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知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編

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知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編

ランボルギーニ

星座にインスピレーションを受けた人物の1人に、牡牛座のフェルッチオ・ランボルギーニ氏がいる。1962年にスペインのセビリアで闘牛ミウラを飼育する有名な牧場を訪れたことをきっかけに、エンブレムへの採用を決めた。また、牡牛はランボルギーニの力強さを象徴しているとも言われている。

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2024年にエンブレムが更新され、今後はすべての新型車に新しいデザインが採用されることになっている。明るい金色の装飾が控えめなブロンズに変更され、ランボルギーニの名称は「ブランドの明確なアイデンティティを象徴する」ように幅が広い書体で書かれる。

ランドローバー

1986年から現在の形となっている同社のエンブレムについては公式な説明はないが、緑色は自然と、都市から離れた大自然の中を移動するランドローバーの能力を表現しているのではないかと推測されている。さらに、左右の2つの単語をつなぐ線は、同社のスローガン「Above and Beyond(さらなる高みへ)」を抽象的に表現したものと考えられている。

ロータス

ロータス(Lotus)という名称に込められた意味は公式には明らかにされていないが、一般には、創設者であるコリン・チャップマン氏が蓮の花(英:Lotus)に造詣が深く、仏教哲学における蓮の花が涅槃(極楽浄土)の象徴であることに由来すると考えられている。

エンブレムの黄色は明るい未来を象徴し、中央の菱形はブリティッシュ・レーシング・グリーンで、ロータスのレースの起源を表している。上部の絡み合った文字は、アンソニー・コリン・ブルース・チャップマン(Anthony Colin Bruce Chapman)のイニシャルである。

2019年、エンブレムは2色のみ、すなわち同社の伝統のブリティッシュ・レーシング・グリーンと黄色に簡素化され、書体もシンプルなものとなった。

マセラティ

シンボルのトライデントは、ボローニャの中央広場であるマッジョーレ広場にある、ローマ神ネプチューンの像が持つトライデント(三叉槍)から取られた。マセラティの故郷を表すだけでなく、ネプチューンの強さや、地震、嵐、馬の神としての性質も表している。

マツダ

マツダ(Mazda)という名称は、初期のアジア文化で隆盛を誇ったゾロアスター教の創造神アフラ・マズダー(Ahura Mazda)に由来する。マズダーは「知恵」と翻訳されている。偶然にも、これは同社の創業者である松田重次郎の英語表記と同じであった。

マツダは時代とともに何度かエンブレムのデザインを変更しており、現在のような形となったのは1996年のこと。楕円形の中にスタイライズされた「M」が描かれており、楕円形は太陽を、「M」は会社を表している。また、翼を広げたようにも見えるが、これはマツダの表現の自由を象徴しているとされている。

マクラーレン

マクラーレン・レーシングチームの初期のエンブレムは、キウイ鳥に焦点を当てたもので、創設者ブルース・マクラーレン氏の故郷であるニュージーランドを表していた。1980年代には新しいデザインが与えられ、主要スポンサーであるマールボロのシェブロン(山形のマーク)が組み込まれた。

1997年には、このシェブロンが形を変え、単一で描かれるようになった。その後、現在の「スウォッシュ」に変更されたが、マクラーレンは、これはマールボロとは関係なく、「捕食動物や昆虫に見られる攻撃的な模様を想起させる」ものだと述べている。

2021年には、シェブロンカラーがパパイヤ色に変更され、フォントスタイルもスリムなものとなり、レースでの強さを象徴するようになった。

メルセデス・ベンツ

メルセデス(Mercedes)という名称はダイムラーのパートナー、エミール・イェリネック氏の娘の名前に由来する。ベンツ(Benz)は、世界初の自動車を作ったカール・ベンツ氏に由来する。1926年に2社が合併し、メルセデス・ベンツが誕生した。

エンブレムは、1870年代にゴットリープ・ダイムラー氏が妻に送った絵葉書に由来する。その絵葉書には、自分が住んでいる場所を三つ星で印し、「いつの日かこの星が、我々の勝利の工場の上に輝くだろう」と書かれていた。これが初めてクルマに使用されたのは1910年のことで、星の3つの突起は陸・海・空を表すようになった。

MG

MGは、1924年に英国オックスフォードでウィリアム・R・モーリス氏の自動車事業の一部として始まったモーリス・ガレージ(Morris Garages)の略である。八角形のエンブレムは、通常のモーリスモデルとMGモデルを区別するためのもので、一部のクルマには八角形のメーターダイヤルも採用された。

