トヨタとBMWの共同開発で生まれる次期スープラ。ジュネーブ・モーターショーでレーシングバージョンは公開されたが、すでに発表されているZ4コンセプトと比べてみたら、どうだろう?
トヨタとBMWが共同開発するFRスポーツカーのスープラは、BMWのZ4と兄弟モデルの関係になる。
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わかっていることは、FRレイアウトを採ること。つまりフロントエンジン、リヤドライブの構成になる。そして、エンジンは、直列6気筒を積むということ。
そして、生産は両モデルともマグナ・シュタイヤーのオーストリア・グラーツ工場で行なわれること、くらいだろうか?
まず、両モデルの公開写真を比べてみよう。
ボディサイドから見た写真を並べてみる。スープラはレース仕様ということで、リヤに巨大なウィングを装着しているので、この部分はカットして並べてみよう。
発表されているスープラの主要諸元は
全長×全幅×全高:4575×2048×1230mm
ホイールベースが2470mm
である。
次は、フロント。そしてリヤだ。
もちろん、全幅は、張り出したフェンダーのために2mを超えているだけで、市販版は1850mm前後になるはずだ。
全長も、現行のZ4が4255mmだから、拡大はされても4400mm程度に収まるのではないだろうか?
ちなみに、現行86が全長×全幅:4240×1775mmである。
エンジンはBMW製B58型3.0ℓ直列6気筒ターボ
「次期スープラは直列6気筒を積む」と言っても、現在トヨタは直6エンジンを持っていない。
これは、BMWのB58型3.0ℓ直列6気筒ターボで決まりだ。
BMWは現行M3が搭載するS55型(N55型のハイパワー版)も持っているが、BMW Mモデルが積むS55をスープラに積むことはなさそうだ。なにより、B58の方が世代が新しいエンジンなのだ。
B58型Specifications
エンジン形式:直列6気筒DOHCターボ
エンジン形式:B58
排気量:2998cc
ボア×ストローク:82.0×94.5mm
圧縮比:11.0
最高出力:326ps(240kW)/5500rpm
最大トルク:450Nm/1380-5000rpm
給気方式:ターボチャージャー
カム配置:DOHC
ブロック材:アルミ合金
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射方式:筒内燃料直接噴射(DI)
VVT/VVL:En-Ex/○
BMWの最新モジュラーエンジンの6気筒版で、3気筒はB38、4気筒はB48、そして6気筒がB58型となる。
前型のN55型との最大の相違点は、シリンダーブロックがオープンデッキからクローズドデッキに変わったことだ。B58ではサーマルマネージメント(熱管理)も進化していて、エンジンの部位、状況に応じて適切な温度管理を行なって燃費を向上させるためにHMM(Heat Management Module)を採用。ウォーターポンプも電動から機械式に変更されている。機械式ウォーターポンプは、エンジン流入水温や補機類の通水料を適切にコントロールし、冷間始動時は通水を早めて早期暖機する。吸排気に可変バルブタイミング機構が付き、もちろんBMWのお家芸であるバルブトロニック(可変バルブリフト)も付く。ターボチャージャーは、ツインスクロール式である。
トランスミッションはどうなるだろう?
トランスミッションはどうなるだろう?
次期スープラのトランスミッションはどうなるだろう?
トヨタ/レクサスの各モデルの2ペダル・トランスミッションは、アイシン・エィ・ダブリュが供給するのが通常だ。アイシン・エィ・ダブリュはもちろん、縦置き用のオートマチック・トランスミッションを持っている。
しかし、現行モデルに直6がない以上、ここ最新で直6に合わせたことはない。
一方のBMWは、縦置きATは、ZF製8速ATを使う。例外はM3などのハイパフォーマンス・スポーツカーだ。M3が使うトランスミッションは、ゲトラグ製の7速DCTである。
スープラがどちらを使うか?
スープラが1000万円級のスーパースポーツなら、ゲトラグ製7速DCTを使うのだろうが、そこまでの高価格にはしないだろう。つまり、トランスミッションはZFの8HPになるのではないだろうか?
ZFの8HPは、現在の縦置きATの主流にしてベンチマークたる傑作ATだ。変速スピードもDCTに決してひけをとらない。
BMWのB58型直6ターボにZFの8HPの組み合わせは、性能・実績ともに申し分ない。
新型スープラの市販版が登場するのが楽しみだ。
同じパワートレーン、同じ工場で生産されるスープラとZ4がどのくらい「違った味」を実現してくるか? BMW流とトヨタ流を直接比べられるのだから、興味が尽きないところだ。
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