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【2024年版】フィアット 500 VS フィアット パンダを徹底比較
イタリアのカーブランドであるフィアットが開発した「500」と「パンダ」は、国内でも人気があるコンパクトハッチバッグです。
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イタリア製特有のかわいらしいデザインと優秀なエコ性能が特徴で、女性を中心に高い評価を獲得しています。
しかし、500とパンダはどちらも同メーカー・同ジャンルの車種なので、どちらを選べばいいか迷う方も少なくありません。
今回は、車種・グレード選びで悩んでいる方に向けて、フィアットの500とパンダの性能を比較していきます。
フィアット 500のプロフィール
フィアットの500シリーズは、ツインエアエンジンを搭載したコンパクトハッチバッグです。
ハッチバッグとは、トランクルームと乗車席が一体化した車種のことです。国内で販売されている車種の多くもハッチバッグ型ですが、中でも500は、コンパクトでかわいらしいフォルムとスムーズな走り心地が魅力です。
近年のモデルには、通常の500とは別に「500C」「500E」など派生バリエーションが多数存在します。
500C(チンクエチェントシー)は、ソフトトップの開閉が可能なセミオープンモデル。上質なファブリックシートやクローム仕上げのフロント・リアバンパーなど、パーツごとで内外装のこだわりが垣間見えます。また、オプション装備でソフトトップをレッドカラーに変更可能です。
500E(チンクエチェントイー)は、500シリーズのEV(電気自動車)モデルです。500のデザインをそのままに、高出力の電動エンジンと各所に備え付けられた先進テクノロジーにより、快適かつ静粛な走り心地を体感できます。
ハイブリッド車と違って完全電動駆動なため、ガソリンが不要なのも魅力です。一回の充電で最大335km走る性能を持ち、長距離ドライブでも給油は挟む必要がありません。
また、内装には10.25インチタッチパネルモニターやフィアット特製のエコレザーシートを搭載。ストレスのない走り心地と上質なインテリアに優れたモデルといえるでしょう。
ただし、国内で流通するフィアットの車種は限定仕様車が多く、販売台数もグレードごとで数百台単位と希少です。モデルによっては販売が終了しているものもあるため、中古車を探したほうが入手難易度は低いといえるでしょう。
先代モデルとの比較
フィアット500シリーズの初代は、1936年発売の「500トッポリーノ」です。世界恐慌末期で経済的な冷え込みが続く当時、大衆向けの経済車として開発されたモデルが始まりといわれています。
コンパクトなボディと丸みのある姿から「小さなネズミ」を意味する「トッポリーノ」の名前で親しまれていました。
2代目500の登場は1957年。イタリア語で新型を意味する「ヌォーヴァ500」の名前で発売されました。
2代目のデザインは、現在まで続く500シリーズの原点として知られており、ずんぐりむっくりなかわいらしいボディが特徴です。
ヌォーヴァ500は後部にエンジンを搭載したリアエンジン・リアドライブ車で、小型ながらも大人が4人乗れる車として高い人気を獲得していました。2代目は発売から1975年まで生産が続くロングセラー商品で、総生産台数はおよそ367万台にのぼります。
現役モデルは、2008年発売の3代目がマイナーチェンジしたモデルと、2020年に発売したEV仕様の4代目です。
3代目500は、先代のヌォーヴァ500のデザインを受け継ぎ、現代に合わせてエンジン性能やインテリアを一新したモデルです。直列4気筒エンジンの通常モデルとは別に、直列2気筒ターボエンジンのツインエア搭載グレードも登場。高出力と優れた環境性能で、軽快な走りを見せてくれます。
4代目のEV車は、3代目と同様のデザイン性を受け継ぎながら、電動駆動や制御系を最新技術でカバーしたモデルです。コンパクトカーとは思えないパワフルさと静粛な走行性能が特徴で、スポーツカーさながらの走り心地を体感できます。
フィアット パンダのプロフィール