2021年には、新しい親会社の下でのビジョンを表現するために、よりミニマルなデザインに刷新された。

三菱

三菱は、エンブレムが社名を表すのではなく、社名がエンブレムを表しているという珍しいメーカーである。3つの菱形(ダイヤモンド)を組み合わせていることから、三菱と呼ばれるようになった。このスリーダイヤのデザインは、創業者である岩崎彌太郎によって選ばれた。彼が仕えた土佐藩の三つ葉の紋章と、岩崎家の家紋である3つの菱形を重ねたものを想起させる。

モーガン

翼のついたエンブレムの由来は不明だが、よく知られている話としては、第一次世界大戦の戦闘機パイロット、アルバート・ボール大尉にインスパイアされたというものがある。初代の三輪車エアロのオーナーであった彼は、その運転の爽快感を、空を飛ぶことに最も近いものだと表現した。

日産

日産という名称は、日本産業の略称である。初期のエンブレムは赤い円に青い長方形を重ね、そこに社名をアルファベットで記すというものであった。これは日の丸を想起させるデザインである。1990年代には、現代性を表すクローム仕上げとなった。

2020年、カルロス・ゴーン氏のスキャンダルと電動化戦略の刷新を受けて、エンブレムが改訂された。それでも、歴史と伝統を尊重し、「太陽」を表す円と、その太陽を貫くほどの強い「信念」を表す横棒のデザインは変わっていない。日産によると、これは「至誠天日を貫く」という同社の理念を象徴するものだという。

オペル

オペルのエンブレムは、第二次世界大戦後のドイツ復興を支えたブリッツ(Blitz、「稲妻」の意)というトラックへのオマージュである。このエンブレムには、ドイツ語の車名の末尾「Z」と、稲妻の形が組み込まれている。

2023年にはエンブレムが変更され、EV化に重点を置くことを示す新しい「稲妻」のZデザインが採用された。

プジョー

プジョーのエンブレムは、後ろ足で立つライオンの姿が長らく親しまれてきた。プジョーが自動車事業に参入するはるか前の1847年にはすでに登場しており、当時は製品の高い品質を象徴するものであった。1923年以降、クルマにはライオンの頭をかたどったボンネット装飾が施されるようになる。1948年、新型203の導入に伴い、馴染みのあるライオンのエンブレムが採用された。これは、創業者の孫アルマン・プジョー氏が生まれたフランスのフランシュ=コンテ地方の紋章を受け継いだものである。デザインは徐々に変化し、より角ばったものになっていった。

2021年には、より高級路線へのシフトを表すものとして、同社の歴史にインスパイアされたレトロなデザインにリニューアルされた。

ポンティアック

1926年にGMが発表したポンティアックの初期のエンブレムは、ネイティブアメリカンの頭飾りをデザインしたものだった。ポンティアックという名称は、かつてデトロイト周辺で英国軍と戦ったオダワ族の指導者の名前に由来する。しかし、若い世代にアピールしようと、GMは1957年に新しいエンブレムを導入した。これも同じくネイティブアメリカンの伝統の象徴である赤い矢じりを表している。

ポンティアックブランドは2010年に廃止された。

ポルシェ

ポルシェのエンブレムは、ブランドの故郷と密接に結びついている。中心には「Stuttgart(シュトゥットガルト)」と書かれ、その下に馬が描かれている。これを囲む4分割の紋章は、1918年のドイツ君主制崩壊後に誕生したヴュルテンベルク自由人民州の紋章から取られたもので、シュトゥットガルトはその州都である。

左上と右下の3本の黒い角の由来は少なくとも10世紀まで遡り、シュヴァーベン地方の広域を意味している。一方、赤と黒のストライプはヴュルテンベルク公爵家のものだ。2023年、同社の75周年を記念してデザインが改められ、色調の変更が加えられた。これは「ブランドの歴史と未来を繋ぐ」ことを意図したものだ。

ラム

ラムは比較的新しいブランドであり、2010年にダッジから独立して誕生したばかりである。長い間、雄羊のシンボルはダッジが使用していたが、その力強さはピックアップトラックを専門とするブランドにぴったりだとしてラムに譲ることになった。すでに述べたように、ダッジはラムにシンボルを取られてしまった際、まったく新しいエンブレムを作らざるを得なかった。

ルノー

ルノーのエンブレムはもともと円形だったが、1923年に有名なダイヤ型に変更された。おそらく、クルマのフロントグリルにフィットするためであろう。1972年にはブランド名が削除され、ラインが太くなり、より目立つようになった。

2024年、EV化を象徴するものとしてレトロな2Dデザインに更新された。

ロールス・ロイス

ロールス・ロイスのエンブレムは当初、「R」が重なり合うだけのデザインだけだった。しかし、顧客はもっと目立つものを求めており、その1人であるモンタギュー卿は友人の彫刻家チャールズ・ロビンソン・サイクスにそのような装飾品のデザインを依頼した。モンタギュー卿は秘書兼愛人のエレノア・ソートンをモデルに選んだ。こうして生まれた初期の「スピリット・オブ・エクスタシー」は、彼女が唇に指を当て、ローブをはためかせている姿を描いている。

