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もっともBMWらしい1台を買うならラストチャンス──M8 コンペティション試乗記

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もっともBMWらしい1台を買うならラストチャンス──M8 コンペティション試乗記

生産終了となったBMW「M8 コンペティション」に小川フミオが試乗した。はたして、ドイツが生んだ超高性能クーペの魅力とは。

ロールス・ロイスを彷彿とさせる走り

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もっともBMWらしいBMWともいえる、大排気量エンジン搭載のスポーティでかつエレガントな大型クーペ、それが8シリーズだ。なかでも最高出力625psと超パワフルなM8クーペ・コンペティションの”やりすぎ感”がたまらない。

2024年12月にテストドライブに持ち出したM8クーペ・コンペティション。スピードイエローという「BMWインディビデュアル」で用意される特別な塗色を持つ、スペシャル感の強いモデルだ。

今の8シリーズは第2世代で、格納式ヘッドランプに小さな小さなキドニーグリルの第1世代は、1990年に発売された。クラウス・カピツァという当時BMWに在籍していた社内デザイナーのペンになるボディは低くて広くて、特別感がしっかりあった。

初代8シリーズは、8気筒と12気筒が選べた。内装もダッシュボードやシートの造型や色づかいが凝っていて、贅沢な印象。走らせると、太いトルクを持つエンジンを活かし、かつしっかりとした足まわり&操舵感覚が好ましかったのをよく覚えている。

2018年の第2世代に出合ったのは、コンパクトな発表会場だった。ル・マン24時間レース中のBMWのホスピタリティブースの一角に、ヘッドオブデザインのアドリアン・ファン・ホイドンクらがやってきて、小さなキャビンと長いボンネットと独立したトランクをもつ、好ましいシルエットの新世代を披露したのだった。

24年も終わろうという時期に乗ったM8クーペ・コンペティション。大きなエアインレットをデザインした巨大なエアダムに、ボディ各所に配された炭素素材のパーツが目をひく。

発進させたとき、「相変わらずいいなぁ」と、思わず声が出てしまった。第1世代よりはるかにパワフルになった4394ccV型8気筒エンジンは、460kW(625ps)の最高出力と750Nmの最大トルクをもつ。パワーの出方の設定がじつに巧妙。アクセルペダルを踏み込んでいくにつれて、徐々にパワーが出てきて、エンジン回転が3000rpmを超えるあたりから、今度はぐわーっと表現したくなるような、強大なトルクが感じられるようになる。

クルマにとって大事なものはエンジンのフィーリングだと信じているひとなら、M8クーペ・コンペティションは、絶対に好きになると思う。まったく違うクルマだけれど、ジェントルでスムーズ、それでいてパワフルという点で、ロールス・ロイス「ゴースト」と、どこか近いような印象を受けたぐらい。

ありあまるぐらいのエンジンパワーをうまくコントロール。ステアリングはクイックすぎないけれど、バリアブルレートの設定もうまくて、さっと切れば車体がさっと向きを変えるスポーティさもそなえている。

それでいて高速では大体において乗り心地は良好。タイヤサイズと、コンペティションだけあって、不整路面ではガツンとショックがくることはある。それでも大体において姿勢はフラットさを保つ。大人っぽい快適さも併せ持っているモデルだ。

BMWは、いまもファンの多い3.0CS(CSi)にはじまって、歴代6シリーズ、8シリーズと、量販のビッグクーペづくりにかけて、長い歴史をもっている。ゆえに、うまいサジ加減というのか、乗り手がBMWに期待するものがなにかをよくわかっているのだろう。

ところがあいにく、BMWは8シリーズの生産を中止すると発表。今回のM8クーペ・コンペティションも在庫車両の販売のみ。ようやく試乗できたというのに、残念無念。次のビッグクーペに期待しよう。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

1件
  • Lore in
    こんな出来の悪い車種がラストってのが
    もう終焉してる証
    スタイル悪く重くて走りもダメ
    先進装備も他社に遅れを取りナビはバカすぎて使えない

    いいところがない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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