■新興電動車メーカー「理想(Liオート)」、超奇抜な純電動ミニバン「MEGA」を公開 2024年発売へ
2015年に設立された中国の新興電動車メーカー「理想汽車(Liオート)」は2023年10月、同社初となるBEVのミニバン「MEGA」を先行公開しました。
斬新なデザインを採用するMEGAとは、いったいどのようなクルマなのでしょうか。
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理想汽車(以下、理想)は今までパワートレインはEREVのみ、そしてボディタイプもSUVのみを展開してきました。
そんな中、理想にとって初めてづくしの新モデル「MEGA」が正式発表に先駆けて公開されました。
MEGAは理想にとっての初となるミニバンだけでなく、初となるBEV(電気自動車)でもあります。
見た目は普遍的なミニバンと大きく異なり、空気抵抗を意識した流線型フォルムが特徴。
Aピラーからフロントへかけては急なラインを描く一方、Aピラーより後方はなだらかに流されており、サイドシルエットからは良い意味で異質な雰囲気を感じられます。
フロントマスクは既存の理想製SUVと同じく一文字のイルミネーションが上部に存在し、最下部にヘッドライトユニットが搭載されています。
テールライトも同様に一文字を描いており、理想が今まで体現してきた近未来的要素がさらに進化したと感じ取れます。
ボディサイズは明らかとなっていないものの、全長は5.3m超、そして全高は同社のSUV「L8(全高1800mm)」よりも高いと予想されています。
また、800V高電圧システムとバッテリー大手「CATL」開発の新世代「麒麟電池」を採用したことで、今までよりも格段に速い急速充電機能を実現したとしています。
急速充電の出力は500kWまで対応、理論上はわずか9分半で400km走行分、22分で600km走行分を充電できると強調します。
MEGAは2023年12月に正式発表を迎えるとしており、その際にボディサイズやバッテリー容量、装備などの詳しい情報も明かされるでしょう。
デリバリーは2024年2月より開始し、販売価格は50万元(邦貨換算:1023.3万円)を超えると見られます。
中国では大型ミニバン市場が勢いを増しており、各メーカーはこぞって新たなミニバンを投入しています。
今までのミニバン市場ではビュイックの中国専売ミニバン「GL8」や、トヨタ「アルファード」が絶大な人気を誇っていました。
それがここ2年ほどで勢力図が大きく変わり、今までミニバンを手がけてこなかったメーカーもBEVやPHEVのミニバンをもって台頭してきています。
理想もこの流れに遅れまいとミニバン車種の投入を決めた形となります。
MEGA最大の特徴はその急速充電性能とサイズにあると見られ、またその奇抜なエクステリアデザインに惹かれる消費者も少なくないでしょう。
MEGAの投入によって中国の大型ミニバン市場がどのように変化するか注目です。
■斬新なデザインを採用するMEGAだが…そもそも理想汽車ってどんなメーカー?
理想汽車は李想が2015年に設立した「車和家信息技術(CHJオートモーティブ)」に端を発します。
2019年に「理想汽車」、英名を「リーディングアイディール」と改称し、初の車種となるSUV「ONE」を発表しました。
「ONE」は発電用に1.2リッター直列3気筒ターボエンジンを搭載するEREV(レンジエクステンダー付きEV)です。
容量40.5kWhの三元系リチウムイオン電池と組み合わせることでNEDC値での純電動航続距離は180km、総合航続距離は800kmを誇る仕様となっています。
2020年にはNASDAQに上場を果たします。
2018年にニューヨーク証券取引所(NYSE)へ上場したNIOに続く2番目の中国新興EVメーカーとなり、同じく2020年にNYSEへ上場した「シャオペン(小鵬)」とともに「中国新興EV御三家」として知られるようになります。
その後、2022年にフルサイズSUV「L9」、そして「ONE」の後継モデル「L8」を投入し、ラインナップの拡充を図りました。
2023年にはより小型の「L7」を発売したことで、現在は3車種のSUVを取り揃える形となります。
理想のSUVは基本的にどれも同じ見た目をしており、「L9」「L8」「L7」間の最も大きな違いはそのボディサイズにあります。
L9は全長5218mm×全幅1998mm×全高1800mm、ホイールベース3105mm。
対してL8では全長5080mm×全幅1995mm×全高1800mm、ホイールベース3005mmと、L9よりも若干小さくなっています。
そして2023年10月時点の最新モデルとなるL7ではホイールベースと全幅をそのままに、全長を30mm、全高を50mm縮めた仕様です。
これにより、乗車定員はL9/L8では6人乗り、L7では5人乗りと設定されています。
どの車種も左右一体型の一文字イルミネーションを基調とする近未来的なフロントマスクを持つため、一瞬で見分けることが難しいデザインとなっています。
一方、リアはナンバープレートの搭載位置がL9とL8で異なっていたり、L7はよりスポーティーなシルエットを持っていたりと、フロントに比べて差別化が図られています。
また、「ONE」と同様に「L9」「L8」「L7」も発電用エンジンを搭載するEREVとなります。
エンジンは共通してL2E15M型1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載しており、完全に駆動系統とは切り離された発電専用ユニットとなります。
駆動用モーターも基本的に同一で、どのモデルも前130 kW・後200kwの最高出力330kW(442hp)を誇ります。
搭載バッテリーは「L9」と「L8/L7」で異なり、前者は42.6kWh、後者は40.9kWhのものを搭載。WLTC方式での総合航続距離と純電動航続距離も全モデル共通して1100km/168-170kmを誇ります。
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