現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > この出来栄えで価格はほぼ据え置き…って実質的な値下げ!新型ハリアー・プロトタイプに乗ってみた

ここから本文です

この出来栄えで価格はほぼ据え置き…って実質的な値下げ!新型ハリアー・プロトタイプに乗ってみた

掲載 更新 41
この出来栄えで価格はほぼ据え置き…って実質的な値下げ!新型ハリアー・プロトタイプに乗ってみた

■高級クロスオーバーSUVの草分け的存在

「オロイド」という幾何学オブジェ(知りませんでした)が造形のヒントの一つになったというスタイリングは、写真で見るよりグッとシャープで、エレガントで、たくましい。

新型ハリアー・プロトタイプの内外装を写真で見る

鮮やかな一文字発光で左右をつなぐテールランプは、最近のポルシェも連想させる。だが、

「前のハリアーからこういったデザインにしていますので(笑)」(MS製品企画ZD主査 小島利章さん)

なるほど、確かにハリアーは間もなく先代になる3代目が、ガーニッシュではあるが2013年12月のデビュー時からそのイメージを採り入れている。世界で自他ともに認める高級クロスオーバーSUVの草分け。開発陣の熱量はメカコンポーネンツを共用するRAV4にヒケをとらない。

4月13日に新型が正式にお披露目されて話題の一つになったのは、トレードマークの「鷹」からトヨタブランドに変わったフロントのバッジ。2代目ヴェンザとして導入されることになった北米向けとの共通化、トヨタ販売店の統合などが理由だ。

が、車内に乗り込むと、フロントドアのトリムに型押しされた鷹が!

「鷹のマークはハリアーのお客様にたいへん人気がありまして」(同)

夜間に足元を照らすドアミラー内蔵のウェルカムランプにも鷹が現れるというから、ハリアーファンはひと安心だ。

頭上には、日本車初の調光パノラマルーフ。ガラスの調光機能によって車内は障子のようなやわらかい光に包まれる。日本発のSUVにふさわしい演出。サプライヤーはメルセデス・ベンツのマジックスカイコントロールと違うようで、ガラスの透明⇔不透明を切り換える調光の速さはメルセデスを超えた!

■メカはRAV4と共通。味付けは違う

車両パッケージはRAV4と基本的に同じ。3代目ハリアーと比較するとホイールベースは30mm長くなったが、後席ニールームの余裕は拳半分ほど少なくなっている。RAV4より前席優先のクーペライクなキャラクターを考えれば、問題はないはずだ。RAV4と同じだった全高は30mm低くなったが、後席の頭上高は調光パノラマルーフでも身長175cmの筆者が不足を感じることはない。

パワーユニット、ドライブトレーン、シャシーといった走りの素材もRAV4と共通。ハリアーはほとんど味付けのみで違いが演出されている。パワートレーンは3代目で微々たる販売台数だったという2Lターボに代え、従来E-Fourのみだった2.5L・HVでFFも選べるようになった。

袖ケ浦フォレストレースウェイのプロトタイプ試乗では、その2.5L・HVの2車、2Lガソリンは3代目で一番人気だったというFFを試した。

サスペンションはRAV4より若干しなやかな印象。3代目のどちらかといえばソフトな乗り心地のセッティングは、あれはあれで味わいがあったが、フワフワしたロールは姿を消している。タイヤの接地性も限界までしっかり保たれ、サーキット走行も存分に楽しめる仕上がりだ。タイヤは、RAV4アドベンチャーの19インチはオールシーズンだが、新型ハリアーは全車サマーの設定。

RAV4より増えた車重に対しても、システム出力222馬力(FFは218馬力)を発揮する2.5L・HVの迫力と速さは相変わらず。ハンドリングはFFも十分スポーティだが、アクセルオンで駆け抜ける中高速コーナーやタイトコーナーの立ち上がりは、後輪の駆動力をしっかり感じられるE-Fourのほうがさらにリニアで、バランスもいい。

一方、2Lガソリンは低回転域のトルクがRAV4でも力強いとは言えないが、フラットなサーキットでは171馬力を絞り出す高回転型の特性が生きる。ダイレクトシフトCVTのMT的発進性、加速とエンジン回転がシンクロするステップ変速制御も、気持ちよさをうまく助長している。

走り味でRAV4との違いがもっとも明確だったのは、手応えを増した電動パワーステアリングの操舵力だ。RAV4のほうがスッキリ軽くスポーティな印象だが、公道で普通にゆったり乗るには新型ハリアーの落ち着いた操舵感がいいかもしれない。

■価格は据え置き?…実質の値下げ!

期待が一つかなわなかったのは、RAV4のHVで気になるエンジンの振動・ノイズが、新型ハリアーでも解消されていない点。ノイズは遮音材などである程度抑え込めたが、振動はまだうまく対策できていないという。

荷室デッキボード背面の露骨な吸音材を見てわかるように、車両全体にはノイズ対策が入念に施され、3代目はもちろんRAV4に対しても大幅な静粛性向上が図られている。乗り心地もカローラから導入されたロール&ピッチを抑える減衰力最適化などと相まって、高級SUVにふさわしい上質さに仕上がっているだろう。

価格はまだ未公開。発売は6月中旬のようだ(17日?)。価格はほぼ据え置きとのウワサもあり、本当ならフルモデルチェンジの内容に照らすと実質的な値下げと言っていい。

日本で生まれ育った孤高の鷹。高級SUVの魅力を格段に高めて、新型ハリアーが間もなく地上に舞い降りる。狙った獲物は逃さない。

〈文=戸田治宏 写真=岡 拓〉

こんな記事も読まれています

サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

41件
  • 価格は発表済みでは?
  • 実質値下げなんてあり得ない。
    あるとすればトヨタお得意の見えない部分の大幅コストダウンか。
    それにしても、大衆SUVのRAV4をベースに飾りつけただけのクルマを、やたらと高級高級って。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

371.8620.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8674.8万円

中古車を検索
ハリアーハイブリッドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

371.8620.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8674.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村