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【開発陣に直撃】新型ダイハツ・ミライースは「全速度域で乗り心地と操安性アップ」を狙ってシャーシを開発

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【開発陣に直撃】新型ダイハツ・ミライースは「全速度域で乗り心地と操安性アップ」を狙ってシャーシを開発

先代比80kgの軽量化は燃費でなく走りの質感向上に充てた

ダイハツの乗用車ラインアップにおいてもっともベーシックな5ドアハッチバック軽「ミライース」。5月9日に発売された2代目となる新型は、従来からの「低燃費・低価格・省資源」だけが魅力のクルマではない。予防安全技術「スマートアシスト3」に代表される安全性能、そして「走り」こそが、最大のセールスポイントだ。

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80kgもの軽量化に加え、空気抵抗やパワートレインのフリクション低減も、重箱の隅をつつくようにして行われているが、カタログ燃費(=JC08モード燃費)は先代とまったく変わらず35.2km/L。本来もっと燃費が良くなるはずの伸びしろは、すべて「走り」の質感アップに充てられていると言っても過言ではない。

そんな新型ミライースの「走り」、とくにハンドリングと乗り心地の進化について、シャーシの設計を担当した、ダイハツ工業 車両開発本部 車両開発部 シャシ設計室 副主任の徳留宏幸(とくどめひろゆき)さんに直撃インタビューした!

まず、新型ミライースのシャーシ開発における狙いについて聞くと、「速度域を問わず、乗り心地と操縦安定性の両方を上げることです」と、極めて明快な答えが返ってきた。

そして新型では、先代と同じサイズの14インチタイヤ(155/65R14 75S)が上級グレードの「X“SA3”」と「G“SA3”」に、廉価グレードの「B」、「B“SA3”」、「L」、「L“SA3”」には13インチタイヤ(155/70R13 75S)が装着されており、それぞれ足まわりのセッティングも異なっている。

「14インチ仕様のフロントダンパーは、13インチ用のシリンダーサイズが直径25mmなのに対し30mmへ拡大されています。さらに、超飽和バルブと専用のベースバルブを組み合わせた構造を採用しました」と、徳留さん。

この「超飽和バルブ」と「専用のベースバルブ」について詳細を聞くと、

「まずベースバルブは、入力速度が遅い領域からピストンがすぐ動くようバルブの設計を変更することで、低い速度で細かな凹凸や荒れた路面を走った時の操縦安定性と乗り心地を良くしました。逆に入力速度が速い領域では、超飽和バルブを使うことで減衰特性を飽和させる、つまり、ある一定以上になるとそれ以上減衰力が上がり過ぎないよう、バルブの開き具合が入力速度によって変わる構造にしました。これのおかげで、中・高速域の安定性が上がり、より安心して走れるようになりました」と、その効果を説明してくれた。

ただし、実際のバルブがどのようになっているかは、「一番のキモの部分なので、企業秘密です……」とのこと。さらに、ロア側リヤスプリング取付ブッシュも、14インチ仕様は受圧面積を拡大した専用品に変更されている。

「13インチ仕様も14インチ仕様も走りのレベルは全体的に上がっていますが、14インチ仕様はコストをかけてより良い部品を採用していますので、とくに進化しています」

一方、13インチ仕様は、先代には設定されていなかっただけに、より一層コスト削減が図られたものと思われがちだが、必ずしもそうとは言い切れない。13インチタイヤと、ホイールキャップが付かない「B」および「B“SA3”」のスチールホイールとの組み合わせはダイハツが「国内最軽量」を誇る新規開発品。

徳留さんによるとこれを新たに採用できたのは、「まさに80kg軽量化されたおかげで、サスペンションへの荷重や路面からの入力も減るため、必ずしも14インチが必要ではなくなったからです」。しかも、タイヤとホイールを13インチにしたおかげで「バネ下重量も軽くなり、乗り心地と操縦安定性が良くなりました」ということだ。

さらに全車で、EPS(電動パワーステアリング)のモーターを小型化。ステアリングギヤのフリクションを低減しつつEPSの制御も見直すことで、ステアフィールを改善しているが、これも「軽量化のおかげ」だという。

なお、タイヤの指定空気圧やホイールアライメントは、従来どおり省燃費性能を重視したセッティングであり、「ここで燃費の伸びしろを相殺する代わりに、走りの質感を高めたというわけではありません」とのことだった。

「ミライースのようにベーシックな軽自動車でも、思いどおりに安心して運転できなければ走りにくいですから、お客さんに満足してもらえません。そこを先代ではよく指摘されていましたので、重点的に開発しました」と、徳留さん。新型ミライースの仕上がりに自信アリ! であることは間違いなさそうだ。

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