普及を促進するための補助金だから普及すると減額される
電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車、クリーンディーゼル、そして燃料電池車(FCV)などの購入に際しては、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金という補助金が出る。
通称「CEV補助金」と呼ばれるもので、ゼロエミッション車をはじめとする環境にやさしいクルマの普及を促すのが目的。経済産業省マターの補助金となっている。
そして、この補助金は年度ごとに予算化されているものであり、補助される金額も年度によって異なってくる。たとえば、日本を代表するプラグインハイブリッド車である三菱アウトランダーPHEVでいえば、2016年度には29万円の補助金であったが、2017年度は20万円と減額されている。
これは、プラグインハイブリッド車の補助金上限が20万円となったためで、主にドイツ車に見られる高価なプラグインハイブリッド車においてもCEV補助金は20万円となっている。もともと普及を促すという目的からすれば、数が増えてきた状況に応じて減額するのは当然の流れだ。
ちなみに、補助金の上限としてはEVが40万円、クリーンディーゼルが15万円。ただし、クリーンディーゼルの場合は補助率が1/8という条件もあるため、15万円が補助されるのは車体価格が1000万円を超える高級モデルだけで、実際には1万5000円~4万円といった範囲に収まっている。かつてのようにうまみを感じるほどではない。これもクリーンディーゼルが普及してきた結果だろう。
また、それぞれに補助対象経費という一定の計算をした上で補助金を決める仕組みとなっているが、EVのそれは「一充電での走行距離×1000円」というシンプルなもの。航続可能距離はJC08モードによるカタログ値を用いる。そのため日産リーフの補助金額は40万円となっているし、フォルクスワーゲン(VW)eゴルフは30万1000円となる。そして、航続可能距離が400km以上だったとしても前述した補助金の上限があるので、EVでは40万円以上は出ない。かつてはEVに300万円を超える補助金が出たこれもあったが、やはり普及が進んできたことで減額傾向になっている。
なお、CEV補助金が桁違いに多いのはFCV。トヨタMIRAIは202万円、ホンダ・クラリティFUEL CELLは208万円となっている。逆にいうと、CEV補助金が多いうちは、まだ普及フェイズに入っていないといえる。普及すればそれに応じてコストダウンが進むため、補助金がなくとも問題がない程度の価格になっていくはずだ。そうなればCEV補助金が役目を終えたといえることだろう。
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