2020年には、若い世代の顧客を惹きつけ、高級ブランドとしてのイメージをより効果的に発信するために、エンブレムとスピリット・オブ・エクスタシーが新しいデザインに変更された。

ローバー

ローバー(Rover)には「船乗り」という意味もあり、その中でも特に有名なのがバイキングである。そのため初期のローバーのエンブレムには、兜をかぶったバイキングの立像が描かれていたが、やがて頭部のみに簡略化された。1929年には、バイキングのロングシップの正面図をあしらったデザインに変更された。

サーブ

グリペン(グリフィン)のエンブレムは、それまでの飛行機を描いたデザインに代わって1984年に初めて登場した。これは、スカニアとサーブの本拠地であるスコーネ地方とイェートランド地方の紋章から取られたものである。神話上の生き物であるグリペンは、用心深さを表していると言われている。

スコダ

スコダのエンブレムには、1923年以来、3枚の羽根のついた矢が描かれている。矢は動きを、羽根は自由を、そして羽根の「目」は精密さを表している。現在では緑色がスコダのイメージカラーとして知られているが、それは1990年以降のことである。

2022年には、2種類の緑色(エメラルドグリーンとエレクトリックグリーン)に変更された。スコダによると、この色はエコロジー、持続可能性、電動モビリティを表しているという。

スマート

シルバーの「C」はコンパクト(英:compact)なサイズを表し、黄色の矢印は進歩を表している。2021年には、ロゴはフラットデザインに変更され、ブランドのモダンさと柔軟性を伝えるようになった。

スパイカー

1999年に設立されたスパイカーは、第一次世界大戦中にオランダ空軍向けに複葉練習機を少数製造していた元のスパイカー社(1880~1926年)の事業を継承した会社である。エンブレムには飛行機のエンジンとプロペラが描かれている。その下には「Nulla tenaci invia est via」と書かれており、これはラテン語で「粘り強い者に通れない道はない」という意味である。

2010年にサーブを買収した後、スパイカーは銀行家ウラジーミル・アントノフ氏に売却され、2021年に(初めてではないが)倒産した。

サンヨン

サンヨンは韓国語で「双龍」、すなわち2頭のドラゴンを意味し、エンブレムはこれを様式化したものである。

スバル

スバルは、多面的に事業展開する富士重工業(FHI)の自動車部門として始まった。スバル(昴)は純粋な日本語であり、プレアデス星団(六連星、むつらぼし)の名称である。当初は、この星団を模したエンブレムが使用されていたが、やがて富士重工業が5社の資本出資で設立されたことを表すデザインに変更された。左側の大きな星が富士重工業、その周りを囲む5つの小さな星が資本出資した会社である。

テスラ

この名称は、交流(AC)システムの設計者であるニコラ・テスラにちなんで名付けられた。テスラ初の量産モデルであるロードスターには、彼のオリジナル設計から派生した電気モーターが搭載されている。エンブレムの「T」は、電気モーターの断面を表しており、直立した部分はローターポール、その上部の曲線はステーターの一部を象徴している。

トヨタ

内側の楕円は、顧客の心と企業の心を象徴し、重なり合うことで相互に有益な関係と信頼を表すとともに、トヨタの「T」の形を形成している。外側の楕円は、トヨタを取り巻く世界を表す。それぞれの楕円は異なる太さの線で描かれており、日本の書道芸術と文化を象徴している。背景のスペースは、すなわち品質、価値、運転の喜び、革新、安全、環境、社会的責任における誠実さなどを表現している。

2020年には、革新を示すためにシンプルでフラットなデザインに変更された。

ヴォグゾール

ヴォグゾール(Vauxhall)は、同社が設立されたロンドンの地区名に由来する。もともとは「Fulk’s Hall」の訛りであり、13世紀に傭兵として活躍したファルケス・ド・ブルーテ(Falkes de Breaute)という人物が結婚により同地区の権利を得て建てた邸宅の名である。同氏の家紋にはグリフィンが描かれており、これがヴォグゾールのエンブレムにも引き継がれ、さらに「V」と書かれた旗が握られている。

2020年には、よりシンプルで2D的な外観のエンブレムに変更された。

ボルボ

ボルボという名称はラテン語で「わたしは廻る」という意味がある。斜め右上に向かう矢印のついた円のエンブレムは、ローマ神話の戦争の神マルスを象徴するシンボルに由来する。神話内での武器は鉄でできていたため、このシンボルは鉄を表すようになった。ボルボの創業者は鉄鋼業界に携わっており、鉄には強度、安全性、耐久性といった特性がある。その特性をクルマにも反映させたいと考えたのだ。

2021年、新しいデザインに変更され、以前の横棒は削除された。

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