日本国内で作るがゆえの美しい仕上がり
「走る歓び」と「環境、安全性」を高いレベルで両立し、マツダのクルマ作りの根幹技術である「SKYACTIV TECHNOLOGY」。エンジン、ミッション、ボディ、シャシーから構成され、個々の技術を統合することでマツダの目指す「人馬一体」の理想の走りを実現するものだ。
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その最高峰といえるのが現行のマツダ・ロードスター(ND型)。骨格となるスカイアクティブシャシーは軽量化と剛性を実現したフロント:ダブルウイッシュボーン、リヤ:マルチリンクの複雑なサスペンション構成。歴代スポーツモデルに採用され、トランスミッションとデフケースを結合して、エンジンのトルクを無駄なく駆動輪に伝える独自の「パワー・プラント・フレーム」などマツダの最新技術がギュッと凝縮されている。シャシー単体として見ても非常に美しさを感じるものだ。
「マツダSKYACTIV技術の極みであるND型ロードスターのシャシーをモデル化したい。中身の素晴らしさを世に知らしめたい」。マツダ車のミニカー、キーホルダーなどプレミアムグッズを手掛ける『マツダエース』の熱き想いから誕生したのが「1/12スケールモデル ロードスター スカイアクティブシャシー」だ。また、こうしたスケールモデルは中国で製造することが多いのだが、この商品はすべて日本で製作されるのも驚くべき点。メイドイン・ジャパンならでは忠実な再現性、各部の仕上がりの美しさもこのスケールモデルの魅力のひとつだ(写真はウレタン樹脂成型による最終プロトタイプ)。
熱狂的なロードスターオーナーであれば、昨年6月に軽井沢で行われたロードスターミーティングや12月の「マツダファンフェスタ」、そして今年の東京モーターショーのマツダブースで部品、最終プロトモデルなどが先行公開されていたのですでにご存知の方も多いはずだ。
金属による成形で重厚感のある仕上がり
1/12スケールモデルの企画がスタートしたのは2014(平成26)年で、本格的に動き出したのは2015(平成27)年8月。商品化に向けて試行錯誤、熟成を繰り返し、正式に予約開始となったのは今年の8月。完成までじつに約3年の月日をかけたマツダエースこだわりの逸品だ。設計は実車の設計データを用いて、3Dプリンターで出力(キャスト)。それをベース型として各パーツを成型。それを組み立てることで完成する。
素材はエンジンブロックと触媒以降の排気系パーツはウレタン樹脂となるが、主はダイキャストカーとよばれるスケールモデルカーの製作に使用されるホワイトメタルと呼ばれる合金を使用している。開発当初はすべてウレタン樹脂で製作する予定であったが、1/12スケールでは雰囲気を損なわない程度にデフォルメを施してもサスペンションまわりの剛性が足りず、組み合わせるとエンジン、シャシー、タイヤの重量を支えることができずに撓んだり、反ったりしまったという。
「剛性の足りない場合はビスを使って各パーツを固定することでしっかりさせることができますが、1/12スケールの場合は各部のパーツがあまりにも小さいため、樹脂ではビス取り付け用の穴を空けようとすると部品が割れてしまう可能性がありました。また、樹脂の場合は一度曲がってしまうと元に戻すのが容易ではありませんが、ホワイトメタルは金属にしては柔らかく、修正が可能でした。この両方の側面から主要部品は金属素材を使うことに決定しました」とは開発者の弁。
実際にカバーされているので見ることはできないが、サスペンションの取り付け部、ホイールの取り付けナットホールには1.4mmのビスが使用され、各パーツを固定し、サスペンションまわりの剛性を高めている。これによって重量増、コスト増となったがメリットもあった。ホワイトメタルを使ったことで金属風の塗装をする必要がなく、もともとの地金を磨き出し、クリアを吹くだけで本物が持つ質感を出すことができた。もちろん、手に取ったときの重量感も樹脂素材では再現できないものだ。
「今回、一番大変だったのは実車の設計データを模型用に落とし込む作業です。エンジンブロックを例に挙げれば、実車のデータにはシリンダーやウォーターラインの穴なども落とし込まれていますが、模型はそのような再現は必要ありません。3Dプリンターはデータを忠実に出力しますから、1/12スケールに落とし込むと簡単に割れてしまうこともありました。まずは実車データで出力し、部品を検証。そして、マツダエースさんで出力したときに潰れないように実車のデータを手直しする。
データがリアルすぎるが故に、そのやり取りに相当時間がかかりました」とは開発パートナーである鳥取県米子市の「日下エンジニアリング」。今回、初のシャシーモデルの製作であったというが、これまで1/6スケールのエンジンモデルを多数製作してきた技術とノウハウをフル活用。それでも、3Dプリンターで商品化するための型を作る前の基礎データ作りに苦労したという。
実物を見れば5万円がバーゲンプライスに感じられる
マツダエースと日下エンジニアリングが汗を流し、時間作り上げたシャシーモデルはまさに匠の領域。最終的にはロードスター開発者による監修も行われてからリリースされているので、まさにお墨付きの逸品といえるだろう。サイズは1/12のスケールだが、実物と変わらぬ各部の精巧な作り込みはロードスターオーナー、ファンならば誰もが納得、思わずニッコリ。何時間眺めていても飽きがこない。商品の完成度の高さを目にすれば5万円の価格はバーゲンプライスであることが理解できるはずだ。
販売数は限定300台。サイズは本体のみが305mm×143mm×65mm。カーボン調の台座に専用のシリアルプレート(1/12スケールにしたときのロードスターのオーバーハングの長さになっている)が取り付けられ、透明のアクリルケースが被せられて納品される(ケースの大きさは380mm×220mm×136mm)。ただし、1機1機完全ハンドメイド生産のため納期に時間がかかるため、100台ずつ3回(10月、11月、12月)に分けて生産。ちなみに第1回目の生産分は残りわずかとなっている(9月5日現在)。
購入方法はマツダエースの公式サイトにアクセスし、専用の申し込み書に記入の上、所定の手続きを行うことで予約となる。お宝アイテムとなることは間違いなし。オーナー、ファンは早めに手を打つほうがいい。
マツダエースは今後もこのようなマニアックなスケールモデルを生産していく予定。今後の展開にも期待したい。
また、開発パートナーである日下エンジニアリングは事前申し込みで製作工房の見学も可能。3D測定器による実物の計測や3Dプリンターによる出力の現場はNGだが、今回のロードスターのシャシーモデルだけでなく、既存の1/6エンジンスケールモデルなどの製作、組み立ての現場を間近で見ることもできる。
運がよければ自身が注文したスケールモデルの作業現場に立ち会えるかも……。メイドイン・ジャパンの匠の技に触れられる。詳細は日下エンジニアリング公式サイトから問い合わせを!
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