■米国や欧州が羨ましい? なぜ国産メーカーモデルを海外先行投入するのか。
日本時間の2020年11月18日、ホンダは11代目となるシビックセダン(プロトタイプ)を、スバルは次期型「BRZ」をそれぞれ北米市場で世界初公開しました。
さらに、発売に関してもシビックセダンは2021年春、BRZは2021年秋を予定していることを明かしています。
グローバルモデルの多くは、モーターショーなどのイベント毎を除けば北米市場でお披露目される確率が高いですが、それはなぜなのでしょうか。
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ホンダの北米法人は、日本時間の18日にアマゾンが展開するライブストリーミング配信プラットフォーム「Twitch」内の「Head2Head」チャンネルライブで11代目シビックセダンを世界初公開しています。
同法人によると、2021年春に2022年モデルとしてまずシビックセダンを発売し、その後「シビックハッチバック」、「シビックSi」、「シビックタイプR」を続けて投入するとアナウンス。
また、スバルは日本も含めたグローバルニュースとして、次期型BRZを世界初公開したことを発表していますが、そのスペックなどは北米仕様となり、発売に関しても米国で2021年秋の予定と、それ以外の地域に関するアナウンスはしていません。
さらに、次期型BRZに関しては正式発表前となる2020年10月4日(現地時間)にカリフォルニアで開催されたSTIファンイベント「スビーフェスト」でカモフラージュされたプロトタイプが先行公開されるなど、米国のスバルファンを優遇するような動きも見られました。
このように、北米で先行して発表・発売されるケースはこれまでもあり、ホンダでは軽自動車やコンパクトモデル以外のグローバルモデルでは、北米市場で先行投入されることがあります。
最近では、現行モデルとなる15代目「アコード」は、2017年に北米で発売され、その後は南米、中国、アジアなどの順に投入。日本では2020年2月に投入されるなどが挙げられます。
同じくスバルでも最近では、2019年2月8日に7代目となる新型「レガシィ(セダン)」と6代目の新型「アウトバック」をシカゴオートショー2019で世界初公開。同年秋には北米で発売されましたが、日本で販売されているのは1世代古い6代目のレガシィ B4と5代目アウトバックです。
そして、2020年6月にレガシィ B4を販売終了。アウトバックも2021年1月に販売終了するとアナウンスされました。
セダン市場が縮小している日本において、スバルの伝統あるセダンが廃止されましたが、アウトバックについては日本のニーズに合った新型モデルを開発中で、2021年以降に刷新されると見られています。
また、ラインナップとして、ほとんどのモデルをグローバルで展開するマツダでも、「マツダ3」は北米市場で独自のパワートレイン戦略を進めています。
そのひとつが、北米向けにマツダ3の2021年モデルとして最高250馬力を発揮する2.5リッターターボ車を投入したことです。
日本仕様のパワートレインは、1.5リッター/2リッターガソリン車、1.8リッターディーゼル車、2リッタースカイアクティブX車と複数を設定しています。
一方、これまでの北米でのマツダ3は、2リッター/2.5リッターというふたつのガソリン車を展開していましたが、新たに2.5リッターターボ車がファストバックとセダンに追加されました。
この2.5リッターターボは、同社が北米向けに展開するSUVの「CX-5」や「CX-9」、「マツダ6」に搭載されているものと同型だといいます。
北米向けに2.5リッターターボ車が投入された背景について、マツダは次のように話します。
「北米市場では、パワーや速さを求めるニーズが一定数存在します。そのため、ほかの自動車メーカーでもそうですがパワフルなV型エンジンをラインナップしています。
マツダでは、2.5リッターガソリンターボエンジンを搭載するモデルを投入することで、そのようなニーズに対応しています」
また、かつて米国の国産ディーラーで営業をしていたA氏は、米国ユーザーについて次のように話します。
「米国のユーザーがクルマを検討する際には、やはりパワフルさを重視する傾向があります。
もちろん環境性能を重視する傾向もありますが、ほかの地域とは違いやはり速さや豪快さを求めるのはお国柄なのかもしれません。
また、米国は世界第二位を誇る自動車市場です。そのため、日本よりもはるかに販売台数が多いことも、北米優先になる要因ではないでしょうか。
あと、これは不確定な要素ですが、言語の壁も影響しているかと思います。グローバルモデルの場合、米国以外にもEUは大きな市場です。そのどちらも英語を基本としています。
一方、日本や中国はそれぞれ言語が違い、話題性を求めるグローバルモデルであれば米国や欧州で発表するほうが自然と訴求しやすいのかもしれません」
※ ※ ※
2019年の販売台数は、1位が中国の2576万8677台、2位が米国の1748万4台、3位が日本の519万5216台、4位がドイツの401万7059台、5位がインドの381万6891台となっています。
単純な市場規模かつ世界共通語とされる英語で情報発信が出来るのが、米国や欧州で先行発表される要因だといえます。
■トヨタはグローバルモデルでも日本優先? ガラパゴスな軽は海外からは羨ましがられる?
