独ポルシェは、新型「カイエンターボ」に標準装着する新たなブレーキシステム「PSCB(Porsche Surface Coated Brake)」について、その技術概要を発表した。
PSCBはタングステンカーバイドをコーティングしたブレーキディスクと専用パッドで構成される高性能ブレーキシステムだ。そのメリットは、錆びることがなく、ブレーキダストは微少で、メンテナンス頻度が少なく済み、かつカーボンセラミックブレーキよりも安価といいことずくめだ。
実はタングステンカーバイドは20世紀初頭に開発されており、この物質から作ったブレーキディスクが錆びずに鏡面を保つことも知られていた。何より技術者を魅了したのは、ダイアモンドの次に固く、鋳鉄の10倍の硬度を持つという物性だった。ところがディスクすべてをタングステンカーバイドで作るとあまりにコストがかさむ一方、それをコーティングする技術はなく、製品化は暗礁に乗り上げていた。
今回、ポルシェとボッシュは、亜鉛メッキした鋳鉄にタングステンカーバイド層を接着することで、長年の課題だったコーティングに世界で初めて成功した。さらに特有の鏡面に食いつく高硬度の微粒子を含んだ専用パッドも開発した。こうして完成したPSCBは、低速時からパッドの接触面積が確保され、高速時にも優れたストッピングパワーを発揮する。一方、摩耗やブレーキダストの発生は鋳鉄製と比べ90%減の水準で、サービスサイクルも30%延長されるとのことだ。
では、PSCBはブレーキの最終形といえるかというと、ポルシェ開発陣の答えはノーだ。たとえば回生ブレーキのようにまったく摩耗しない減速装置も存在する。クルマの電動化が進めばそれに合わせてブレーキにも新基軸が求められることになる。
ポルシェの開発者は「速いクルマには速いブレーキが必要。ゆえに、ブレーキの完成形ができ上がることなど永遠にない」と言い切る。これからもポルシェのブレーキ開発に対する熱意が冷めることはなさそうだ。
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