「東京モーターショー」外国人プレスはこう見た!
世界5大モーターショーのひとつに数えられる「東京モーターショー」には、海外からも大勢のメディア報道関係者が取材に訪れます。彼らは今回の「東京モーターショー2017」をどう思っているのでしょうか。印象に残ったブランドや、お気に入りの日本車についても聞いてみました。
特集【東京モーターショー2017】メーカー各社、注目の出展内容は?
フランスの「自動車技術専門メディア」は…?
フランスで自動車技術専門誌を作っているという取材チームは、総勢8 9名の大所帯で取材をしていました。今回、海外メディアとしてはフランスのメディアが多かったように筆者(加藤久美子:自動車ライター)は感じました。
「私たちはフランスで自動車技術を専門とする雑誌を作っています。世界の主要なモーターショーには行っています。『東京モーターショー』はフランクフルトやジュネーブ、パリに比べると規模はそれほど大きくないですが、大きな自動車メーカーから、小さな部品メーカーまで新技術が素晴らしかった! フランクフルトと比べると各ブースともに、コンセプトカーが多いですね。市販車にも興味があるので、市販車をもっと見たいですね」
「自動車メーカーのブースでは、マツダが良かった。マツダはフランスでも、ヨーロッパ全体でもとても人気があります。デザインとそのコンセプトが素晴らしい。自由で優雅で美しいですね」
「あとは私たちのメンバーのなかではトヨタ『センチュリー』の評判が良かったですよ。私個人的には、日本車はコンパクト、安い、使いやすいという印象で、ホンダ車が好きです。ホンダ車は乗りやすく、使い勝手がいいですね。コンパクトなのにトランクも広いし。あとは、日本独自の軽自動車がとてもユニークで興味深いですね」
ロシア最大手の自動車メディア編集長は…?
ロシア最大手の自動車メディア drom.ruの編集長、ミハイル・シュチェティニンさんにお話をうかがいました。フランクフルトや上海、北京など世界のモーターショーには何度も足を運んでいるそうです。
「印象に残ったブースはマツダが一番かな。2台のコンセプトカーも素晴らしいけど、市販車の『CX-5』などもすばらしいね。あとはホンダ車のブースも良かった。ワールドプレミアとなった『ホンダスポーツEVコンセプト』は魅力的な車だね。ホンダは3台ともEVだったね。これからのEVの可能性が伝わってくる良い展示だった」
「日本車はみんな好き。私は極東ロシアに住んでいるから、日本から入って来るいろんな中古の日本車がとても面白い。ロシアでも日本の中古車は大人気だよ」
アメリカ・デトロイト発の自動車専門サイトは…?
クルマの聖地(?)アメリカ・デトロイトで数々の自動車メディアを展開しているautoguide、そのデトロイト支局長クレイグ・コールさんにお話をうかがいました。
「ブースとしてはマツダが良かったね。『マツダビジョンクーペ』、そして『KAIコンセプト』の2台はとても美しく、感動した。ブース全体の造りも良かった。マツダは見せ方が上手ですね。マツダの人気は、僕たちだけじゃなく海外のメディアの多くがそう感じていたと思うよ。あとは、ダイハツが興味深かったねえ。ダイハツというブランドはアメリカにはないから。日本でしか見られないブランドだから」
「トヨタ『センチュリー』が凄かったね、レトロなスタイルの第3世代トヨタ『センチュリー』は堂々とした4ドアセダンで、日本のロールスロイスのような車。大きくてくつろぎのあるインテリア、長い間培われてきたたくさんの素晴らしい遺産を引き継いでいる。国家の皇帝さえも、この車のバリエーションで巡ってくる」
「『東京モーターショー』はコンセプトカーが多いショーですね。逆に言えば、普通に販売されている車の展示が少ない。だから、私たちは市販車が観たいときには、ディーラーに出掛けて行きますよ」
台湾の自動車メディアは…?
台湾の自動車専門ネットメディア「CAR EXPERT 汽車専家」、その記者である林大維さんと許婉菁さんにお話を聞きました。林さんは1991(平成3)年から毎回、「東京モーターショー」を取材しているそうです。
「規模としては上海や北京の方が大きいですが、『東京モーターショー』は毎回、世界最先端のテクノロジーやアイデア、デザインで楽しませてくれますね。日本の技術はやはり素晴らしいと思います。日本車のブランドで一番良かったのはLEXUSですね。『LEXUS LC』は素晴らしい車です。それからブースの雰囲気が素晴らしい。世界に誇る高級車というイメージです」
「トヨタ『センチュリー』も重厚感がすごい。レクサスとはまた違った高級感を感じました。ダイハツのブースもユニークな車が揃っていましたね。ダイハツはあまり海外のオートショーでは見ることがないので新鮮なんですよ」
※ ※ ※
外国人プレスの皆さんから一番評価が高いのはマツダブースでした。マツダは海外での人気が非常に高いブランドですから、認知度も高いのでしょう。そして、皆さんが口を揃えて話していたのは、「東京モーターショーはコンセプトカーが多くて市販車が少ない。市販車をもっと見たい」ということでした。
確かに私たち日本人にとって、市販の日本車は当たり前の存在ですが、実際、「クラウン」など日本国内専売のクルマも多いので、海外の方はこのような機会に日本の市販車を見たいと思うのかもしれませんね。なかにはわざわざ市販車を見るために、周辺の自動車ディーラーへ足を運ぶと言っていたメディアの方もいました。
ともあれ、皆さん『東京モーターショー』を楽しんでくれていた様子で、日本のプレスとしては嬉しかったです。インタビューを受けていただいた皆さんの記事が、すでに各サイトで公開されています。興味のある方は是非ご覧くださいね。
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