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乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー

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乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー

「先輩」ヴェゼルとはどう違う?

同カテゴリーにヴェゼルがあるのに何故WR-V? と考えるのはもっともだが、コスパを軸にした棲み分けを考えた結果だ。

【画像】ホンダWR-V Z+公道初試乗の様子をみる 全38枚

e:HEV(ハイブリッド)を主力としたヴェゼルに対してWR-Vはガソリン車のみの設定。ヴェゼルにもガソリン車は用意されているが、それでもX 2WDの約240万円(2024年4月)から。e:HEV車では約280万円からだ。WR-Vは約210万円からの設定で、最上級グレードのZ+でも250万円を下回る。

EPBが非設定のためACCに渋滞追従機能がなく、作動速度域30km/h以上となる高速対応型になってしまうがホンダセンシングは全車標準装備。装備簡略化による低価格戦略モデルという訳でもない。

さらに言えば値付けだけではなく、実用性の向上と合わせてコスパを強化しているのも見逃せない。プラットフォームは前半部をヴェゼルやフィットと同系、後半部をアジア市場向け3列席コンパクトSUVから移植。全長はヴェゼルとほぼ同じだが、ホイールベースを40mm拡大して、後席周りのキャビンボリュームを大きく採っているのが特徴である。

実際、後席スペースはコンパクトSUVではトップクラス。ヴェゼル比で50mm以上高くなった室内高もあり、大柄な男性の4名乗車でも無理がない。また、後席使用時の荷室奥行きはヴェゼルより100mm大きい。

ただし、ヴェゼルやフィットで売り物となっているチップアップ&ダイブダウンの2ウェイ後席収納は採用されない。これは定員乗車時を基準に後席の座り心地やコストなどの最適化を図った結果でもある。カップル+多用途性も重視するヴェゼルに対して、ファミリー用途重視のWR-Vと理解してもいいだろう。

飛び道具なしのパワートレイン、いざ試乗

誤魔化しかたが上手い、と言っては語弊があるが、余裕十分とも言い難いNA1.5LエンジンながらCVTと特徴を活かした変速とエンジンとの統合制御によりパワースペック以上の余裕をドライバーに感じさせてくれる。

変速制御では加速時にゴムが伸びるようにエンジン回転が上昇する無段変速特有の変速感覚の解消を狙い多段変速的に振る舞う。速度上昇に応じてエンジン回転数も高まり、前述のラバーバンドフィールはなくなる。ただし、多段変速と同じではない。

例えば、ギア固定で車速20km/hでエンジン回転数が2000rpmならば60km/hでは6000rpmになるが、WR-Vは20km/hが2000rpm、40km/hが3000rpm、60km/hが4000rpmというように速度とエンジン回転数を相関させる。

これはあくまでも喩えだが、加速しながら連続的にアップシフトを行うことで車速とエンジン回転数の相関をリニアすることで多段変速のように錯覚させている。

全開でも加速最大制御とせずに多段変速的に感じさせるために体感するアップシフト回転数に余裕を持たせている。

WR-Vあるいはホンダ特有の技術でもないのだが、その回転数制御と加減速制御が上手い。高速域の加速では余裕はないものの幅広い速度域で安定したコントロール性と伸びやかな加速感を示した。

広く薦められる実力派、あなたが選ぶならどっち?

サスの基本形式はホンダFF車の標準型。AHA(アジャイル・ハンドリング・アシスト)は採用されていないが、ハンドリングの基本特性は共通だ。ロールや回頭の揺れ返し少なく、収まりいい操縦感覚で中高速域での安定性と穏やかで素直なラインコントロール性を旨とする。切れ味とか手応えは薄いのだが、自然体の馴染み良さがある。

乗り心地もそうだが、フットワーク全般が適度に緩い。サスストローク制御でも車軸周りも規制があまい印象がある。誤解なきよう付け加えるなら曖昧という意味ではない。逃げとか往なしであり、その巧みなバランスが。

街乗りにも使いやすいサイズで4名乗車で荷物も沢山積める。高速道路や山岳路の長時間のドライブでも運転疲れや乗り疲れしにくい走行特性。プレミアムとか高級という視点で惹かれる部分は少ないが、和めるというか「ふつうが素敵」という感じなのだ。

WLTC総合モード燃費でヴェゼルe:HEVのZと比較すると、ガソリン単価170円/Lで見積もっても車両価格差を回収するには14万km前後の走行距離が必要になる。すでにティザーサイトで公開されているMCモデルでは価格差が拡大する可能性も高い。10万km以上乗るならe:HEVモデル狙いでヴェゼルを選ぶのもいいが、10万km未満ならWR-Vのほうが費用対効果で有利だ。

実利優先と言えば聞こえが悪いが、現実を見据えたウェルバランスがWR-Vの見所であり、選び方も楽しみ方も含めて背伸びしない実践派向けのコンパクトSUVなのだ。

試乗車のスペック

価格:248万9300円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4325×1790×1650mm
燃料消費率:16.2km/L(WLTC)
駆動方式:FF
車両重量:1230kg
パワートレイン:直列4気筒横置き1496cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:118ps/6600rpm
最大トルク:14.5kg-m/4300rpm
ギアボックス:CVT
タイヤサイズ:215/55R17(フロント)215/55R17(リア)

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みんなのコメント

32件
  • dc0********
    車にこだわり持ってる人はそもそも選ばない価格帯だから変にこだわった意見は無視していいと思う
    日常の足として使うなら低価格なSUVで多少の悪路も気にせず、
    最小旋回半径はSUVで最小クラスなので悪くない選択肢かな
  • gre********
    まあ今のホンダの国内ディーラーにとっては救世主みたいな存在なのかな。
    FFしかないとか、エンジンが非力で特徴もないとか、CVTしかないとか、今は売る側も買う側もホンダブランドへの拘りって無いんだろうな。
    しかし問題なのは、国内向けモデルを企画してる奴等の間抜けぶりではないか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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