米国や欧州優先な自動車市場ですが、日本を優先とするケースも存在します。
とくに最近のトヨタは、グローバルモデルにも関わらず日本で先行発売することもあります。
例えば、コンパクトカー「ヤリス」は2019年10月16日に日本で世界初公開。発売も2020年2月10日に発売。
一方、同じヤリスの販売で重要な地域の欧州では、2020年7月27日に詳細な情報を公開するとともに発売しました。
また、ヤリスの派生車となる「ヤリスクロス」は、世界初公開の発表自体は、ジュネーブモーターショー2020を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で開催中止となったことで、オンライン上にて2020年4月23日に欧州と日本で同時に世界初公開。
ただし、日本での発売は同年8月31日だったのに対して、欧州では2021年半ばの発売を予定しています。
さらに、「ハリアー」は日本で2020年4月13日に初公開され、同年6月17日に発売していますが、米国では同年5月18日に「ヴェンザ」と車名変更をして発表、9月に発売しました。
このように、ほかの国産メーカーとは異なり、昨今のトヨタは日本市場への投入を米国や欧州と同等もしくは優先しているのです。
最近のトヨタでは日本優先な傾向も見られますが、それでも市場規模や話題性のある米国や欧州発表・発売が先行する傾向は大きく変わりません。
しかし、海外ユーザーからは日本が「羨ましい」という声も出ているといいます。
それは、日本独自規格の「軽自動車」の存在です。軽自動車は、日本の道路事情に合わせてボディサイズやパワートレインが定められています。
近年では、軽自動車の性能がコンパクトカー(海外ではAセグメント・Bセグメント)並みに向上したことや、日本人の性格に合わせた使い勝手の良さなどが海外でも注目されているのです。
とくに、軽トラックは海外で定番のピックアップトラックより小柄ながら機動性が高く、多少の悪路でも問題なく走破出来るほか、日本製という信頼度の高さから日本から輸入するユーザーも増えているといいます。
※ ※ ※
国や地域によって専用モデルが存在しますが、それらはその地域の文化やニーズに合わせて開発・投入されており、日本に投入されない理由も分かります。
しかし、日本にも少なからずニーズが存在するにも関わらず、米国や欧州より遅れて投入されるのは、国産メーカーのお膝元としては悲しい限りです。
もちろん、各メーカーそれぞれの事情はあるにせよ、先行発表する際に日本向けのアナウンスもあるだけでも、日本のユーザーは高い関心を集めるため、実際の投入時までの購入熱を冷めさせないためにも、日本へのリップサービスはあったほうが良いのかもしれません。
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みんなのコメント
日本で発表しても日本人は買いもしないのにケチばかり付けるから
スタートとしては宜しくないからです。
どの地域も比較的均等に売れているマツダは基本日本での発表だし、ホンダやスバルも日本が主要市場であるフィットやレヴォーグは日本発表。自然なことだと思う。