今季のレッドブル・ホンダはメルセデスの強力な対抗馬となっており、ここまで7戦を終えた段階で既に4勝。ドライバーズランキングでもマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がルイス・ハミルトン(メルセデス)を抑えてトップに立っているだけでなく、コンストラクターズランキングでもレッドブルが首位にいる。
しかし、メルセデス側はここ数戦のレッドブルが直線スピードを大幅に向上させたことに関して驚きを隠せずにいる。ハミルトンは第7戦フランスGPの際、レッドブルの直線スピードの速さに驚かされたと語り、メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフも、2基目のホンダ製パワーユニット(PU)を搭載することでレッドブルが“大きく前進した”とコメントした。
■レッドブルの直線スピード向上は”リヤウイング”のおかげ! フェルスタッペン「写真をプリントアウトしようか?」
今季のレギュレーションではPUの性能アップグレードが禁止されており、信頼性向上に関する微調整のみが許可されている。そのため、ウルフのコメントはホンダが違法なアップグレードをしていることを示唆しているようにも捉えられたが、彼は後にその意図を否定した。
そしてレッドブル側は、直線スピードの向上について疑問が投げかけられていることに対応する形で、チームがドラッグ(空気抵抗)を減らすようなセットアップを施したことや、小型のリヤウイングを装着したことが直線スピード向上の要因であると説明した。
また第8戦シュタイアーマルクGPでポールポジションを獲得したフェルスタッペンも、レッドブルとメルセデスのウイングの違いについて写真をプリントアウトして説明したいとして、純粋なパワーに関して明確なアドバンテージはないと主張した。
こういったレッドブル側のコメントを受けてウルフは、レッドブル陣営が一連の疑惑に対して猛反論してきたことに驚きを示した。
信頼性の調整によって、エンジン性能を引き出す余地はどれほどあるのか? そうmotorsport.comに質問されたウルフは次のように語った。
「今のパワーユニットにホモロゲーション(形式認定)が必要なことは誰もが知るところなのに、なぜそのような話題が出てくるのか、私は不思議だ」
「レッドブルの連中がパワーユニットの話題に関して、声を大にして反論し続けていることには本当に驚いた。少し変だね」
「ルールはとても明確。ホモロゲーションが行なわれているので、信頼性に関する修正だけができる。もちろん色々と整理できる部分もあるが、それをするにはトークンを使わないといけない。それだけだ」
「したがって、パワー面でのアドバンテージを得ることなんてないはずなんだ」
ハミルトンはシュタイアーマルクGPの予選でフェルスタッペンにコンマ2秒の差をつけられる形となったが、予選後に「僕たちが彼らと競い合うのは難しくなる」と語っていた。
フェルスタッペンのチームメイトであるセルジオ・ペレスは、レッドブルが直線スピードを伸ばしてきている件について、空力パーツのアップグレードにも起因するのではないかと示唆。ミルトンキーンズにあるファクトリーの面々が毎週のようにアップグレードを施している点を称賛した。
「チームは懸命に取り組んでくれている」とペレス。
「ファクトリーにいるみんなが、マシンを出来る限り進歩させようと、毎週のようにアップグレードをもたらしてくれる。その成果をコース上で見られているんだ」
「確かに、僕たちは他と比べて小さいリヤウイングをつけている。これが決勝に向けてのアドバンテージになるといいね」
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