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マツダ2 GT 115psの1.5LマイルドHV版へ英国試乗 クルマのすべてが調和

掲載 更新 4
マツダ2 GT 115psの1.5LマイルドHV版へ英国試乗 クルマのすべてが調和

3気筒ターボに挑むマイルドHVのNA 1.5L

執筆:Tom Morgan-Freelander (トム・モーガン・フリーランダー)

【画像】すべてが調和 マツダ2 欧州で競合するBセグ・コンパクトと比較 全178枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


周囲とは違ったやり方を取ろうとするマツダの姿勢を、われわれは称賛したいと思う。広島の自動車メーカーは、一般的な考え方や世間の流れに惑わされることはないようだ。

手頃な価格のオープンスポーツカーを生産し続ける、最後のメーカーになろうとしている点でも、ロータリーエンジンをレンジエクステンダーとし、純EVの駆動用バッテリーの大容量化を否定するという点でも。

一匹狼的な姿勢は、コンパクトカーのマツダ2にも当てはまる。モデル中期のマイナーチェンジでマイルド・ハイブリッドを獲得したとはいえ、自然吸気エンジンを維持し続けている希少なクルマとなる。

ターボに頼らない高効率化対策は、欧州仕様では上級グレードを除くエンジンに2020年から採用されていた。だが2021年に入り、トップスペックの115馬力仕様のエンジンにも施されることとなった。

1.5Lの4気筒ユニットは圧縮比が高められ、エグゾースト・マニフォールドを改良。燃費を改善しつつ、フォードやフォルクスワーゲン・グループなどの3気筒ターボ・エンジンに負けない最高出力の獲得を狙っている。

英国へ入ってくるマツダ2のうち、その新しいエンジンを組み合わせられるのは、今回試乗したGTスポーツ・テックと呼ばれるトリムグレードのみ。4段階のトップに当たる。

標準装備は充実しており、スマートフォンのワイヤレス・ミラーリング機能に駐車時の360度カメラ、アダプティブLEDヘッドライト、ブラインドスポット・モニターなどが備わる。

好バランスな走行フィーリング

インテリアは、少し古く感じる部分と、新しく感じる部分が織り交ぜられている。アナログメーターの上部に投影される、カラー映像のヘッドアップ・ディスプレイなどは、歓迎できる追加機能だ。

一方で、そこそこのサイズの液晶モニターが隣接しているとはいえ、大きなアナログ・スピードメーターは、見やすいものの旧式感が否めない。近年のクルマは、コンパクトカーでも、モニター式のメーターパネルが一般化している。

ダッシュボードには実際に押せるハードボタンがふんだんに残され、扱いやすいと感じるドライバーは多いはず。インフォテインメント用のロータリー・コントローラーも有用だが、センターコンソールの後方に位置し、少々手が届きにくい。

ダッシュボード中央には、小さめのタッチモニターが備わる。グラフィックは簡素なものの、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応しており、機能は充分。

インテリアに用いられている素材の質感は、クラスとしては高水準。シンプルなデザインが、雰囲気を一層高めている。

一般道での走行フィーリングは、好バランスなもの。従来の2と同様に、操作への反応に優れ、ステアリングホイールの重み付けも丁度いい。クルマから受ける印象は一貫性が高く、乗り心地や操縦性など、すべてが調和しているように思える。

しかし限界領域に迫ると、落ち着いた印象が薄れていく。フォード・フィエスタが、まだこのクラスのベンチマークといえそうだ。とはいえ、日常的な運転で実感する場面はないだろう。

控えめでまとまりのある印象に感心

改良を受けたエンジンは、マツダ2が必要とする動力性能に合致。市街地ではリラックスした気持ちのまま、滑らかに運転できる。

高速道路などでの追い越し時でも、長い助走を必要としない活発な加速を発揮してくれる。ただし、ターボエンジンのライバルモデルと違い、巡航状態から1速か2速、多めにシフトダウンして回転数を高める必要はあるけれど。

シフトフィールはMX-5(ロードスター)並みに心地良いわけではないが、正確にコクリと決まる。マイルド・ハイブリッドの効果は得られているようで、試乗時の燃費はカタログ値に近いものだった。

現行のマツダ2が欧州市場にやって来たのは2014年。このコンパクトカー・クラスのなかでは、かなり高齢化が進んでいるモデルではある。それでも、控えめでまとまりのある印象には、感心させられてしまった。

確かに登場から過ぎた時間を隠せない部分もある。走りに拘るドライバーなら、フォード・フィエスタのシャープなハンドリングに惹かれる気持ちも理解できる。

市街地での車群から距離を取りたいドライバーなら、この115馬力エンジン仕様を検討した方が良いだろう。プレミアムな質感が得られるわけではないが、総合的な能力は確実に上昇するはずだ。

パワフルではなくても、マツダ2なら運転に退屈することはない。次期型は、トヨタ・ヤリス・ハイブリッドの兄弟モデルになるという。果たして、現行型ほどの訴求力を備えているだろうか。

マツダ2 GTスポーツ・テック 115ps(英国仕様)のスペック

英国価格:2万845ポンド(323万円)
全長:4070mm
全幅:1695mm
全高:1495mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:20.0km/L
CO2排出量:113g/km
車両重量:1540kg
パワートレイン:直列4気筒1496cc自然吸気+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps/6000rpm
最大トルク:15.3kg-m/3500rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

4件
  • 115馬力のエンジンにMHV仕様で300万円オーバーのデミオ・・・・日本じゃ絶対に売れないと思う。しかし、100km/h加速の数値を見ると2200ディーゼルより速く、2500NAガソリンと同等。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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