クルマ業界には、普段の生活のなかでは使わないような言葉がものすごくたくさん存在する。
ベストカーをはじめとした自動車専門メディアでは当たり前に使われている言葉で、カーマニアにとってはすっかりお馴染みの言葉でも、一般の方々にとっては理解しづらいもの。今回はそんなカーマニアっぽいクルマ用語にスポットを当ててみた。
アナタはこのワード知っていますか? それ死語かも!? カーマニアっぽいクルマ用語
文/フォッケウルフ
写真/フォッケウルフ
■この用語の意味すべてわかりますか?
昨今の自動車メディアは「マニア向け」と揶揄されることがしばしばある。
時代がクルマに対して寛容ではなくなったこともあるが、そもそも、クルマに関わる情報の伝達を一手に担っている「専門」メディアであるから、少々マニアックな内容に終止してしまうのは至極当然のことである。
実際にクルマの試乗記事などを見ていると、普段の生活では使わないような言葉が散見される。たとえば、
「直線番長と思いきやコーナーに向けてステアリングを切ると、路面のアンジュレーションをたくみにいなすサスペンションのおかげで、滑らかにラインがトレースできる。リアにもスタビライザーが備わっているのでロールが小さく、ステアリングにも手応えがあり、素直にノーズの向きが変わっていく。不快なアンダーステアやオーバーステアもなく、俊敏に小気味よく走れる。2L 直噴ターボエンジンはパンチがあり、アクセルを踏み込んだときの3L NAのようなリニアなトルク感が味わえる。シャープで力感に溢れたエンジンフィーリングを堪能できる。」
といった感じだろうか。
マニアックな言葉とともに、ダイナミックな写真もクルマの試乗記事ならでは。制作側としては、楽しんでいただけていれば幸いだ!
自動車メディアに慣れ親しんだ「通」なアナタなら、この文を解説する必要はなく、「なるほど、このクルマはそんな特性を持っていて、そういう走りをするのか」と想像できると思うが、クルマに興味を持ち始めたビギナーにとっては、少々難解と言わざるを得ない。
クルマはちょっと詳しくてもファッションにうとい筆者が、ファッション誌を読んで「こなれ感をプラスする~」とか、「ヌケ感を意識したスタイル~」などと言われて「どういうこと?」となるのと同じことで、さっぱり見当もつかないのではないだろうか。
■クルマにまつわるマニアック用語を解説する!
そこで昨今の自動車メディアは、「新参の方々がとっつきやすく」するため、読者が想像し難い用語をできるだけわかりやすい表現を使いつつ、マニアの知識欲を満たせることに対しても配慮している。そんな制作側の裏事情はさておき(笑)、先述した例文のなかで、おそらくビギナーが引っかかるであろう言葉について解説してみよう。
【直線番長】 …… コーナー(カーブ)不得意だが、直線では抜群の速いクルマのことを称賛、あるいは揶揄する言葉。
【コーナー】 …… カーブのこと。日常生活では「角」とか「一部分に特設された一区画」などに使われる。
【ステアリング】 …… ハンドルのこと。日常的に「ステアリングが~」とはあまり言わない。
【アンジュレーション】 …… 路面のうねりや起伏のこと。
【たくみにいなす】 …… 相手の攻撃を簡単にあしらう、という意味だが、自動車業界では路面のアンジュレーション(つまり凹凸など)による衝撃を受け止め、揺れや傾きを発生させないことを指す。
【サスペンション】 …… アーム、ショック、スプリングなどで構成される車体支持装置全体のこと。
上記のほか、ブッシュやアッパーマウントなど、多くの部品で構成されているサスペンション。自動車メディアでは「足まわり」なんて表現されることも多々ある
【ライン】 …… 車が走行する軌跡のこと。道路のセンターラインのことではない。
【トレース】 …… 原図を薄紙などに透かして、敷き写すこととは違う。クルマの試乗記などでは「ラインをトレースできる」と使われ、イメージした走行軌跡のとおりにクルマが曲がっていくこと。
【スタビライザー】 …… クルマの左右のサスペンション同士をつなぐ棒状の部品で、走行を安定させる役割がある。