フィアットのパンダは、500シリーズと同様のコンパクトハッチバッグです。丸と四角を合わせたようなスクワークル形のボディが特徴で、デザイン性と実用性の両面に優れています。
全長が短く全高が高めの設計なため、位置づけとしてはタントやムーヴキャンバスのようなワゴン車に近い寸法です。
エンジンには現行車の中でも珍しい直列2気筒エンジン「ツインエア」を採用。実用性重視のエンジンスペックで、排気量1Lを下回るエンジンとは思えない軽快な走り心地と、坂道でもスムーズに走れるパワーを発揮してくれます。
内装やインテリアも実用性が重視されており、視認性の高いメーターや床下収納構造など、誰が乗っても扱いやすいユーティリティと、独創性の高い装備を持ちます。
フィアットのパンダは、おしゃれでかわいらしいデザインとは対照的に、高い実用性を兼ね備えた車種といえるでしょう。
先代モデルとの比較
初代パンダの誕生は1980年です。500シリーズのエンジン性能を受け継ぎつつも、基本設計からまったく異なるデザインとして開発されたブランニューモデル。
500のボディとは対照的にポリゴンチックな形状が特徴で、平面ガラスでおおわれた独創的なスタイルは、イタリアでも大きな話題を呼びました。
乗車席はフィット感重視のハンモックシートが採用されており、カジュアルなデザイン性も魅力の1つです。しかし、ドア左右の収納スペースやスイッチ類をハンドル周辺にまとめてあるなど、デザイン性だけでなく実用性もよく考えられています。
4WDモデルも存在するため、オフロード走行もお手の物。街乗りからアウトドアシーンまで、幅広い用途で使えるコンパクトカーとして、世界中で高い人気を博していました。
2代目パンダの登場は2003年。ボディデザインは初代と500を合わせたスクワークル形をしており、かわいらしい面持ちが特徴です。
2代目パンダは多目的車として開発されており、2ドアから5ドアに進化、エアバッグが標準装備化されるなどユーティリティ面が向上しました。
当時、5ドアタイプのコンパクトカーは日本だと当たり前でしたが、海外の主流は3ドアタイプでした。そんな中登場した2代目パンダは、斬新なモデルとして高い評価を獲得したそうです。
グレードと価格の比較
こちらでは、500とパンダのグレードごとに価格を比べていきます。
500のグレード車両価格FIAT 500 1.2L CULT2,620,000円(税込)FIAT 500 TWINAIR CULT2,860,000円(税込)FIAT 500C TWINAIR DOLCEVITA2,900,000円(税込)FIAT 500C3,440,000円(税込)FIAT 500 SEMPREVERDE3,440,000円(税込)FIAT 500C SEMPREVERDE3,550,000円(税込)FIAT 500E ICON5,530,000円(税込)FIAT 500E OPEN5,700,000円(税込)パンダのグレード車両価格PANDA EASY2,890,000円(税込)Panda Cross 4×43,160,000円(税込)最低購入価格は500の「1.2L CULT」の2,620,000円(税込)が最安です。その代わり、グレードが高くなるにつれてパンダの最高価格を超えてしまう点には注意しましょう。
外観とボディサイズの比較
こちらでは、500とパンダのボディサイズを比較します。それぞれの寸法は以下の通りです。
500全長3,570mm×全幅1,625mm ×全高1,505~1,515mmパンダ全長3,685~3,705mm×全幅1,665~1,670mm ×全高1,550~1,630mm全長と全幅に大きな差はありませんが、全高は500よりパンダのほうが高めの設計です。特に「Cross 4×4」は車高が1,630mmあるため、機械式立体駐車場を使えない可能性があります。
室内の広さを比較
こちらでは、500とパンダの室内寸法を比べてみます。
500室内長2,300mm×室内幅1,415mm×室内高980mmパンダ室内長1,650~1,670mm×室内幅1210mm×室内高1,180mm室内空間は、高さの面ではパンダに分がありますが、総合的な広さでは500のほうが上です。車内の空間を広く取りたい方は、500がおすすめです。
燃費性能の比較
500とパンダの各グレードごとの燃費(国土交通量審査値)は下記の通りです。
