人気車もあったが販売面で苦戦したブランドが多い
2016年1月に突如報道されたフォードの日本撤退は、フォードユーザーのみならず自動車ユーザーに大きな衝撃を与えた。
【今さら聞けない】マツダのロータリー搭載車はなぜ消えたのか?
日本市場とフォードの歴史は驚くほど古く、日露戦争終結後の1905年に日本への輸出が開始され、1925年には日本フォードが設立。T型フォードのノックダウン生産が横浜で行われていたのだ。
それほど日本との縁が深いフォードすら撤退してしまう日本市場。過去にも多くの海外ブランドがやってきては撤退していった。今回はそんな悲運の海外ブランドの一部を紹介したい。
(1)オペル(ドイツ)
ドイツ車らしいマジメなクルマが評価されていたオペル。1989年からは当時同じGMグループだったいすゞ自動車が輸入販売を実施するなど徐々に知名度を上げており、1993年にはヤナセが正規ディーラーとなった。1995年に日本販売を開始したヴィータ(現地名:コルサ)が150万円台~と低価格であり、さらにドラマ「ビューティフルライフ」で常盤貴子の愛車として使われたことで爆発的な人気を獲得。1996年度の販売台数(オペル全体)が4万台に迫るほどの数字を記録した。しかし、それに続くヒット作に恵まれず2006年に撤退が発表された。
(2)ランチア(イタリア)
ストラトスやデルタなど、ラリーのイメージが強いランチア。日本での正規販売は80年代にはガレーヂ伊太利屋が、1988年から1998年まではマツダのチャンネルのひとつであるオートザムが、デルタやテーマ、デドラ、プリズマを販売していた。ラリーイメージの強いデルタ・インテグラーレはある程度の人気を集めていたが、軽自動車やコンパクトカーが主力のオートザム店で500万円クラスの車両が飛ぶように売れるはずもなく、1998年までに正規輸入販売権を返上することとなってしまった。
お隣の国のブランドも現在は商用車のみに
(3)ローバー(イギリス)
現在はブランドごと消滅してしまったが(商標権はインドのタタ・モーターズが保有)、ローバー・ミニやランドローバー/レンジローバーで一時代を築いたローバーブランド。日本では1977年にオースチンローバージャパンが正規輸入代理店として設立(1989年にローバージャパンに改名)されたが、BMWのローバー買収に伴い2000年にランドローバー以外のローバー車の正規販売が終了となった。奇しくもオリジナルミニの終焉と同時期の出来事だった。なお、ローバー車は2000年に「MGローバー」が新たに設立され、日本でも「MGローバー・ニッポン」が設立されたが、2005年のMGローバー破綻と共に消滅している。
(4)ヒュンダイ(韓国)
韓国最大の自動車メーカーであるヒュンダイは、日本の三菱自動車と強固な協力関係を古くからもっており、1988年のソウルオリンピックが開催された時には開催記念としてヒュンダイ・エクセル(日本販売名ヒュンダイ・XL)を150台限定で三菱カープラザ店で販売するなどしていた。正規輸入は2001年にヒュンダイモータージャパンを設立し、当時「冬のソナタ」で人気を集めていたペ・ヨンジュンをCMキャラクターに据えるなどしてアピールしたものの、販売面では苦戦。2010年に乗用車部門からの撤退を余儀なくされ、現在は観光バスのユニバースのみの販売となっている。
ただ、輸入車としては初めてLPG(液化天然ガス)仕様を正規販売するなど、日本市場に迎合するスタンスは一定の評価を受けていた。
(文:小鮒康一)
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