8月23日、スーパーGT GT300クラスに参戦するMax Racingは、田中哲也監督の名でプレスリリースを発行し、シリーズ途中ながらスーパーGTから撤退することを発表した。8月6日に行われたスーパーGT第4戦富士の決勝レース中の火災からの復帰が期待されていたが、突然の撤退となってしまった。
Max Racingはスーパー耐久で戦った後、2020年からスーパーGT GT300クラスに参戦を開始。初年度はたかのこの湯 RC F GT3を久保凜太郎/三宅淳詞のコンビで走らせ、第6戦鈴鹿でのクラッシュ等を乗り越え第7戦もてぎではフロントロウを獲得するなど、初年度から存在感をみせた。
「何もなくなってしまった。でもまた作りたい」火災に土屋武士監督が沈痛/スーパーGT第4戦富士決勝
2021年からは、車両をGRスープラにスイッチ。三宅と堤優威のコンビで参戦し、2021年第3戦鈴鹿で優勝を遂げランキング5位に食い込むなど躍進をみせたが、佐藤公哉/三宅のコンビでチャンピオン獲得を目指した2022年のシーズン開幕前に、大野剛嗣チーム代表が急逝。チームは第1戦岡山を欠場したほか、この年は度重なるクラッシュ等もあり悔しいシーズンとなっていた。
迎えた2023年は、第1戦岡山で表彰台を獲得するなど好調なすべり出しをみせていたが、第4戦富士の決勝レースでは車両火災が発生。第5戦鈴鹿の欠場はすでにエントリーリスト上で明らかにされていたが、車両修復と復帰に期待がかかるなか、チームから撤退という残念な報せが届いてしまうことになった。
23日に田中哲也監督の名で出されたプレスリリースには、「大変急なことではありますが、この度、Max RacingはスーパーGTシリーズから撤退することとなりました。関係者の皆さま、そして応援くださる皆さまに残念なお知らせとなってしまうこと、深くお詫び申し上げますとともに、何卒ご理解下さいますよう心からお願い申し上げます」と記された。
「昨年、大野剛嗣チーム代表の急逝を受け、その遺志を紡いでいく想いとともに、応援くださる皆さまの力強い応援と支えがあったからこそ、私たちは前進することができました。しかし昨シーズンからの度重なるクラッシュ、そして前戦富士大会での車両火災があり、その際に破損したパーツの一部が今季中には手に入らない事態となりました」
「この状況を鑑み、熟慮の末、誠に残念ではありますが、スーパーGTシリーズからの撤退を決断いたしました」
スーパー耐久参戦時から愛媛の魅力を伝え、活気あるチームの雰囲気と速さで多くのファンから愛されたMax Racing。撤退決定はスーパーGTのシリーズ全体としても非常に残念なところだ。田中監督は「我々チームとしての活動はここで幕を引くこととなりますが、これまで皆さまから頂いたご厚情に対し、あらためて深く感謝申し上げます。そして、今後もスーパーGTシリーズが安全で素晴らしいレースとして開催されることをお祈りしております」と結んだ。
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マシンも焼失
新しいクルマ用意するだけで数千万から億かかる
撤退止むなし