500のグレードWLTCモード市街地モード郊外モード高速道路モードFIAT 500 1.2L CULT18.0km/L13.4km/L18.8km/L20.5km/LFIAT 500 TWINAIR CULT
FIAT 500 TWINAIR DOLCEVITA
FIAT 500C TWINAIR DOLCEVITA
FIAT 500 SEMPREVERDE
FIAT 500C SEMPREVERDE19.2km/L14.4km/L19.7km/L22.0km/LFIAT 500E ICON
FIAT 500E OPEN-km/L-km/L-km/L-km/LパンダのグレードWLTCモード市街地モード郊外モード高速道路モードPANDA EASY16.6km/L12.3km/L16.9km/L19.3km/LPanda Cross 4×416.4km/L12.6km/L17.2km/L18.2km/Lパンダは車両重量が500シリーズよりも重いため、燃費性能では500のほうが上です。
なお、FIAT 500E ICONとFIAT 500E OPENはEV車にあたるため、燃費のデータは存在しません。ただ、一回の充電で最大335kmの走行が可能です。
動力性能の比較
こちらでは、500とパンダの動力性能を見ていきましょう。両車種のスペックは下記の通りです。
500のグレードエンジン種類総排気量最大出力FIAT 500 1.2L CULT直列4気筒SOHC8バルブ1.240L51kW(69PS)/5,500r.p.mFIAT 500 TWINAIR CULT
FIAT 500 TWINAIR DOLCEVITA
FIAT 500C TWINAIR DOLCEVITA
FIAT 500 SEMPREVERDE
FIAT 500C SEMPREVERDE直列2気筒8バルブマルチエアインタークーラー付ターボ0.875L63kW(85PS)/5,500r.p.mFIAT 500E ICON
FIAT 500E OPEN交流同期電動機-L87kW(118PS)4,000/r.p.mパンダのグレードエンジン種類総排気量最大出力PANDA EASY直列2気筒8バルブマルチエアインタークーラー付ターボ0.875L63kW(85PS)/5,500r.p.mPanda Cross 4×4直列2気筒8バルブマルチエアインタークーラー付ターボ0.875L57~63kW(77~85PS)/5,500r.p.m500とパンダは、基本的に共通のエンジンが搭載されているため、動力性能にほとんど差はありません。ただし、FIAT 500 1.2L CULTのみ直列4気筒SOHC8バルブが採用されており、馬力は同車種のグレードやパンダより若干下がります。
タイヤサイズの比較
こちらでは500とパンダのタイヤサイズを比較します。
500のグレードタイヤサイズFIAT 500 1.2L CULT
FIAT 500 TWINAIR CULT175/65R14FIAT 500 TWINAIR DOLCEVITA
FIAT 500C TWINAIR DOLCEVITA185/55R15FIAT 500 SEMPREVERDE
FIAT 500C SEMPREVERDE195/45R16FIAT 500E ICON
FIAT 500E OPEN205/45R17パンダのグレードタイヤサイズPANDA EASY175/65R14Panda Cross 4×4175/65R14FIAT 500 1.2L CULTとFIAT 500 TWINAIR CULTとパンダでは同じ規格が採用されています。しかし、500の他のグレードではより大型のタイヤが使われています。
EV車の500Eでは17インチにまでサイズアップするため、走行の安定さを求めるなら500の上位グレードをおすすめします。
安全装備の比較
同メーカーから販売されている500とパンダは、基本的に同じ安全装備が備え付けられています。両者で標準搭載されている安全装備は以下の通りです。
・イモビライザー(電子ID型自動車盗難防止システム)
・ABS+EBD(滑走走行低減装置+電子制御ブレーキシステム)
・ESC(横滑り防止装置)
・ASR(駆動輪空転防止装置)
・HBA(ヘッドランプ自動切り替え機能)
