純正スピーカーを残したまま装着
ソニックデザインは2月14日~16日にインテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2020」で、昨年の東京モーターショーに続き、メルセデス・ベンツ Aクラス(W177)向けの次世代スピーカーコンセプトモデルを参考出品して注目を集めていた。
「ソニックプラス史上最高峰」の組み合わせとなるスピーカーの実力とは?
このユニットは、ソニックデザインが推し進めてきた“オールインワン・コンセプト”の考え方の下、それをさらに推し進めたシングルウェイ構成のフルレンジドライバーである。完全一体鋳造アルミダイキャスト製のエンクロージャー(スピーカーボックス)である「ソノキャスト」を踏襲。スピーカーユニットは52mm口径ワイドレンジドライバーをフレームレスで搭載し、クロスオーバーネットワークなしのシングルウェイ構成とした。
エンクロージャーは6面体の形状を持ち、バッフル面と左右2面にそれぞれ振動板を近接配置したことで音源をさらに集約化。エンクロージャー自体も高剛性・低共振設計とした完全一体化により、特に音の歪みの発生を極限まで抑え込んでいる。これにより再生する音楽の透明度や輪郭、再現性を飛躍的に高めることに成功した。また、可聴範囲(人の耳で聞き取れる音域)の大半をカバーする能力を持ち、点音源化によってドアへの下方装着であっても自然な定位感と優れた臨場感を可能にしたという。
エンクロージャー化することのメリットは数多い。まずマウント状態に左右されない安定した音作りができることがある。カーオーディオの多くはドアマウントした場合、背後にあるドアパネルの共振が発生しがちで、バッフルボードを組み合わせたしても最終的にはドアの剛性によっても音は変化する。エンクロージャーにスピーカーユニットを収めることでそういった不安材料を大幅に減らすことができるのだ。
さらに取り付け性の向上や、外部への音漏れを最小限に抑えられることも見逃せない。特にこの次世代スピーカーは、純正スピーカーユニットに被せて固定する専用の金属製プレートにユニットをセットする。純正のスピーカーケーブルを接続するだけ、というインストール性の高さがポイントだ。現行Aクラスの純正スピーカーはリベット止めされているなど、とにかく取り外すだけでも大作業が必要となるため、このような手法を採用したそうだ。
この製品の発売を待ち望んでいるAクラスのユーザー多いと思うが、現時点ではその時期は未定で、価格も決まっていないという。担当者によれば「より多くの人にユニットの魅力を知ってもらうため、できるだけ身近な価格に設定したい。うまくいけば来年中には発売できるかもしれない」との回答。早期の販売を期待したい。
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