【ロール】 …… 旋回中に車体が左右に傾く力のこと。
【ノーズの向きが~】 …… ノーズとはクルマにおける先端部分のこと。向きが変わるなどの表現と組み合わせることで、ハンドルを切った瞬間に素直に向きが変わる……という意味合いになる。
【アンダーステア/オーバーステア】 …… クルマのステアリング特性を表す言葉で、一定のハンドル角で大きく旋回しているとき、速度の上昇に伴ってクルマが外側に膨らむのをアンダーステア。逆に内側に切れ込んでいってしまうことをオーバーステアという。
【小気味よく】 …… 動きや手段などが鮮やかで気持ちがいい様。
【直噴ターボエンジン】 …… 燃料をシリンダー内に高圧で直接噴射するエンジンにターボが組み合わされている。
【3L NA】 …… 排気量が3000ccの自然吸気(過給機を使わず大気圧でシリンダー内へ吸気を行う)エンジンのこと。NA=Natural Aspiration。
【リニアな~】 …… ある操作に対してクルマが正確に反応することを指す。例えばアクセルを踏み込んだら踏んだ分だけ加速するとか、ハンドルを切ったらその分曲がる、など。
【シャープ】 …… 「鋭い」という意味。操作に対してもたつくことないという意味で使われることが多い。
といったように、クルマ関連の解説記事のなかには、日々の生活ではほとんど出てこない、自動車ビギナーにとっては疑問に感じる言葉がたくさんある。
■死語もある! 専門的メカ用語もある!
さらに一例として、日常会話では使わないクルママニアっぽいクルマ用語を列記してみよう。
それぞれの意味についてここではあえて解説しないので、(クイズだと思って)読者自身で考えてみていただきたい。少々乱暴だが、それがカーマニアへの第一歩であり、自動車業界の文化や価値観にふれることだと理解してほしい。
●自動車に関する用語
インパネ
エンブレ
コラムシフト
オーバードライブ
ジオメトリー
減衰力
車高短
バネ下重量
ツライチ
アンチロックブレーキシステム
ダウンフォース
ドリフト
シフトチェンジ
エキゾーストノート
ホイールスピン
ヨーイング
ピッチング
●自動車の分類に関する用語
FWD(FF)
RWD(FR、MR、RR)
4WD
4WS
1.5ボックス
2ボックス
3ボックス
2シーター
2by2
スポコン
バニング
ラグジー
●運転技術に関する用語
ロックトゥロック
ステアリングレスポンス
ヒール・アンド・トゥ
逆ハン(カウンターステア)
スロー イン ファースト アウト
ブレーキング
●昔は使われたが今は使われなくなった用語
鬼キャン(おにきゃん)
メカチューン
ダブルクラッチ
キャブレター
アフターアイドル
フェンダーミラー
ここに挙げた用語はほんの一例に過ぎない。もはや死語と化した化石のような言葉もあるし、自動車関連技術に触れた記事などでは、さらに技術者でないと理解できないような専門的な用語まである。
自動車関連メディアでは、それらを少しでも変わりやすく伝達できるよう、日々試行錯誤している。
さまざまなクルマ用語を知れば知るほど、カーライフをより深く楽しめるようになるというのは自動車メディアのわがままな思いだろうか?
今どきは難解な文章を理解するより、走行映像とレポーターの解説がリンクした動画による試乗レポートのほうがわかりやすいと評判のようで、そちらを観る人も増えている。
しかし、一見すると難しく思える自動車業界ならではの用語を理解することは、クルマをより深く知ることに繋がり、愛車を購入するときの一助となるのは間違いない。
クルマに興味を持ってここにたどり着いたなら、マニアックな用語も自動車文化の一端として受け止め、知識として身につけても損はないはずだ。
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みんなのコメント
ベストカー
8トラ、パーソナル無線など姿を消した装備品もありますし、カセットデッキやごく最近はCDデッキも無くなりつつある。
クルマほど時代を映す鏡は無いね。