・HHS(車体後退防止システム)
・MSR(トルク自動制御装置)
・TPMS(タイヤ空気圧モニターリングシステム)
・ESS(ハザードランプ緊急制動表示機能)
・FPS(火災防止装置)
・ニーエアバッグ
・フロントデュアルエアバッグ
・サイドエアバッグ
・ウインドーエアバッグ
・3点式シートベルト(前席・後席)
・ISO FIXチャイルドシートアンカー(後席)
・シートベルトリマインダー(シートベルト未装着警告装置)
・アンチサブマリニングシート(座席脱落防止装置)
・サイドインパクトビーム(側面衝突補強材)
上記の中でもおすすめなのが、イモビライザーです。通常のキーとは別に個別識別型の電子IDによって車の鍵を開けるシステムなので、高度なレベルで盗難を防止できます。
また、車体各所にエアバッグが備え付けられているため、万が一の衝突事故でも運転者や同乗者を事故のケガから守ってくれます。
ラゲッジスペースの比較
こちらでは、500とパンダのラゲッジスペースを比較しましょう。
500奥行-mm×幅-mm×高さ-mm
荷室容量:約182~185Lパンダ奥行-mm×幅-mm×高さ-m
荷室容量:最大225L両者とも荷室寸法の公式なデータは存在しませんが、最大収納スペースは車高があるパンダに分があります。ショッピングや旅行で荷物が多くなりがちな方なら、パンダがおすすめです。
おすすめグレードの選び方
ここからは、500とパンダのおすすめグレードを「価格」「走り」「装備」の3つの観点から比較して紹介していきます。
フィアットから販売されている両者は、クラシカルなデザインと実用性の高さが特徴の車種です。グレードを見極める際は、自分の用途に合った機能や性能を持ち合わせているかを重視しましょう。
車は、車両価格が高ければ高性能とは限らないため、グレードごとでどんな違いがあるのか事前に確認しておきましょう。
価格重視
コストパフォーマンスの高さで選ぶなら、500の「1.2L CULT」、パンダなら「EASY」がおすすめです。
どちらも一番下のグレードではありますが、普段使いする分には十分な馬力と燃費性能を持ち合わせています。
また、安全装備もグレードごとでほとんど差はないため、性能面で大きなこだわりがない限りは上記のグレードで問題ないといえるでしょう。
走り重視
走行性能で選ぶなら、500のツインエアエンジン搭載モデルを、パンダは「Cross 4×4」をおすすめします。
500のツインエア搭載モデルは「500 TWINAIR CULT」「500 TWINAIR DOLCEVITA」「500C TWINAIR DOLCEVITA」「500 SEMPREVERDE」「500C SEMPREVERDE」の5グレードです。コンパクトかつパワフルな性能を持ち、坂道でもスムーズに走れる軽快さが特徴です。
パンダの「Cross 4×4」は、動力性能を向上した4輪駆動モデルです。街乗りだけでなくオフロードにも使えるため、アウトドアや地方へのドライブが好きな方におすすめといえるでしょう。
装備重視
装備の質と充実さで選ぶなら、500の「SEMPREVERDE」シリーズを、パンダなら「Cross 4×4」がおすすめです。
500の「SEMPREVERDE」は、ツインエアエンジン最終搭載モデル。グレード専用カラーのルジアーダグリーンや16インチダイヤモンドカットアルミホイールなど、特別仕様の装備が充実しています。
販売台数が全国限定300台と非常に希少なモデルなため、周りと違う自分だけの車が欲しい方におすすめのグレードといえます。
パンダの「Cross 4×4」は、EASYをベースにアウトドア仕様の専用装備を備え付けた限定グレードです。シートやルーフレールは専用のものが用意されており、シートヒーターやフルオートエアコンなど快適装備も標準で備え付けられています。
また、4輪駆動なため、悪路で走行性能が落ちる心配もありません。運転中の快適さを求める方におすすめのグレードといえるでしょう。
※本記事は、2024年3月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。
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