「かっこいい」とはこういうことだ
懐かしいモデルの話をしていると、「いま、見ても、かっこいい」という言葉がよく言い交されます。このいすゞ「ピアッツァ」は、その代表格ともいえるモデルではないでしょうか。
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1981(昭和56)年に発売された「ピアッツァ」は、イタリアの自動車デザイナー、巨匠ジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたハッチバック・モデルです。アルファ ロメオ「ジュリア・クーペ」や、フォルクスワーゲン「ゴルフ」を生み出したその手で描く、当時の国産車とはひと味違ったシュッとしたスタイリングは、その頃のクルマ好き青年たちにかなり刺さりました。
さらに、ジウジアーロは1968(昭和43)年にいすゞ「117クーペ」をデザインしているため、往年のいすゞファンにも「これがいすゞだよ!」感が強いモデルとなったようです。
乗ってよし、見てよしのクルマ
「ピアッツア」のボディサイドをスーッと前後に貫くラインは「ミニマムオープニング処理」と呼ばれ、エンジンフード、ハッチゲートの分割ラインと、ボディサイドのラインを一致させるなどして、分割ラインをできるだけ少なくすることで、空力性能の向上を狙ったものです。当時、「ピアッツァ」の周りには、「このラインの使い方が、ジウジアーロなんだよね」と、したり顔で語るクルマ好きがダース単位で集ったものです。風切音低減を狙い、ボディとガラスは面一構造になっていました。そのため、丸みがありながらシャープさを感じるモデルとなり、そこも「かっこよかった」です。
世界初(当時)のマイクロコンピューター制御(I-TEC)エンジンを採用するなど、パフォーマンス面でも話題を集めました。何より印象的だったのが、未来っぽい運転席です。XEグレードに搭載されたデジタルメーターと、国内初(当時)となるサテライトスイッチ(ステアリング左右に各種スイッチを集中配置したもの)は、操作性、視認性が高く、見た目以上に機能性にも優れており、オーナーによると、「乗ってよし、見てよし」の楽しいクルマだったそうです。
その後、ドイツのチューニングメーカー「イルムシャー」が外装を仕上げ、足回りを強化した「イルムシャー・グレード」を発売。さらに、1988(昭和63)年には、イギリスのグループ・ロータス・パブリック社によるサスペンション・チューニングを施した「ピアッツァXE・ハンドリングバイロータス」が登場します。これは、その前にリリースされた「ジェミニZZ・ハンドリングバイロータス」同様、いまでもクルマ好きの間で語り継がれる名車となっています。
世界のトップブランドとのコラボはどう見えた?
「ハンドリングバイロータス」におけるメインのボディカラーは、いかにもロータスらしい「ブリティッシュグリーン・マイカ」。リヤ・コンビネーションランプのデザインを変更し、スポイラーを装着して、キリッとした印象を高めました。ステアリングはモモの本革巻3本スポーク、シートはヘンリンボーン生地スポーツタイプという設えで、スポーティ感と、いかにも「ブリティッシュ!」という高級感満載な仕上がりに、国産車ファン、輸入車ファンの垣根を越えて、グッときちゃった若者多数でした。
何より「ハンドリングバイ」という言葉が、なんだか無性にかっこよかったのを覚えています。「メイド」でも「プロデュース」でもなく、「ハンドリング」。響きの良さに加え、「世界のトップブランドが日本メーカーと手を組む」というワクワク感と、80年代後半から90年代にかけての日本の勢い、いうなれば「世界に向けた万能感」を感じさせたモデルでした。
その後1991(平成3)年に2代目になって、若干目つきが鋭くなってしまいましたが、それでも見かけるとちょっと嬉しいクルマだった「ピアッツァ」。1993(平成5)年にいすゞが乗用車(SUVを除く)の製造を終了した時の喪失感は、ちょっと忘れられません。それが余計に鮮烈な記憶を刻み付けたのかもしれませんが、「ピアッツァ」、やはりいま見ても「かっこいい」クルマです。
【写真】「ピアッツア」のインパネまわり、「サテライトスイッチ」とは
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