実用性を捨てずに「人とかぶらない車」に乗りたい
「せっかく車を買うんだから、人とかぶるのは嫌」
「ファッションや持ち物にこだわるのと同じように、車も自分のスタイルに合わせたい」
“巨人・大鵬・卵焼き”をクラス全員が好きだった時代は終わり、趣味趣向は多様化している現代では至極当然の要求だ。
でも続々と出る新型車は、利便性や燃費という条件を追求して作られるため、同じようなパッケージのモデルになりがち。
お金があればレアな高級車やクラシックカーもアリかもしれないが、「ちょっと違うものを」という欲望を満たすために、購入予算を10倍にするのは現実的じゃない。
そこまでスペシャルなものではなく、実用的だけどちょっとだけ個性を出せるものが欲しいだけなのに、車ではそれが叶わないという声をよく聞いていた。
バッグはバーキンじゃなくても人とかぶらないものが選べるし、時計だってシーマスター以外にも個性を出せるモデルはごまんとあるのに……。 「だから、車だけは移動の道具と割り切って妥協します」
これでは、せっかくの車選びや購入後のカーライフが、100パーセント満足いくものにはならないだろう。
そんなモヤモヤを解消すべく、今回カーセンサー11月号では「フツーに乗れる“個性車”」を特集している。
2000年以降にデビューしたモデルをベースに、独特の意匠にカスタムされた車たちを集めた。
価格もおおむね80万~200万円ほどのものがほとんどだ。
キーワードは「シンプル」「レトロ」そして「野暮ったさ」
最新のビッカビカのものもかっこいいけれど、モデルチェンジをしてデザインが変われば「ちょっと前感」はぬぐえない。
一方、個性を出そうとパーツを多く付けるチューンナップをしていくと、「やりすぎ感」が出て悪目立ちしてしまう。
そこで、あえてシンプルにそしてちょっとレトロで野暮ったい雰囲気をまとった車をオススメしたい。
ボディカラーは「べタッ」っとした色。ホイールやパーツはシンプルなものを付けレトロ感を出す。
最初からピカピカの最先端を目指しているわけじゃないから、年数がたっても古くさくはならない。
ここ数年、そのような雰囲気の車を製作・販売しているお店が増えている。
購入する人がカスタムをするのではなく、すでに“いい感じ”の雰囲気に仕上げてくれているので、ビビッときたものを買うだけでいい。
取材した販売店からは、異口同音に「車検タイミングでの乗り替えがほとんどない」という声を聞いた。
自分のスタイルにピッタリの車だから、乗り替える理由が見つからないのだそうだ。
今回は、そんな個性車を購入したオーナーと、製作・販売しているショップに話を聞いている。
ただ珍しいだけでも目立つだけでもない。
自分にぴったりの個性車を、ぜひ誌面でチェックしてみてほしい。 文/編集部 今泉翔太、イラスト/遠藤イヅル、写真/三浦孝明、稲葉 真、柳田由人、小塚大樹
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