され、ユーザーの信頼を生んだ。
RAV4やCR-Vが消えても売り続けられたフォレスター
2代目エクストレイル(左)と3代目フォレスター(右)。先に誕生したライバルのRAV4、CR-Vはともに2016年で日本販売を中止。エクストレイルやCX-5がライバルとなってゆく
軽快な走りに加え、快適性が高く、運転しやすいフォレスターは、クロスオーバーSUVの懐の深さと今までにない走りの楽しさを世間に認めさせた。
ひと足先に登場したトヨタのRAV4とホンダのCR-Vとともに、クロスオーバーSUV旋風を巻き起こしている。21世紀になると、この潮流が世界に広まり、一大ブームとなるのだ。
RAV4とCR-Vは、2代目からボリュームゾーンの北米市場を強く意識するようになった。
そのためアメリカでは好調な販売を記録したが、日本では個性を失って販売が低迷。ついには販売を休止している。
フォレスターも大ヒットにはならなかったが、キープコンセプトの2代目、そして3代目も安定して売れた。オールラウンドで高い実力を誇ることに加え、ライバルにはないターボエンジンを頂点に据えたことも功を奏したのだ。
転機となった4代目と新生ライバルとの違い
2012年登場の4代目はアイサイトも搭載。CX-5やエクストレイルといった2000年代以降に誕生したライバルと比べると、その古典的さが逆に特長になっている
モデルチェンジのたびに進化し続けてきたフォレスターは、時代の要請に合わせ、4代目のときに大きく舵を切る。デザインはキープコンセプトだったが、メカニズムを一新したのだ。
また、時代の一歩先をいく安全装備も積極的に盛り込んでいる。衝突安全は、北米でも日本でも総合評価で最高ランクを達成できる実力だ。リアルワールドでの安全性能を徹底追求し、先進安全装備もてんこ盛りである。その筆頭が、ステレオカメラを採用した運転支援システムの「アイサイト」だ。これによって新たなファン層の獲得に成功した。
パワートレインは伝統の水平対向4気筒DOHCだ。が、新世代のFB20型4気筒と「DIT」のニックネームを持つ直噴DOHCターボになった。トランスミッションの主役は、6段マニュアルモード付きリニアトロニック(CVT)である。
AWD技術では「Xモード」と名付けた四輪駆動の走行制御システムを加えた。サスペンションは伝統の四輪独立懸架だ。個性的なパワーユニットに基本性能の高いメカニズムを組み合わせたこともブランドネームを維持できた理由のひとつだろう。
ラギッド感の強いデザインは保守的と感じる。新たな挑戦者となったエクストレイルやマツダ CX-5などは、都会的ムードのデザインを採用し、パワートレインも個性的だ。
フォレスターは古典的なデザインのままだが、今では少数派となったから逆に目立つ。また、長く乗っても飽きないし、陳腐化しない。これもフォレスターが愛される理由のひとつにあげられる。
「ハズレのなさ」が老舗になれた理由
通算5代目となる新型フォレスター。デザイン面は変化が乏しいように見えるが、それこそトレンドに流されないフォレスターらしさでもある
6月20日にデビューする5代目フォレスターは、ターボが消滅し、新たにハイブリッド車を加えた。エンジンはクリーンになり、ドライバビリティも燃費も向上する見込み(編注:HVはJC08モード18.6km/L)。
新世代のスバルグローバルプラットフォームを採用し、ボディ剛性は高いし、足の動きもいい。だからフットワークとハンドリング性能も大幅にレベルアップしているだろう。
引き出しが多く、平均点の高いフォレスターは、ハズレがなかった。信念を曲げず、真摯な姿勢で成長を続けてきたから、フォレスターは老舗ブランドに成長したのである。
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