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最後の正統派?? スポーティセダン存続なるか?? マークX GRMNはトヨタの良心か

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最後の正統派?? スポーティセダン存続なるか?? マークX GRMNはトヨタの良心か

 2018年12月。メディア向けにスープラのプロトタイプ試乗会が袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われた。

 多くのメディアが胸を高鳴らせるスープラの試乗ゾーンのはるか後方にマークX GRMNが鎮座していた。

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 モデル末期と呼ばれてどれくらいが経つだろうか。マークXにまたGRMNが販売される。新型はどれだけ楽しくなっているのか?

 電子制御が顕著なスープラと比較してややアナログチックなマークX GRMNにホッとしたジャーナリストも多かったようだ。

文:鈴木直也/写真:奥隅圭之


ベストカー2019年2月26日号

■ここが変わって価格据え置きはビックリだ

(TEXT:ベストカー編集部)

 2015年に限定100台で発売し、あっという間に売り切れたマークX GRMNの2代目が登場。発売は3月11日だが、すでに注文受付が始まっており(9月30日まで)、今回は成約順350台の販売となる。

 GRMNはGAZOOレーシングが手がけるスポーツカーシリーズ「GR」の頂点に立つモデルで、走りに的を絞ったさまざまなスペシャルアイテムが用意されるモデル。

 この2代目マークX GRMNも本格スポーツセダンを名乗るにふさわしい仕上がりとなっている。

 エンジンは318ps/38.7kgmのV6、3.5L NAで、スペックはノーマルと変わらないが、制御コンピュータを変更するなど細かくチューニング。

 また、ノーマルには設定のない6速MT、ボディ補強、専用サスペンションの採用など、手の込んだ改良が施されている。

 具体的には以下のとおり。

●初代~スポット溶接打点を252カ所増(合計268カ所)、ボディ剛性を強化。


●専用6速MTのファイナルギア比をハイギアード化(先代4.083→2代目3.615)。


●微低速域から減衰力を発揮するスウィングバルブショックアブソーバーを採用。


●電動パワステのチューニングを新しいサスペンションに合わせて変更


●19インチBBS製鍛造アルミホイール、前後異サイズタイヤ(BSポテンザRE050)、ホワイト塗装でフロントにはGRロゴが入る専用ブレーキキャリパーなどを採用


●カーボン調加飾とピアノブラック塗装を組み合わせたインパネ、ウルトラスエード表皮の専用スポーツフロントシートを採用

 つまりは見た目の魅力と走りの実力を徹底的に強化したということ。特に先代に対しスポット増しを252カ所も追加した効果は絶大だろう。

 このこだわりの深さがGRMNなのだ。

 先代では標準装備としていたカーボンルーフ(10kgの軽量化となり、重心高が下がる)を27万円のオプションとしたことで、価格は先代の540万円から513万円に。

 つまり、ここまでやっても価格は据え置きということで、コストパフォーマンスも向上したといえそうだ。

 先代では100台だった限定台数を350台に増やしたのは自信の表われ。全国のGRガレージで販売される。

■いい塩梅にしなやかなハンドリングにハマる

(TEXT:鈴木直也)

 トヨタ本体ではやりたくてもできないクルマを作る! GRの存在意義はまさにそこにあるわけだけれど、新しいマークX GRMNに乗ってホントにそう思った。

 このクルマ、先代モデルにも試乗してすでにおなじみ。その時の記憶をたどると、大排気量FRらしい豪快なハンドリングが脳裏によみがえる。

 ただ、その時に感じたのは「メチャ楽しいけどちょっと大味」という印象。

 欧州プレミアムのFRスポーツと比べると、ボディの剛性感やリアサスの収まりに、今ひとつ物足りないところがあった。

 今回はその進化版の試乗というわけだが、取材日の袖ケ浦はあいにくの雨。けっこうヘビーなウェット路面で大排気量FRスポーツを操るのはちょっと緊張する。

 ところが、そんな事前の予想とは裏腹に、この318psのFRスポーツが意外なくらいに従順で乗りやすく進化していたのだ!

 この日は話題のスープラにも試乗して、俊敏だがピーキーなそのハンドリングを味わっていたこともあり、ホイールベースが長いマークXが実にコントローラブル、むしろ安心感がある。

 もちろんそれには理由があって、今度のマークX GRMNは前モデルにも増してモディファイが本格的。

 マイチェンで構造用接着剤を採用した新型モノコックに、さらに252カ所ものスポットの増し打ち、とどめに各部にブレースを追加するなどガッチガチにボディを固めているのだ。

 その一方、ダンパーにはKYB製のスウィングバルブ式を使うなど、セッティングはしなやか方向。

 結果、ウェットでもじんわりグリップするいい塩梅にしなやかなハンドリングが醸し出されていたというわけである。

 この、ビシッと強靭なボディに適度に固くしなやかな脚というコンセプトは、スポーツサルーン作りの王道ともいえるものだが、トヨタの量産車では残念ながらここまでの完成度の高いモデルはお目にかかれない。

 あるいは、さまざまな社内基準(コストや信頼性など)によって、このマークX GRMNのようなセッティングがムリなのかもしれないが、「やればできる!」というお手本を提示するだけでも、このクルマには存在意義がある。

 今回は価格513万円で350台の限定だが、19インチBBS、ポテンザRE050、アドヴィックス製4ポッドキャリパーなどの装備を考えると、そのプライスはむしろお買い得。

 このクルマで得たノウハウを、ぜひ新型クラウンあたりでも試してもらいたいものでございます。

【マークX GRMN 主要諸元】

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